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庭の借景、土地の立地をフル活用。周辺環境を味方につけた+GARDEN(大田区西馬込)の魅力

不動産投資全般/不動産 ニュース

2023/01/23 配信

古い建物を取り壊して新築するとなった場合、たいていは庭も一緒に潰されてしまうことが多い。だが、家族が丹精を込めて手入れしてきた庭であれば、それを残すこと、借景とすることで新しい建物の価値とできないか。そんな取組をした大田区西馬込の新築物件を見学してきた。

テニスコートに隣接、屋敷庭を備えた土地に新築

立ち止まって眺めている人を多数みかけたインパクトのある外観
立ち止まって眺めている人を多数みかけたインパクトのある外観

大田区西馬込の高台、テニスコートに隣接した土地にその新築物件は建っていた。既存の塀、門構えはそのまま、庭もそのまま。新しくなっているのは中の建物だけ。

しかも、3階建ての建物からは木調の縦格子を使った、それぞれに異なる形をしたバルコニーがあちこち違う方向に突き出ている。塀、門と建物の新旧のバランス、建物の面白さからだろう、道行く人は不思議そうに建物に目をやり、何人かは立ち止まる。

入ったところにある掲示。玄関の掲示と同じデザインで印象的
入ったところにある掲示。玄関の掲示と同じデザインで印象的

それがオンデザインが設計、管理に携わったテニスクラブのクラブハウス、カフェ、賃貸住宅からなる複合施設・+GARDEN(プラスガーデン)だ。

クラブハウスの建替えに端を発し、庭との間にあったオーナーが生まれ育った家を取り壊して一緒に建て直すことになったもので、1階の公道に沿った建物東側にはテニスクラブのフロント、更衣室、ラウンジ、カフェがある。

こちらはテニスクラブのクラブハウス。こちらも楽しげな建築だった
こちらはテニスクラブのクラブハウス。こちらも楽しげな建築だった

当初からカフェを作る計画だったが、計画が進むにつれてオーナーも新しい建物を楽しみにするようになり、自ら経営に乗り出すことになったとか。わくわくするような新築計画が実現したというわけである。

土地の高さを生かした1階バルコニー

右手が住宅へのエントランスになる
右手が住宅へのエントランスになる
セキュリティはここのゲート部分にある。右の部屋は共用部ともなる1室
セキュリティはここのゲート部分にある。右の部屋は共用部ともなる1室

門から敷地内に入ると左側に庭があり、塀際には石灯篭なども。同じく左側には賃貸住宅の入口も設けられている。庭は手前部分まではカフェの客なども立ち入ることができるようになっており、奥の住宅部分の庭との境には木の、緩い感じの柵が設けられている。

集合住宅のエントランス周りのセキュリティは普通、もっと厳めしい感じだが、ここは柵と門扉となっており、のんびりした雰囲気が漂う。庭の奥部分は賃貸住宅居住者のスペースというわけである。

住宅は1階の西側と2階以上で、住戸数は17戸。48㎡から58㎡の1SLDKから2LDKが作られている。賃料は17万5000円から21万6000円。管理費・共益費は月額15000円。坪単価は全戸共通で1万2000円。

特徴は形状、向きは異なるものの、どの住戸にも設けられた眺望、緑を楽しめるバルコニー。それぞれに見えるものが異なり、住戸の面積自体は同じ部屋でも部屋の雰囲気はすべて異なっており、入居者はどれにするか悩んでしまいそうである。

1階住戸。キッチンからウッドデッキを見たところ。緑しか見えず、1階ということを忘れそうだ
1階住戸。キッチンからウッドデッキを見たところ。緑しか見えず、1階ということを忘れそうだ

また、それぞれのバルコニーがよく考えられていて面白い。たとえば1階住戸には柵のない、ウッドテラスのようなバルコニーがあるのだが、これが可能になるのはこの土地自体が周囲の公道などから高くなっており、かつ敷地周辺に植栽が豊富にあるため。高低差と緑が目隠しになり、1階だというのに周囲とは隔絶された空間になっているのである。

バルコニー以外の窓からもそうした緑が見えるようになっており、23区内の住宅地に立地しているとは思えないのどかさ。当初、住宅地内の1階は不利なのではと思ったが、これなら全く問題なさそうである。

庭、周囲に高層ビル群、富士山と眺望が楽しい2階以上

2階の窓から。周囲から一段高くなった敷地のため、2階でもこの通り。庭の借景が楽しめ、周囲からの視線はほとんど気にならない
2階の窓から。周囲から一段高くなった敷地のため、2階でもこの通り。庭の借景が楽しめ、周囲からの視線はほとんど気にならない
こちらは3階。人目を気にしなくてよい開放感がある
こちらは3階。人目を気にしなくてよい開放感がある

2階以上はもっと魅力的である。庭に面した南向きの住戸には部屋ごとに異なる形のバルコニーがあり、庭や近隣の住宅、向きによっては多摩川沿いのタワーマンション群などが遠望でき、日当たりが良くて明るく、実に気持ちが良い。周辺には高い建物がないためであろう。

北側の、テニスコートに面した住戸。住戸によってサイズは違うが広いバルコニーがあり、第二のリビングとして使える
北側の、テニスコートに面した住戸。住戸によってサイズは違うが広いバルコニーがあり、第二のリビングとして使える

