こんにちは!火の玉ガールです。今回は自分の知識不足が理由で、エアコン工事が高額になってしまったという失敗談をお届けします。
■ 都心のシェアハウスのエアコンを交換
さて、賃貸物件のエアコンに関する話ですが、私がまだ不動産投資を始めたばかりの2013~14年頃は、ファミリータイプではエアコンは残置物を使ってもらう、もしくは入居者負担で設置としていました。
しかし、最近は( 特に関東は )「 エアコン=生命維持装置 」という認識で、設備としてエアコンを備え付けるのは常識になりつつあります。( 関東郊外で家賃が極端に安い物件や、北海道などの寒冷地では今でもエアコンなしで入居付けできるそうですが )
「 生きていくのに関係ないリフォーム 」はしない主義の私ももう避けて通れません。真夏に熱中症で入居者が亡くなっては困りますので、最近では各階1台は最低限取り付けるようにしています。( そのうち1部屋1台が常識になったらどうしよう、と怯えています )
コラム58話、59話、60話で紹介したシェアハウスは個室が12室+リビングで、エアコンが全部で13台あります。所有物件の中でも、1つの物件の中にあるエアコンの数としては最大です。
そんなシェアハウスから先日、「リビングの暖房が全然暖まらない」という連絡がありました。すでにエアコンの製造年月日も10年を超えていたことから修理ではなく交換をすることにしました。( エアコンはネットで「 標準工事費込 」のものを注文しました )
この物件は都心にあり、隣家との隙間が1mもないぎゅうぎゅうの立地なので、室外機の置き場所を確保するのが大変です。全13台のうち、標準工事費内に収まらない形で設置されているエアコンもけっこうあります。
ここで、みなさまにお伝えしたいのですが、エアコンの配管の穴には2種類あります。
通常、『 標準工事費込み 』と言われる配管の穴は、左のように室内外の穴がエアコンと同じ高さに空けられています。一方、右の隠蔽配管は二つの穴の高さが異なっているのがわかると思います。
今回ダメになった1階リビングのエアコンは隠蔽配管で、更に室外機は壁面置きでした。
隠蔽配管タイプは配管部分が壁の中に隠されるため、見た目がスッキリして美しい仕上がりになります。しかし、一方で修理や交換のときは手間がかかり、工事費が高くついてしまいがちです。
その証拠に、今回の工事でも標準工事費・リサイクル収集費用に加えて以下の作業内容と作業料が発生してしまいました。
①既存エアコン室外機取り外しのための高所作業料
②隠蔽配管室内化粧カバー新規交換または再利用料
③新規設置エアコン手上げ作業料
④壁面取り外し
⑤壁面取り付け( 既存置場金具が利用できない場合は新規金具必要 )
⑥フレアユニオン( 2分3分 )
具体的には、既存回収( リサイクル費用込 )+新規取付でエアコン本体以外の設置費用が約51,000円でした。標準工事費が12,000~18,000円程度であることを考えると、隠ぺい配管+2階以上壁面置きの工事費がかなり割高になることが分かります。
※ちなみに既存エアコンに関しては、リサイクルショップなどの無料回収業者にも複数社聞いてみましたが、壁面置きや天井吊りのような高所に室外機が設置されているタイプは対象外とのことでした。通常の露出配管、室外機1階平置きなら回収してもらえます。
■ 隠蔽配管の渡り配線( VVFケーブル )の太さに落とし穴が
加えて、今回大失敗だったのが隠蔽配管の渡り配線( VVFケーブル )を事前に確認していなかったことです。一般的な露出配管のエアコン設置しか経験のなかった私は、今回初めて”VVFケーブル”という言葉を知りました。こんなことなら真面目に電気工事士試験の勉強をしていればよかったと思います。
VVFケーブルは、低圧屋内の配線で一般住宅等の15A程度までの照明・コンセント回路に多く用いられるそうで、エアコンの接続配線にも使用されています。
最近のエアコンは”2mm 3芯”というタイプのものが多いそうなのですが、今回の隠ぺい配管で使われていたのは直径1.6mmのタイプでした。
「 流通しているエアコンが2mmタイプのものが多いのに、わざわざ1.6mmの渡り配線を当時の電気工事業者さんが使った理由は、価格の安さと施工のしやすさでしょう 」と取付業者に言われました。
電気の知識が乏しい自主管理大家さん、私と同じ過ちを犯さないように気を付けて下さい・・・。
もちろんそんな知識のない私は、追加工事費の高さに頭を悩ませ、本体はできるだけ余計な機能の付いていない、シンプルなものを、ネットでさんざん価格比較して一番安いものを選んでいました。その結果、VVFケーブルの太さは2mmだったのです・・・。
「 1.6mm配線の隠ぺい配管に、2mm配線のエアコンは取り付けできない 」と言われ、選択は以下の2択に絞られました。
①配送済の2mmエアコンを返品して、新たに1.6mmタイプのエアコンを再注文する。
※現状、1.6mmタイプの機種を発売しているメーカーは、ダイキン・パナソニック・三菱電機の2.8kwまで、日立の2.2kwまで、で対象機種が限定されるそうです。加えて、コンセトは15Aでタンデム型( =平行型 )のみ。( いずれも取付業者さんに教えてもらいました )
②現在の隠ぺい配管を利用せず、1階に室外機を置いて配管延長+窓パネル新設で露出配管に変更する( 隠蔽配管工事に比べて6千円ほど安くなる )
①なら見た目もそのままで、既存の配管を利用できますが、今後の修理や交換の際、また今回と同じように費用が高額になることと、キャンセル交換の手続き費用が発生するうえに、新たに注文するエアコン本体の代金も高くなります( 種類が限定されているため )。
その金額を合計しただけでもかなりの負担でしたので、今回は見た目を犠牲にして②に変更させてもらいました。既存の隠ぺい配管は生きているので、次回またエアコンが壊れた際には1.6mmタイプのエアコンを買って露出をやめることも可能です。
■ 結局、本体の機能も設置方法も単純でシンプルなエアコンがいい
は~。餅は餅屋という言葉の意味がよくわかります。エアコンについての知識がないまま、コストを抑えたい一心で行動した結果、高くついてしまったという失敗談でした。今回、エアコンについて色々と知ることができたので、それを収穫とします。
例えば、お掃除機能付きエアコンはクリーニング代も高額になるそうです。今回のことで、「 エアコンは本体の機能も設置方法も、できるだけ単純かつシンプルなものが一番 」という結論に至りました。
今回はかなりマニアックなエアコンの交換工事について書いてみました。同じようなタイプのエアコンをお持ちの方は参考にしていただければ、と思います。それでは、また次回もコラムでお会いしましょう。