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観光客の増加や再開発で魅力アップ。函館は第2の札幌になれるか?

都市計画・再開発(地域情報)/札幌/北海道 ニュース

2020/03/24 配信

人口は少しずつ減少傾向
観光客増が起爆剤になるか?

北海道における不動産投資のホットスポットといえば、札幌。道内から人が集まり、人口は増加の一途。平成当初は167万人だったのが、いまや190万都市に成長し、その勢いは衰えそうにない。ビジネスや歓楽の中心で、賃貸ニーズも旺盛だ。再開発プロジェクトが目白押しなこともあり、まだ発展し続けていくだろう。

函館といえば、観光やグルメで有名な都市。観光客増に沸いている。そんな同市は、不動産投資に向いているのか?
函館といえば、観光やグルメで有名な都市。観光客増に沸いている。そんな同市は、不動産投資に向いているのか?

他のエリアはどうなのか。例えば、函館。同市は北海道の南の玄関口で、2016年3月には工事実施計画が認可されてから11年、東北新幹線の終点・新函館北斗駅が開業した。これにより、東北からのアクセスは格段に向上している。

2020年度上期に函館を訪れた観光客は約343万9000人で、前年同期の約325万1000人と比較すると、18万8000人(前年同期比5.8%)も増加。年間では500万人に達した。19年度からはクルーズ客船の寄港が目立つようになり、国内外から船旅の客が訪れるようになったことも大きい。

財務省函館財務事務所は昨年11月、2019年度のクルーズ客船寄港数は前年度より20回増えると見込み、その経済波及効果を5億円、新規就業の誘発効果を82人分と試算している。

2016年には北海道新幹線が開通。観光客の増加に一役買っている。今後は札幌まで延伸する見通しだ。
2016年には北海道新幹線が開通。観光客の増加に一役買っている。今後は札幌まで延伸する見通しだ。

そもそも函館は、日本有数の観光エリアだ。函館山から望む夜景は「世界三大夜景」の一つに数えられ、五稜郭やはこだて明治館、金森赤レンガ倉庫、トラピスチヌ修道院、旧函館区公会堂など、見どころはたくさん。

ラッキーピエロやハセガワストアといった、ローカルのグルメスポットにも事欠かない。観光客が右肩上がりなのも納得の話で、2019年の地域ブランド調査では6度目の日本一に輝いている。

ただし、人口は年を追うごとに減っているようだ。2000年は約29万1000人だったのが、今年2月時点で25万4000人に。その勢いは北海道のなかでも強く、転出者が転入者を上回る社会減も全国的に上位を記録したこともある。

観光客には人気だが、函館では子ども医療費助成制度が所得に応じて内容が変わり、近隣の北斗市や七飯街が高校生まで無料なのに対して、シビアな施策。これにより、子育て世代が流出しているのだ。民間の調査開始者が実施した、「市民の幸福度ランキング」でも、全国中核都市の中ではワーストの方にランクインしている。

では、函館は斜陽の都市で、不動産投資でもまったく魅力に乏しいのだろうか。よく調べてみると、気になる情報が飛び込んできた。それが、観光客をフックにした都市再開発だ。

駅前を中心に飲食店やホテルが開業
観光需要をフックに雇用の創出が期待

函館の繁華街といえば、「駅前・元町エリア」と「五稜郭エリア」が代表的。後者には丸井今井や無印良品、テーオーデパートが並び、観光客だけではなく、地元の消費者にも人気だ。

かたや、駅前では百貨店の棒二森屋は2019年1月で閉店している。ただし、そのうちアネックス館は「函館駅前ビル」としてリニューアル。ベーカリやカフェ、和洋のスイーツ店。書店や公共施設が入っている。

7月には棒二森屋跡地全体の再開発準備組合が発足し、今年2月には臨時総会で事業計画を決定。2026年3月をめどに複合施設を開業することとなった。

高さ85mのホテルとマンションが中心となるようで、新ホテルは学会などが開ける規模。観光客以外も誘致する狙いだ。なお、事業費190億円の一部は自治体や国の支援を仰ぐようで、街づくりを意識。自家発電施設や備蓄倉庫を設置し、災害時には観光客の避難施設や復旧ボランティアの活動拠点としても使われる見込みだ。

再開発を主導するのは、2013年に棒二森屋の実質的な親会社となったイオンで、市と全面的に協力して進める。地方百貨店の再開発としては、かなり大規模だ。

再開発の計画はこれだけでない。駅に近い繁華街の大門地区で映画館などを運営する太陽グループ(札幌)は、約6700㎡の土地を取得して再開発を計画。これを受けて、函館市の工藤寿樹市長は他の駅前再開発について説明し、街づくりへの協力を要請。

同グループの東原俊郎社長は、駅を含めた相乗効果で人の流れをつくる計画を検討し、行政や商店街、市民の要望・提案を聞きながら考える意向を示している。

ホテルの建設も相次いでいる。函館駅周辺では、センチュリーマリーナ函館、函館駅前WBFホテル、ユニゾインエクスプレス函館駅前、ロイヤルパーク素ER函館駅前、JRイン函館、東急STAY函館などが開業し(一部はいまも建築中)、2020年年度までに6棟もホテルが増える見通しだ。

これにより、市内の宿泊室数は最大で2500室増える。函館では大型連休や夏の週末はホテルが満室になり、供給が追い付いていなかったが、これにより解消に向かう公算だ。

すでに稼働している商業施設もある。昨年9月に、イオングループは駅近くにマックスバリュ若松店をオープン。ホテル宿泊者の食事に対応するため、2階には大型のイートインを配置した。12月には、大和ハウスが駅前に複合ビル「ハコビバ」をオープン。

ホテルのラ・ジェント・ステイ函館駅前が入り、他にはレストラン、コンビニ、天然温泉、バーなども。昭和をイメージした「函館駅前横丁」やビルの前には交流広場も設けられている。

函館駅前にオープンした複合商業施設「ハコビバ」。観光客だけではなく、市民が集まる場所として注目を集めている。 出典:ハコビバ公式サイト
函館駅前にオープンした複合商業施設「ハコビバ」。観光客だけではなく、市民が集まる場所として注目を集めている。
出典:ハコビバ公式サイト

このように、函館では観光客増を背景にした、再開発プロジェクトが目白押し。近年は、郊外型店舗に地元客を奪われ、人口も流出。駅前を中心に衰退の道をたどっていたが、起死回生を図る狙いだ。

市民も集まるようになれば、賑わいを取り戻すに違いない。宿泊施設や商業施設が増えると、雇用も創出される。ならば、賃貸需要も高まり、不動産投資のエリアとしても注目されるかもしれない。そんな魅力を、函館は備えているわけだ。目下のところ、新型コロナウイルスの影響で観光客は減っているが、収束すれば再び息を吹き返すだろう。

もちろん同市だけではなく、雇用や人口増につながるプロジェクトを展開しているエリアは他にもあるはず。なかには、賃貸経営のブルーオーシャンになるスポットだってあるかもしれない。そんな目線で探してはどうだろうか。

健美家編集部(協力:大正谷成晴)

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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