北向きの住戸は南向きよりも広いバルコニーが設けられており、住戸によって野外にひとつ部屋があるような感覚。北側にはテニスコートがあるので、向かい合うような建物はなく、木の格子もあって人目を気にする心配はない。のんびり、デッキチェアを置いて読書するのも素敵だろう。

リモートワーク用の小部屋がある住戸も

黒い窓枠のある部分がリモート部屋
黒い窓枠のある部分がリモート部屋
リモート部屋からの眺望。仕事に倦んだら外を見て気分転換
リモート部屋からの眺望。仕事に倦んだら外を見て気分転換

住戸内で面白いのは一部の部屋にはリモートワーク用に他の部屋との間に窓を設けた小部屋が用意されていること。たとえば、3階の301号室の小部屋は2.5畳ほどとコンパクトだが、目の前の窓からは武蔵小杉のタワーマンション群が望め、3階という高さとは思えないほど。

部屋の前にウッドデッキを敷いた広い空間があり、その先はテニスコート
部屋の前にウッドデッキを敷いた広い空間があり、その先はテニスコート
柵の手前までが共用廊下。独立感の強い角部屋だ
柵の手前までが共用廊下。独立感の強い角部屋だ

この部屋は西側の角住戸でもあり、エントランスの前に広いバルコニーがあるのも魅力。こちらも優に一部屋分が外にある感じである。

廊下、突き当りなどにはベンチ、椅子と植栽が置かれ、どこも絵になる
廊下、突き当りなどにはベンチ、椅子と植栽が置かれ、どこも絵になる

また、階段を上った先、共有廊下の突き当りなどに植栽、ベンチが置かれているのも実に絵になっており、美しい。廊下は広めに取られているので、そこで会話が生まれるようなシチュエーションも十分想像できる。そもそも、家族で庭を利用していれば、知らず知らず顔見知りになるだろう。

庭に植えられているのはスダジイ、サクラ、サルスベリ(百日紅)、ミカン、ツツジ、アジサイなどとさまざまで中には樹齢でいえば100年近くと思われるようなものも。取材時にはまだ紅葉が楽しめ、春になれば桜、夏にはアジサイと考えると豊かな暮らしが送れる住まいである。

1階には共有的な住戸も

共用の部屋から外を見たところ。庭と一続きの空間としてパーティーなどにも使えるのでは?とのこと
共用の部屋から外を見たところ。庭と一続きの空間としてパーティーなどにも使えるのでは?とのこと
奥側から庭全体を見たところ。右側には桜の木もあり、自宅で花見ができる物件ともいえる
奥側から庭全体を見たところ。右側には桜の木もあり、自宅で花見ができる物件ともいえる

1階のセキュリティラインを超えたところにある住戸は共有空間として使ったり、使わない時には外に貸し出すような使い方が想定されている。庭を目の前にした空間でもあり、ウェディングやパーティーなどに使われるようになれば、稼いでくれそうである。

建物の右手にある茶色い部分は内部が駐輪場、上部がカフェの席となっている
建物の右手にある茶色い部分は内部が駐輪場、上部がカフェの席となっている

賃貸住宅以外の空間も見せていただいたが、個人的にはカフェの向かいにある、少し高くなった席が面白かった。

下は駐輪場になっており、中は見えにくい。駐輪場はちゃんと作っていても使っているうちに乱雑になりやすい場である。そもそも見えないようにしてしまえば、乱雑さが目につかなくなる。良いアイディアだと思う。

また、道からカフェが見えないという効果もある。一段上がった席も植栽で見えにくくなっており、通りを知り合いが歩いていても互いに気にならない。

住宅街では歩いている人同士が顔見知りということも多く、しょっちゅうすれ違うのもなんとなく気まずい。だが、これなら特別感もあり、しかも見えにくい。良いと思う。

周辺の家賃相場をホームズで駅から5分、新築で45~50㎡でバス・トイレ別、室内に洗濯機置き場があり、オートロックでエアコンありとして検索してみるとマンションで16万円を中心にプラスマイナス7万円程度と出た。

だが、実際に同じくらいの広さ、質の物件はほとんどない。現在、地元で流通しているのは単身者向けの手頃な物件が中心ということだろう。

ただ、昨年は庭の緑を生かした高額賃貸があっという間に決まった例も見てきており、以前より住環境、眺望、解放感などにこだわる人が増えていることを実感している。

これだけの眺望をこの賃料で手に入れられると考えると反応はどうか。取材後、年明けの時点では2戸が決まっていたが、これからが気になるところである。

健美家編集部(協力:中川寛子(なかがわひろこ))

健美家編集部(協力:中川寛子(なかがわひろこ))

中川寛子

株式会社東京情報堂

■ 主な経歴

住まいと街の解説者。40年近く不動産を中心にした編集業務に携わり、近年は地盤、行政サービス、空き家、まちづくり、地方創生その他まちをテーマにした取材、原稿が多い。
宅地建物取引士、行政書士有資格者。日本地理学会、日本地形学連合、東京スリバチ学会会員。

■ 主な著書

  • 「ど素人が始める不動産投資の本」(翔泳社)
  • 「この街に住んではいけない」(マガジンハウス)
  • 「解決!空き家問題」「東京格差 浮かぶ街、沈む街」(ちくま新書)
  • 「空き家再生でみんなが稼げる地元をつくる がもよんモデルの秘密」(学芸出版)など。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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