前回のコラムはスペインでアントニオ・ガウディの手がけたサグラダファミリアを視察してきた話を書きました。今回は、その際に聞いたバルセロナの不動産事情を書いてみたいと思います。
サグラダファミリアで世界遺産登録がされているのは、ガウディが手がけた「生誕のファサード」という教会の東門と「地下礼拝堂」の2ヶ所のみで、その他の部分は世界遺産ではありません。
西門は「受難のファサード」として別な建築家が受け継いて完成していますが「栄光のファサード」と呼ばれる正門はまだほとんど完成していません。こちらは基礎部分のコンクリートと中の鉄筋が剥き出しのままで、現地を見ると残念な状態です。
■住人の立ち退きが困難でガウディの計画は無期限延期に
ガウディは、この正門「栄光のファサード」前にエントランスとなる公園を造る構想を持っていたそうです。ところが資金的な問題でその公園用地を取得できず、100年の間にそこに賃貸マンションやテントが建ってしまいました。現在はその立ち退きが非常に困難という話です。
日本の旧借地借家法と同様、スペインでも入居者の権利は物凄く強いそうで、賃貸物件の契約期間は基本的に7年間で(日本でいう定期借
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