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いよいよ動き出した「金沢都ホテル跡地」再開発。近鉄不動産と金沢市が特別措置法活用で合意。

都市計画・再開発(地域情報)/金沢/北信越 ニュース

2023/12/17 配信

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能の鼓をイメージした「鼓門 」とガラス張りの「もてなしドーム」が迎えてくれるJR「金沢駅」東口

金沢都ホテル跡地の再開発を阻む60mの「高さ制限」

金沢の玄関口にありながら、5年近く更地の状態で放置されていた、敷地面積450㎡の金沢都ホテル跡地(所在地:石川県金沢市此花町6番10号)。この土地の再開発に向けて、所有者である近鉄不動産と、金沢市がタッグを組んで動き始めた。

同ホテルは1963年に金沢初の都市型ホテルとして開業。長年県内外から多くの宿泊客が訪れていたが、2017年に老朽化のため惜しまれつつ閉館。2018年には建物の解体が完了していた。

再開発を阻んでいたのが、60mという高さ制限だ。かねてからこの高さ制限の緩和を求めていた近鉄不動産は、11月1日、跡地の再開発に向けて国の都市再生特別措置法に基づく規制緩和を活用することで金沢市と合意。

「規制緩和の動向を見据えて、金沢の玄関口にふさわしい施設を引き続き検討する」としていた。

国の都市再生特別措置法が適用されれば容積率や高さ制限の緩和などが受けられるほか、所得税や法人税の優遇措置などを受けることができる。

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JR「金沢駅」からすぐの一等地にある金沢都ホテル跡地

さらに11月30日、金沢市の村山市長は、金沢市経済同友会との意見交換において「金沢駅から片町にいたる都心軸について、特別措置法の対象地とするよう国に要請する」と言及した。

同エリアでは金沢エムズ跡地や、旧日銀金沢支店跡地の活用が課題となっており、特にこの旧日銀金沢支店跡地に関しては、市が取得の意欲を示している。

市は特別措置法を活用し、駅前から市街地中心地までを総合的に開発したいとの考えで、来年1月に行われる会合で、跡地の活用法を取りまとめる予定だ。

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金沢を代表する観光地のひとつ「兼六園」
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風情ある街並みがいまなお残る「ひがし茶屋街」

「保全」と「開発」のバランスが引き続き課題に

1583年に前田利家が金沢城入城して以降、400年以上戦災や大災害を受けず、今に残る金沢の街。そんな歴史ある街として、金沢はこれまで「景観」を大切に保全してきた。

金沢都市整備局の資料によると、金沢市は1989年に全面改正された景観条例により、市街地を「開発を進める『近代的景観創出区域』と、景観を保存する『伝統環境保存区域』にゾーニング。

さらに2009年に新景観条例を制定し、市全域を景観計画区域に設定し、都市計画法による高さ制限を導入していた。

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金沢市は景観条例により「開発」と「保全」の2つに市街地をゾーニングし、市街地再開発事業を行ってきた

一時期はコロナ禍で観光客が激減し、大きな打撃を受けた金沢の街。街中には空き地も増えているが、この高さ制限が再開発の着手を阻んできたともいえる。

市の申請が通り、金沢駅から片町にいたる都心軸が特別措置法の対象地となれば、今後さらに再開発が進み、街の活性化にも繋がることだろう。

特別措置法の申請から国の審査が終わるまではあと数年を要すると考えられる。今後の動向に注目しつつ、新たに生まれ変わる金沢の街を見守っていきたい。

健美家編集部(協力:斎藤一美(さいとうかずみ))

斎藤一美

■ 主な経歴

ファイナンシャル・プランナー(AFP)。
大手情報誌出版社にて金融情報誌のデスク業務やWEBメディアの立ち上げ・運営・メンバー育成業務などに携わった後、2007年にフリーの編集者・ライターとして独立。
現在は金融・不動産・保険分野を中心に、雑誌やWEBメディア、社内報などで執筆・編集を行うほか、金融初心者をターゲットとしたメディアアドバイス業務なども行っている。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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