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池袋の新たなランドマーク、ハレザ池袋の北側で「東池袋一丁目地区第一種市街地再開発事業」が進行中

都市計画・再開発(地域情報)/東京 ニュース

2022/05/14 配信

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再開発によって33階建ての高層ビルが誕生。左手の白い塔が豊島清掃工場の煙突で、右手の高層ビルがハレザ池袋のハレザタワー(出典:住友不動産)

池袋パルコの別館であるP’パルコに隣接する池袋駅前公園沿いに北東へ歩き、首都高速5号池袋線に突き当たる手前の右側に広がるエリア。

東池袋一丁目の45~48番で、住友不動産が事業協力者として参画する「東池袋一丁目地区第一種市街地再開発事業」が進んでいる。既存建物の解体、再開発ビルや公共工事の施工などを行う受託者を、早ければ2022年6月に選定を行い、予定では2023年度中に着工し、2026年度の竣工を目指す。

アートやカルチャーの魅力をアピールする
ハレザタワーより高いオフィスビルを計画

計画地は健康プラザとしまのJR線を挟んだ南側で、明治通りの北側に位置。池袋の北端といってもいいエリアだ。計画しているのは地上33階、地下4階、高さ約180m、延べ面積約155,000㎡の高層ビルで、2020年に明治通りを挟んだ南側に誕生したハレザ池袋のハレザタワー(高さ158.28m)よりも少し高い建造物となる。

健康プラザとしまの隣に建つ豊島清掃工場の煙突が高さ約210mなので、遠景ではこれら3つの建造物が並ぶ様子が見られるに違いない。

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計画地は池袋の北部で、ハレザ池袋から徒歩3分程度の場所。東に明治通りや春日通りなどが交差する五差路がある(出典:住友不動産)
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JR線を挟んだ北側には、豊島健康診査センターや池袋スポーツセンターなどが入る健康プラザとしまがある。左奥に見えるのは豊島清掃工場と煙突

もともとこの辺りは、築30年以上の建造物が4分の3以上を占めており、細分化された土地の活用が多かった。安全な歩行者空間も整備されておらず、広場や公園などの公共空間がない点も問題視されていた。そこで地元勉強会などを経て、2017年に市街地再開発準備組合が設立。2019年には東京圏国家戦略特別区域の東京都都市再生プロジェクトに追加された。

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オフィスビルとしてだけでなく、国際アート・カルチャー都市を標榜する池袋の魅力を発信する役割も担う(出典:豊島区)
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計画地を南西から見たところ。コインパーキングとして利用されていた場所はすでに封鎖されている。築年数の古い雑居ビルも多いのが分かる
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こちらは北西から見たところで、計画地の北側や西側の人通りは普段から少ない。右奥に写っている高層ビルがハレザタワー

プロジェクトの概要は、国際アート・カルチャー都市として、池袋の魅力を高める芸術・文化の情報発信機能や、地域の回遊性の向上に貢献する歩行者ネットワークの整備となっている。

具体的には新しく誕生する高層ビルには、池袋の多様な文化を発展させ世界に発信するイベントホールが地下1階に、同じテーマの文化体験施設が2~4階に入る。地下2~4階に駐車場が整備されるほかは各フロアにオフィスが入り、建物全体としてはオフィスビルという位置付けになる。

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健康プラザとしま側から見たところで、2棟のマンションが建っているところが計画地になる。正面のマンションの奥にハレザタワーの上層階が見える

広さ約4,300㎡のイベントホールと同約4,400㎡の文化体験施設によって、幅広い層の来場者に池袋ならではのアートやカルチャーの魅力をアピール。気軽に体験できる多様なコンテンツを提供し、周辺スポットを含めた関連情報を伝えることで、国際アート・カルチャー都市としての認知を広めていく考えだ。

池袋駅前公園が憩いの場所となる
緑豊かなプロムナードとして生まれ変わる

このプロジェクトの見どころはもうひとつある。それは池袋駅前公園がリニューアルされ、あわせて池袋駅北口付近から計画地までの道路が美装化されることだ。周知の通り、明治通りとJR線で囲まれたエリアは歓楽街として知られ、それゆえ池袋駅前公園は憩いの場として十分に機能していない面があった。地域の回遊性を向上させるのが主な目的だが、道路を含めた公園を「みどりのプロムナード」として整備することで、エリア全体のイメージを変えていく狙いもあるだろう。

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高層ビルの断面図と整備地区の平面イメージ。池袋駅前公園周辺が「みどりのプロムナード」としてリニューアルされる(出典:住友不動産)

現在のところ、四季折々の緑が楽しめるように街路樹などの植栽整備を予定。舗装を高質化し、これまでより緑豊かな空間にすることで来訪者に憩いの場を提供する。公園内には階段状の広場のほか、カフェや観光などの情報を発信するスペース、屋上テラスといった機能を有するパークセンターのような施設も考えられているという。

