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大阪ホテル戦争ますます過熱!名門リーガロイヤル売却、ヒルトンなど高級外資も続々

都市計画・再開発(地域情報)/大阪 ニュース

2023/03/29 配信

2025年の万博を前に、大阪ではホテル開業ラッシュが続いている
2025年の万博を前に、大阪ではホテル開業ラッシュが続いている

外資投資会社の資金で債務返済、大規模改装へ
インターコンチGの会員網で誘客力も強化

「大阪の迎賓館」と呼ばれる老舗ホテル「リーガロイヤルホテル」(大阪市北区)の土地と建物がカナダ系の不動産投資会社に売却されると発表された。契約が締結されたのは3月10日だ。

ロイヤルホテルが引く続き運営を受託する。政治家や企業、経済団体のパーティーや記者会見が開かれる関西政財界の中心的・象徴的な場所だっただけに、売却のニュースには政財界から衝撃が走った。

狙いは海外の富裕層客の取り込み。大阪では2025年の大阪・関西万博を見越し、インバウンド(訪日外国人客)を狙ったホテルの進出が加速しているが、リーガロイヤルの「生まれ変わり」は、ホテル戦争をますます過熱させそうだ。

大阪ホテル進出

リーガロイヤルホテルは、1000室超の客室を持つ大阪市内で最大級の高級ホテルだ。カナダの生命保険大手の傘下にある不動産投資会社「ベントール・グリーンオーク・グループ(BGO)」に土地と建物の信託受益権などを売却する。BGOはロイヤルホテル株の約3割に出資し、筆頭株主となる。

売却額は500億円程度とみられる。ロイヤルホテルは、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあって経営が悪化していたが、売却で手にするお金を元手に負債を返済し、財務体質を改善する。

今後は、客室、宴会場などの大規模な改装に着手し、2025年3月までに完了させる予定だ。これまでリーガロイヤルホテルは、高級ブランドとされながら古さが目立ち、「昭和レトロ感がいい」という根強いファンがいながらも、万博に向け大阪市内に次々にオープンする新しい外資系ホテルには、宿泊客争奪戦で太刀打ちできないといわれてきた。

しかし、多額の負債が足かせになって、大規模な改装へと踏み出せないでいた。今回の売却で負債をなくすとともに、BGOが集める投資家からの資金を使って、より今の時代にかなった、海外の富裕層にも受けるデザインへと改装を進める。

さらに大きいのは、世界最大のホテル運営会社インターコンチネンタル・ホテルズ・グループ(IHG)とも提携することだ。25年から新たに「リーガロイヤルホテル(大阪)―ヴィニェット・コレクション」と名乗り、IHGの国際的な会員網をリーガロイヤルへの送客にいかす。

改装に加えて誘客の力が飛躍的に増すことで、リーガロイヤルが大阪のホテル戦争の台風の目になることは間違いないだろう。

うめきた2期には米ヒルトンのホテル2つが開業へ
観光客のみならず、国際ビジネス交流の拠点に

25年の万博に向けて、大阪へのホテル進出の動きはやむ気配をみせない。改めて、「大阪ホテル戦争」の最新事情をみておこう。

リーガロイヤルの近くでは、27年度の全体開業を目指すJR大阪駅北側の再開発地区「うめきた2期」(グラングリーン大阪)には、米大手ヒルトンの高級ホテル「キャノピーbyヒルトン」と、最上級ホテル「ウォルドーフ・アストリア」が相次ぎ開業する。前者は24年度、後者は25年度だ。

「ウォルドーフ・アストリア」の外観イメージ(プレスリリースから)
「ウォルドーフ・アストリア」の外観イメージ(プレスリリースから)

うめきた2期は都市公園、オフィス、商業施設、住宅、会議や展示場などのMICE(マイス)施設などからなるが、両ホテルは、国際的なビジネス交流のため来日する外国人客の利用を狙う。もちろん、観光目的の来日客の受け皿にもなる。

目と鼻の先に外資系の高級ホテルが相次ぎオープンするとあっては、リーガロイヤルもうかうかとはしていられない。

大阪城公園の周辺にもヒルトン系とシンガポール系関西国際空港近くには星野リゾートのエアポートホテルも

一方、うめきた2期から南西へ4キロほどの距離にある大阪市中央区にある大阪城近くにも、高級ホテルが2つ誕生する。

24年春に大阪城公園の北西に隣接した日本経済新聞社の旧大阪本社跡地にオープンするのは、米高級ホテル大手ヒルトンが手掛ける「ダブルツリーbyヒルトン」。レストランや宴会場なども備えたフルサービスタイプのホテルとなる。客室は合計377室。ヒルトンとしては大阪で3軒目となる。

25年には大阪城公園の南側にあるNTT西日本の旧本社跡地に、シンガポールのカペラホテルグループが「パティーナ大阪」を開業する。地上20階、地下3階で約220室。MICEとして活用できる宴会場も備える。

パティーナ大阪のイメージ図
パティーナ大阪のイメージ図

2つのホテルともに、観光地として人気の高い大阪城そのものを見下ろす位置にある。大阪市有数の繁華街ミナミにもすぐ行くことができ、大阪を堪能したい外国人客のニーズは高いだろう。

新たな動きとしては、関西国際空港近くに立地する「エアポートホテル」が出る動きもある。

星野リゾート(長野県軽井沢町)は3月20日、都市観光ホテル「OMO(おも)関西空港by星野リゾート」を、空港の対岸にあるりんくうタウン駅前に開業した。

客室は全700室。21階のレストランからは大阪湾を一望できる。早朝・深夜便の利用客に対応し、主に連泊でなく一泊狙いで、これまで紹介してきた高級ホテルとは少し毛色が違うが、大阪のホテル戦争に一定の影響を与えるだろう。

ホテルの開発・開業が相次げば都市のにぎわい、ひいては住宅需要やオフィス需要に高まりにつながる。不動産投資家にとってもチャンスが増える。万博に向けますます活気を増す大阪に注目していきたい。

取材・文:小田切隆(おだぎりたかし)

■ 主な経歴

経済ジャーナリスト。
長年、政府機関や中央省庁、民間企業など、幅広い分野で取材に携わる。

■ 主な執筆・連載

  • 「経済界」(株式会社経済界)
    「月刊経理ウーマン」(研修出版)
    「近代セールス」(近代セールス社)
    ニュースサイト「マネー現代」(講談社)など

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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