森ビルが35年をかけて手掛けてきた大規模な都市再生事業「麻布台ヒルズ プロジェクト」が結実し、11月24日、ついにオープンした。
1989年に街づくり協議会が発足してから35年、約300人の地権者とともに進めてきた類を見ない大型プロジェクトの総事業費は、約6400億円にも上る。
区域面積8.1ヘクタールと六本木ヒルズに匹敵するスケールの敷地には、オフィス、住宅、ホテル、医療施設、インターナショナルスクール、ミュージアムに約150店舗の商業施設などが入居する。
区域面積こそ六本木ヒルズに劣るものの、延べ床面積(861,700 ㎡)、オフィス総貸室面積(214,500㎡)、住戸数(1,400戸 )、緑化面積(24,000㎡)のいずれも六本木ヒルズを大きく上回る規模感だ。
地下鉄南北線六本木一丁目駅から日比谷線神谷町駅までの東西に細長いエリアは高低差が大きい上に老朽化した建物が密集していて、防災上の懸念が指摘されていた。森ビルはエリア内の道路と歩行者ネットワークを整備。東京都心に緑豊かな新しい複合都市が誕生したのと同じインパクトをもたらした。
24日午前に行われた開業セレモニーには、辻慎吾森ビル 代表取締役社長、田中紀子ジャヌ東京総支配人らが出席し、東京の新たなシンボルの門出を祝った。
麻布台ヒルズのメインとなる「森JPタワー」は地上64階建て高さ330メートル。低層部に商業施設やブリティッシュ・スクール・イン東京、慶應義塾大学予防医療センターが入る。
5階から52階までがオフィスで、最上層部の53階から64階には数百億円の値が付いたとも噂される超高級マンション「アマンレジデンス東京」に当てられた。完全なクローズド販売戦略で詳細は一切公表されていないが、全91戸のうち、売出し済住戸は完売しているとのこと。
20日行われたプレス向け内覧会では、残念ながら住居部分は公開されなかった。
33・34階に設けられた「ヒルズハウス」は、オフィス入居者が企業の垣根を超えて集えるクラブハウスの役割を担う。記者会見な企業の情報発信の場に使えるイベントスペースやヘルシーな食を提供するダイニング、ライブラリーや会議室など多彩な機能を集約した。
レジデンスA棟の1~13階部分には、2024年2月、アマンの姉妹ブランドホテル「ジャヌ東京」が 世界に先駆けて開業予定。こちらも大きな注目を集めそうだ。
他にも、ベンチャーキャピタルが集結する「東京ベンチャーキャピタルハブ」や、森ビルデジタルアートミュージアム「エプソン チームラボボーダレス」、慶應義塾大学予防医療センターやラグジュアリーブランドショップや都内初出店のレストランなどが続々と開業予定。
奈良美智氏ら世界的アーティストのパプリックアートが飾られた中央広場では12月9日から25日まで、クリスマスマーケットが開催される。
東京の最先端スポット、まずは足を運んでそのスケール感とラグジュアリー感を体感してもらいたい。
健美家編集部(協力:
(おおさきりょうこ))