神奈川県のほぼ中央に位置する首都圏の近郊都市
神奈川県のほぼ中央に位置する伊勢原市。南部を平塚市、西部を秦野市、北東部を厚木市と接し、鉄道は小田急線、道路は東西間に東名高速道路、国道246号線が走っている。
東京から50㎞、横浜から45㎞の距離にあり、電車だと新宿から約1時間、東京から東名高速で40分ほど。首都圏の近郊都市として栄えてきた。

伊勢原駅は同市における主要駅で、丹沢大山国定公園へ行くための大山ケーブル乗り場行きのバスが駅前から出るなど、春から秋にかけては登山客やハイキング客で賑わう。
2016年からは一部のロマンスカーが停車するようになり、2018年のダイヤ改正に伴い東京メトロ千代田線との直通運転区間も同駅まで延長、2019年からは通勤準急の起点が本厚木駅から伊勢原駅に変更され、平日は同駅始発の千代田線直通列車も走っている。1日の平均乗降客数は約4.4万人で、これは小田急線全70駅のうち21位。平日の朝夕は通勤・通学客の利用が目立つ。
そんな伊勢原駅の北口周辺地区で大規模再開発が始まろうとしている。
伊勢原市は市の玄関口ともいえる同エリアにおいて、交通結節点として駅前広場や街路の整備を図り、商業・業務・住居など複合的な都市機能の整備を進めており、2023年2月に「東京建物・小田急不動産共同企業体」を再開発事業のパートナーに選定。
今年3月には再開発準備組合臨時総会を開催し基本計画を定めるとともに、市に対する都市計画手続き開始の要請が決議された。市はこれを受け素案を公表するとともに、4月から都市計画手続きに着手している。

事業施工区域と配置図。対象となるのは駅北口に広がる1.5haの土地だ。
画像出典:伊勢原市
素案によると、東街区と西街区に店舗や住宅が入る複合施設を建設。さらに、駅前広場および3つの広場や都市計画道路、伊勢原駅前船といった公共施設も整備するようだ。

画像出典:伊勢原市
今後は都市計画決定・変更告示、事業計画・組合設立認可、権利変換計画認可を経て、2026年度から解体除去を含む工事着工、2029年度の竣工を目指している。
一旦は中止となった再開発事業が再始動
伊勢原駅北口周辺の再開発は古くから計画されており、1991年に組合施行による事業に着手したが、バブル崩壊による経済悪化により事業費をまかなうことができず、2004年に事業が中止した経緯がある。今回の事業により再始動したことで、老朽化した周辺のビル・建物は複合施設や広場として更新される格好だ。
不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」の「住まいインデックス」によると、直近3年間で伊勢原駅周辺の標準的なマンションの賃料は4.66%、中古マンション価格は4.39%上昇している。
神奈川県全体の変動に比べると低い水準だが、駅周辺が一体的に再整備されることで、不動産に対するニーズを底上げするかもしれない。
伊勢原市は「伊勢原市都市マスタープラン」のもと、鉄道駅周辺に都市機能を集中させ、各種都市サービスを効率的に提供しつつ、それがつながることで市民生活をよくする「集約型都市」になることを目指しており、今回の事業はその一環と言えるだろう。
また、伊勢原市と小田急電鉄は、2023年3月に「持続可能なまちづくりを推進する連携協定」を締結。伊勢原駅と鶴巻温泉駅の中間あたりの約15haの土地に新たな総合車両所の候補地に挙がっており、この予定地に隣接した場所に新駅を開業することで調整を進めている。
近隣には大学のキャンパスが点在し、工業団地やスポーツ広場にも近い。新駅ができることで地域住民の利便性は向上し、伊勢原市の付加価値も高まっていく可能性がある。
健美家編集部(協力:(おしょうだにしげはる))







