2019年から東京メトロ千代田線の
始発駅になった北綾瀬。
2020年、2021年のコロナ禍で、東京メトロ千代田線の始発「北綾瀬駅」を中心とするまちづくりが大きく進展した。
「北綾瀬駅」は東京都足立区の北東部にあり、駅が環状7号線(東京都道318号)を跨いでいる。
周辺には自動車販売店やパチンコ店、レストランなどいわゆるロードサイドにありがちな商業施設が立ち並ぶ。
首都高6号線の出入り口である加平インターチェンジも近い。よくある地方都市の幹線道路沿いのような雰囲気である。
現在「北綾瀬駅」は東京メトロ千代田線の始発駅としても使えるようになったが、かつてはいわゆる盲腸線で、「綾瀬駅」から「北綾瀬駅」をつないでいた。
千代田線で都心部に出るためには「綾瀬駅」で乗り換えが必要であり、しかも本数が少ないため便利とはいえなかった。
「北綾瀬駅」のさらに北には東京メトロの車両基地がある。当時は周辺の田畑や湿地などが多く、軟弱な地盤を改良して車両基地がつくられた。
この用地取得の条件として、地権者の要望による「駅の建設」があったため、「北綾瀬駅」がつくられたそうだ。
盲腸線の状態が続いていたのは、「北綾瀬駅」が最初から旅客需要を見越してつくられたわけではなかったからなのかもしれない。
それが、2019年3月から千代田線の一部が直通運転となり、「北綾瀬駅」エリアは、ベッドタウンとしての価値を高めている。
駅周辺に商業施設も誕生予定。
地域の期待が高まる。
2019年から駅のリニューアルが行われ、2021年には足立区と三井不動産が北綾瀬のエリアデザインについて覚書を締結するなど、注目度を高めている。
北綾瀬駅周辺地区まちづくり計画によると、駅前の開発地区に商業施設が建つようだ。
北綾瀬は、足立区のなかでは栄えている綾瀬に近い。一方で、綾瀬のように繁華街がないため、治安は悪くない。
幹線道路沿いはやや騒がしいかもしれないが、少し離れれば静かである。
環七沿いにどっかりと立つ綾瀬警察署の存在も、住民にとっては安心要素かもしれない。
また、「北綾瀬駅」のすぐ隣が大きな公園だったり、駐車場だったり、さらには畑があったりする、のどかなまちである。
「北綾瀬駅」の周辺エリアは交通の不便さがネックとなっていたが、千代田線の直通運転が始まり、それが解消された。
そこに三井不動産の商業施設などが加われば、「北綾瀬駅」の評価は大きく変わりそうだ。
北綾瀬の不動産価格は
上昇基調だが過熱感はない。
不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」の住まいインデックスによると、すでに北綾瀬の不動産取引価格は上昇基調にあるようだ。
北綾瀬駅の標準的な中古マンションの価格は直近の3年間で12.18%程度上昇。これは北綾瀬駅のある東京都の変動の13.15%と比べるとやや小さい。
この3年間の価格上昇率を内訳でみると、初年度1.99%、2年目2.09%、3年目8.10%となった。駅のリニューアルや再開発の進展など、まちの変化と価格が関係しているように見える。
賃料についても同様の傾向が見られる。北綾瀬駅の標準的な賃貸マンションの賃料は直近の3年間で2.35%程度上昇。これは東京都の変動の2.59%と同水準だ。
なお、これらの資料は築10年専有面積70㎡の物件の価格変動を、AIが査定した場合の参考価格である。
東京都の不動産価格とほぼ比例するかたちで価格を上昇させているが、再開発中の北綾瀬にはまだ伸びしろがある。再評価される前に、割安物件を探してみてはどうか。
健美家編集部(協力:
(とやまたけし))