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現在の池袋駅前公園。東側に広がる歓楽街の影響を受け、公園として利用している人は思いのほか少ないのが課題になっていた

この緑の空間が計画地にも繋がるように、高層ビルの敷地内には約2000㎡の「みどりの丘」が整備。さらに同程度の広さを持つ「ゲート広場」やアトリウムを設け、イベントへの活用などで賑わいを演出する。そして、西側を通る南北区道の幅員を広げるなどして、ハレザ池袋から人を呼び込むための動線も強化する。

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豊島区役所や豊島公会堂の跡地に誕生した複合施設のハレザ池袋。複数の建物と中池袋公園から成り、2020年にハレザタワーができグランドオープンした

2019年より文化都市としての魅力を高めるために、池袋駅周辺の回遊を開始したイケバス(電気バス)の運行拠点もつくられる。3台分の乗降場や待機・充電スペースに加え、待合室や観光案内所などを備えたラウンジも設置。実は、現在も計画地の北側の道路はイケバスのBルートに組み込まれており、池袋駅西口とサンシャインシティを結ぶようにループ運行している。

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東口から豊島区役所やイケ・サンパークなどを回るAルートと、西口からハレザ池やサンシャインシティなどを回るBルートで運行しているイケバス

東池袋、南池袋を中心に再開発が進み
東西エリアが一体化した街を目指す池袋

池袋のイメージが変わっていったのはいつの頃からだろうか。2014年に豊島区は23区で唯一、消滅可能性都市として名前が挙がった。翌2015年にブリリアタワー池袋や商業施設などで構成される複合施設、としまエコミューゼタウンが誕生し、低層階を占める形で豊島区役所が移転。

高層マンションと庁舎が合築された国内初のケースとして注目されただけでなく、「自然と建物の共存」をテーマに緑化パネルや太陽光発電パネル、再生木ルーバーなどで覆われた斬新でユニークな外観が話題となった。

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南池袋に移転した豊島区役所。東側では52階建てと47階建ての高層タワーマンションを中心とした南池袋二丁目C地区第一種市街地再開発事業が進行中

そして、翌2016年に南池袋公園がリニューアルし、親子連れをはじめとした老若男女が集まるようになった。これをもって、雑多なイメージがあった池袋のイメージは大きく変わることになる。

しかし、それ以前から池袋の雰囲気が変わる兆しは見えていた。2007年にサンシャインシティの南側に、15階建てのオフィスビルと42階建ての高層マンションによるライズシティ池袋が誕生。4年後の2011年には北東に隣接する形で、52階建ての高層マンションであるアウルタワーが竣工した。

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アウルタワーから造幣局跡地を見たところ。右手に見える低層の建物が最初にできた池袋保健所で、正面は建設中の東京国際大学池袋キャンパス

池袋の中心地からほどよい距離があり、東京メトロ有楽町線東池袋駅至近という立地のおかげで、新しい層が東池袋エリアに流入。池袋の住みやすい街としてのイメージが醸成され始めたのは、おそらくこの頃からだろう。この状況をさらに後押ししたのが、近くにあった造幣局東京支局が2016年にさいたま市へ移転したことだ。

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2016年のリニューアルオープンで世間を驚かせた南池袋公園。敷地内にはカフェがあり、池袋での暮らしを想起させる役割も果たしている

この跡地には、芝生広場やカフェなどから構成されるイケ・サンパーク(としまみどりの防災公園)ととしまキッズパークが2020年に誕生。防災公園としても機能する豊島区最大の面積を誇るこの公園ができたことで、住みやすい街としてのイメージはさらに上がった。

そして、2023年秋には、同じ造幣局跡地に東京国際大学池袋キャンパスがオープンする。子育て世代やファミリー世代に加えて、若年層も呼び込むことになる。

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住みやすい街としてのイメージを決定付けたイケ・サンパーク。右奥がアウルタワーで正面奥がライズシティ池袋。左手奥は入居が開始されたばかりのプラウドタワー東池袋ステーションアリーナ
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イケ・サンパークの北側で工事が進む京国際大学池袋キャンパス。南側に通るプロムナードにはイケバスが乗り入れる

一方の池袋駅西口では、2019年に池袋西口公園がリニューアルしたことが主なトピックだが、隣接するエリアでは3棟の超高層ビルや駅前広場、バスターミナルなどが一体で整備される市街地再開発事業の計画が進んでいる。

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西口における大きな変化は池袋西口公園のリニューアルぐらいだが、公園を含む周辺エリアでは大規模な市街地再開発事業が控えている

そして、2022年1月に豊島区は池袋再開発の総仕上げとして、池袋駅の線路上空を東西に結ぶ2つの歩道橋とあわせて、東西それぞれに駅前広場を整備する構想を発表した。

監修するのは同区都市政策顧問を務める建築家の隈研吾氏。区制施行100周年を迎える2032年の竣工を目標としており、完成する頃には国際アート・カルチャー都市として激変した池袋の姿が見られるだろう。

健美家編集部

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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