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札幌市の新たなMICE施設の開発で、不動産投資家が中島公園西側エリアに注目する訳

都市計画・再開発(地域情報)/札幌/北海道 ニュース

2020/03/05 配信

2020年東京オリンピックのマラソン競技が開催されることになった札幌だが、2030年に誘致を進めている札幌冬季オリンピック・パラリンピックと2030年末の北海道新幹線札幌延伸を見据え、札幌駅周辺の再開発について2019年12月5日配信の健美家不動産投資ニュースで伝えたところだ。

今回はMICE(以下とマイス呼ぶ)・ホテル複合施設の敷地とその周辺を「中島公園駅周辺地区」と位置づけ、札幌駅前通南端の新たな拠点形成に向けたまちづくりを進めている事を伝え、新たな人気エリアが出現する可能性を伝えたい。

■マイスとは整備イメージ図1

マイス(MICE)は、Meeting(会議・研修)、Incentive(招待旅行、報奨旅行)、Convention(国際会議・学術会議)または、Event /Exhibition(イベント/展示会)の頭文字を合わせた造語である。

札幌市がMICE施設を建てるのは、会議に出席した人が消費する飲食・宿泊・交通・買い物等に経済効果が見込められることや、会議で来訪した人が再度、観光に訪れる相乗効果も期待しているのである。

札幌市には現在3000人収容可能な札幌コンベンションセンターがあり、高い稼働率を維持しているものの、大規模な国際会議等の誘致には、展示場が併設されていないことや、立地が良くない事などの課題を有している。

また、これまで「さっぽろ芸術文化の館」と周辺施設を連携させて、特に大規模な国際会議等を開催してきたが、そのうち、一部機能を担っていたさっぽろ芸術文化の館が閉館したことなど、ハード面の課題が顕在化してきている。

そのような中にあって全国的なマイスの開催状況は、3,000~10,000人の会議の増加傾向が強く、そのうち、5,000 人規模までの会議割合が高いが、それにふさわしい会場が札幌には無い。
また札幌は国際会議の開催件数で国内第8位ではあるが、第7位との差は大きく、開催件数上位都市と比べて一件当たりの参加者数も少ない課題もあった。

そこで札幌市は札幌パークホテルの建替えと連携してマイス施設を建設することに決めたのである。
新施設は、現在駐車場に利用している北側に高層のホテルを建て替えた後、現ホテルを解体した敷地南側に5階建てのMICE棟を新設する予定だ。

大規模な国際会議やインセンティブツアーをターゲットに単体で5000人規模、周辺を合わせ1万人の対応を目指している。マイス機能は1―3階に4000m2の展示場、4、5階に2000m2のホールと7室2000m2の会議室を配置する計画。ホテル側には3000m2程度の会議室を確保する計画で大規模なイベントは連携して対応する予定である。

■中島公園駅周辺地区のまちづくり

中島公園駅の周辺には中島公園をはじめとし、鴨々川、豊平館、八窓庵、由緒ある寺社、その他にも多くの歴史資源が多くある。
また、札幌コンサートホールKitaraや、こども人形劇場こぐま座などの文化施設が見られるとともに、全国で有数の歓楽街である、すすきのにも接している。

このように中島公園駅の周辺は札幌都心において、にぎわいのみではなく札幌の四季や文化芸術に触れることもできる非常に重要かつ貴重な地域となっている。

そのような中で平成30(2018)年5月に「(仮称)新MICE施設整備基本計画」を策定し、札幌パークホテルとの共同事業で新MICE施設とホテルの複合施設の整備を2026年度までに行うことを決定した。

■「中島公園駅周辺地区」3月末に基本構想決定

札幌市は1月31日から3月3日までパブリックコメントを実施し3月末までに基本構想を策定するようだ。
再整備の対象は、市営地下鉄南北線中島公園駅を中心とする半径約400メートルの地域で、徒歩5分圏内。大規模会議の開催で、マイス施設ができると周辺の交流人口増が見込まれるため、まちづくりに着手する。

市は一帯を①南7条付近から中島公園までの札幌駅前通エリア②鴨々川沿いエリア③中島公園北口周辺エリア④豊平川近接エリアの4エリアに分け、整備方針を盛り込んだ。
中島公園駅周辺地区エリア図

① 札幌駅前通エリアは札幌の目抜き通りで、新たな民間開発の可能性が高く、マイス・ホテル複合施設の整備に伴い、当該地区とすすきの駅方面をつなぐ重要な南北の主動線となることが想定される。新たな民間開発の可能性も高く、これらの動向を適切にとらえ、通りの高質化を図っていく検討エリアとして設定。

② 鴨々川沿いエリアは、札幌の都心において身近に水を感じることのできる貴重な水辺空間であり、歴史的建造物や水辺の空間を活かして憩いの場を整備する。

③ 中島公園北口周辺エリアは、地下鉄中島公園駅の出入口や中島公園の入口、新千歳空港へのリムジンバスのバス停などが存在し、来街者に対する当該地区の玄関口となるエリアで、今後、マイス・ホテル複合施設の整備により、当該地区の玄関口として、多くの方が訪れることから、必要な環境整備を行うエリアに設定。

④ 豊平川近接エリアは、大規模な土地利用転換にあわせて、マイス・ホテル複合施設と連携・協調するにぎわい・交流機能や質の高い宿泊機能など、地区全体で大規模マイス開催を支える機能の誘導を目指すエリアに指定。

■中島公園東側に複合ビルが2024年に開業

先に説明した④豊平川近接エリアでは早速民間による大規模開発が地元紙に取り上げられていた。
北海道新聞によればフランス保険大手アクサグループが、札幌市内の中島公園東側に、ホテルやオフィス機能を備えた大規模な複合ビルを2024年にも開業する計画を明らかにしたと記した。投資額は約250億円。

建設予定地は音楽関連の専門ビル「ヤマハセンター」が立っていたが、入居していたヤマハミュージック札幌店が15年に移転した後、土地を所有するヤマハ(浜松市)が解体し更地になっていた場所である。
このように早速民間開発が市の計画とともに動き始めているのである。

■個人投資家が狙うべきは中島公園西側

中島公園エリアの再整備が具体的になるにつれて、個人投資家に注目されるのが中島公園西側エリアだろう。
中島公園駅周辺は、ファンドなどの大型投資家が参入し大規模な物件が多いので個人としての参入はなかなか難しいであろう。しかし中島公園駅西側エリアなら話は別だ。
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札幌市電「山鼻9条駅」は市営地下鉄中島公園駅まで徒歩6分の立地。そして周辺には、バブル期に建築された小規模な木造アパートが非常に多く残っている。
健美家にそのエリアの物件が出てきた時には注目して見てみたいものである。

執筆:J-REC教育委員 原田哲也

【プロフィール】
2010年より、一般財団法人日本不動産コミュニティー(J-REC)の北海道支部を立上げ、不動産実務検定の普及に尽くし、多くの卒業生を輩出。2018年よりJ-RECのテキスト編集、改定などを担当する教育委員に就く。
また自身が主宰する北海道大家塾は既に50回の開催を数え、参加人数も述べ3000人を超える。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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