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多摩センター駅前の京王プラザホテル跡地に新たなランドマークタワー建設。多摩ニュータウン再生の狼煙となるか

都市計画・再開発(地域情報)/東京 ニュース

2024/02/02 配信

多摩センター

高度経済成長期の終盤にかけて、東京郊外に計画的に作り上げられた美しい街並みの多摩ニュータウンも、老朽化、高齢化を迎えている。

東京都による本格的な再生検討委員会で再生方針の策定が進むなか、多摩ニュータウンの中心地・多摩センター駅前の京王プラザホテル跡地に、新たなランドマークタワーを建設することが決まった。

多摩ニュータウンの再生の狼煙となるか。東京都が進める今後の再生方針のゆくえにも注目したいところだ。

■ 多摩ニュータウンの中心地・美しい街並みの多摩センター

出典:東京都都市整備局
出典:東京都都市整備局

多摩ニュータウンは、東京都西南部の多摩丘陵に位置する、八王子、町田、多摩及び稲城の4市にわたる総面積約2,853ha、東西約14km、南北約2~3kmの地域である。

昭和40年に都市計画決定され、山林や田畑を切り開いて建設がスタートした。緑豊かな公園緑地などが整備され、富士山を望む眺望など、景観を重視して作られた美しい街並みが特徴だ。

多摩ニュータウンの中心的なエリアである多摩センターには、京王線、小田急線の2路線が乗り入れ、商業施設、業務機能が集積するだけでなく、おとぎ話の世界が現実化したテーマパークのような街並みが広がる。

サンリオピューロランドを望む
サンリオピューロランドを望む

新宿駅から電車で40分。改札を出るとすぐ、マンガキャラクターのステンドグラス天井が広がり、多摩中央公園までのペデストリアンデッキには、赤レンガタイルが敷き詰められ、三角錐のガラス天蓋と街路灯が異空間へいざなってくれる。

向かって右手には約120の専門店を抱えるショッピングセンター「ココリア多摩センター」があり、その交差点の左奥には、まさに仮想現実のサンリオピューロランドがみえる。そして、多摩中央公園の入口には、パルテノン神殿を模したコンサートホール「パルテノン多摩」が鎮座する。

多摩センターの駅前の非現実的な街並みには、眩暈のするようなえも言われぬ美しさがある。

■ 「多摩ニュータウンの新たな再生方針」策定へ。今年1月に素案を公表

出典:東京都都市整備局
出典:東京都都市整備局

だが、多摩ニュータウンにも、近年の環境変化とともに、人口減少と高齢化の波が押し寄せている。加えて、開発当初に建設された地区のインフラは既に50年を経過しており、老朽化の問題も起きている。

東京都では、多摩ニュータウンの再生に向けて、2023年から本格的な再生方針を策定するため、検討委員会を開催し、今年1月には、「多摩ニュータウンの新たな再生方針」を素案として取りまとめた。

素案では、7つの取組方針が掲げられた。注目される方針は大きく2つある。

1つは、既存ストックを生かすという点だ。多摩ニュータウンは、元々まちづくりが計画的になされ、インフラや都市機能が効率的に集積しているのが特徴だ。それを生かして、施設更新の際に時代のニーズに合うように都市機能を集積させていく。

2つには、先端技術を推進して街の隅々に浸透させQOLの高いスマートシティを目指すということだ。具体的には、既に始まっている先行プロジェクトである、「南大沢スマートシティ」が該当する。

「南大沢スマートシティ」では、南大沢駅地区には都立大学も立地することから、産学公が連携して新たなスマートサービスの実装を進め、先端技術による実践的なまちづくりを加速化する。自動運転バス、ドローン自動飛行や自動配送ロボットなどの都市OSの構築を目指す。

■ 京王プラザホテル跡地にランドマークタワー建設が決定

解体中の京王プラザホテル
解体中の京王プラザホテル

今年1月に公表された「多摩ニュータウンの新たな再生方針」の1つに掲げられていた、既存ストックを生かした都市機能の更新として推進されているのが、多摩センター駅周辺の再構築だ。

多摩センター駅周辺は、施設の更新・大規模改修のタイミングが集中していることを機に、都市機能の再構築を図るとしている。

昨年11月には、多摩センターの駅前中心部の京王プラザホテルを解体し、新たなランドマークタワーを建設することが決定した。京王電鉄が主体となって建設をおこなうが、新たな施設は、多摩ニュータウンの再生の狼煙を上げるべく複合施設のランドマークタワーとなる予定だ。

高層階には分譲マンション、低層階には商業施設を備え、その他に地域コミュニティの活性化に寄与するような交流拠点として利用できるバンケットルームなどが設けられる。2028年の竣工が見込まれている。

なお、多摩センター駅周辺の再構築としては、既存施設の更新・大規模改修に合わせて、駅周辺の大規模低未利用地との一体活用が模索されているほか、多摩中央公園の大規模リニューアルも進められている。

取材・文:佐藤永一郎(さとうえいいちろう)

佐藤永一郎

FP不動産投資よろず相談所

■ 主な経歴

筑波大学大学院修了。新潟大学大学院博士後期課程在籍。2級FP技能士。会計事務所で約10年、中小企業、不動産オーナーの節税コンサルティングや融資サポートなどに携わる。スタートアップのCFO、監査役などを経て、築古戸建ての不動産投資家として独立。不動産投資のコンサルオフィス「FP不動産投資よろず相談所(https://fprealestateoffice.jp/)」を運営している。不動産投資や税金をテーマとした執筆活動もおこなう。大学院にて所得税制を研究中。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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