安定、堅実な職業の代名詞ともいえる「公務員」。近年では志願者数が減少傾向のようだが、公務員＝一生安泰というイメージは、特に地方では未だに根強い。とはいえ、実際に公務員として働いている当事者で、とりわけ若手職員にとってみれば「決してそんなことはない」と言いたくなる気持ちが湧くのではないだろうか。
公務員の給与は年齢や職位に応じて段階的に、毎年確実に昇給していくものの、その上昇カーブは非常にゆるやかだ。20､30代の若手職員は民間企業と比較しても高級取りとはいえず、家庭を持ち、家や車のローンなどを背負えば、それほど余裕のある生活とはいかないはずだ。
厳しい副業規定によって、副業による収入アップの道も制限されている。多くの先輩や同僚が、月の小遣いが2､3万円で侘しい…と嘆いていることだろう。
公務員として今後も生き続けて、後悔はないか？
答えが「ノー」なら、不動産投資で人生を変えてみるのはどうか
あなたの公務員ライフは、入職前のイメージと比べて満足のいくものだろうか。このまま定年まで勤め上げることに疑問や違和感はないだろうか。
これらの問いに「ノー」という答えが浮かんでくるのだとしたら、人生を変える何らかの決断と、それに応じた行動が必要だ。そんな方に向けて今回は、「公務員特権×不動産投資 公務員が最短最速で不動産投資でFIREする方法（日本橋出版）」という本を紹介する。
本書は公務員のため”だけ”に書かれた不動産投資本である。著者は元公務員の不動産投資家「ひろや」こと船生裕也氏。ひろや氏は新卒で都内の地方公務員に入職し、25歳から貯金200万円を元手に不動産投資を開始。約3年で月の家賃収入150万円を達成し、購入と売却を繰り返しながら20代のうちに現金資産1億円を作りFIREを達成した経歴を持つ。
本書の核となるメッセージは、「公務員こそ不動産投資をすべき!」というものだ。
不動産投資を行ううえで、公務員であることのメリットは計り知れない。特に実績のないサラリーマンが新規で融資を受けることが難しくなってきた昨今においては尚更だ。
公務員を辞めたいと思って行動を起こす場合でも、努力して手に入れたそのポジションは想像以上に貴重なものであり、安易に手放すべきではないとひろや氏は説く。転職や起業をする前に不動産投資を始めて、公務員であることの特権を最大限活用することを勧めている。
元公務員が公務員のためだけに特化させた不動産投資本
職場にバレないか、本業との両立は？といった疑問にお答え
本書は主に「不動産投資に興味はあるけど、実際どうなの？」「不動産投資をやる決意は固まった。どんな物件を探せばいいだろう？」といった疑問をお持ちの初心者に適した内容となっており、例えば以下のようなことを学ぶことができる。
◯なぜ公務員が不動産投資に向いているのか
・年収の実力以上に高く評価される公務員という属性。銀行から見て公務員がいかに優良な融資先であるか
・公務員の仕事と不動産投資（賃貸業）の親和性。地域住民の暮らしを支えるという点では同じ
・本業をおろそかにせず、隙間時間で取り組める。リスクを上手にコントロールすれば公務員と十分に両立可能 etc…
◯公務員の不動産投資拡大戦略
・1棟目に買うべき物件と買うべきでない物件。貸して儲かる物件、売って儲かる物件の探し方、見極め方。
・副業規定による縛りを上手にかわし、職場にバレずに買い進めていく方法。FIREするなら目指すは法人での「プロパー融資」獲得
・1棟2棟買ったところで手詰まりにならないために。規模拡大のうえで売却を交えていくことの重要性 etc…
ひろや氏は、本書の終わりで「不動産投資はあくまで手段。結局あなたは不動産投資を通じて何を得たいのか？」と読者に問いかける。その問いかけには、物件探しや銀行開拓より先に、なぜやるのか、という動機の部分を明確にすべきだというメッセージが込められている。
不動産投資を始めて、何の痛みもなく成功することはあり得ない。誰しも必ず失敗やトラブルに見舞われることになる。そんな時でもくじけず、退場することなく乗り越えていくために重要なのが動機の力というわけだ。
本書を通じて、不動産投資の具体的な進め方を学ぶとともに、自らの望む人生、成功の形というものを改めて定義してみてはいかがだろうか。
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