全国150万人の不動産プレイヤーの皆様、こんにちは!
大家兼不動産屋しゃちょーの「 よしゆき 」でっす!(^^)/
さて、今回のコラムは何の話題を書こうかな~と考えて居たのですが、セミナー冒頭の自己紹介で「 最初に買ったのは競売で落札した戸建て 」と話すと、後の懇親会で「 競売 」の事をコトコマカに聞かれる事があります。
実は現在も競売や公売の情報は閲覧しており、直近では3年ほど前に自宅の町内にある戸建てを落札しているのですよ。
私は競売の専門家ではないのですが(笑)、それでも何度かは競売( とか公売 )で物件を落札⇒運営しておりますのでその話をヘッポコ目線で紹介させて頂きます!
■ そもそも競売ってナニ?
そもそも「 競売 」が何なのか良くわからないという方もいらっしゃると思うので基本の「 キ 」から書かせて頂きます。
競売とは簡単に書くと、「 ローンを返済できなくなっちゃったので、担保に入れていた不動産を売りに出された 」状態を言います( めちゃ簡単でしょw )。
もう少し不動産屋らしく書くと、「 債務不履行により抵当に入れていた不動産を強制的に売却され、現金として回収されてしまうハメになっている 」状態です( 少しプロっぽい )。
一説には住宅ローンの場合、半年ほど返済を滞ると競売に掛けられると言われております( 真偽のほどは分かりません )。ちなみに任売( ニンバイ )という言葉もありますが、こちらは任意売却の略です。
え?任意で売却するならフツウじゃんw
と思われるかと思いますが「 普通の不動産の売却 」と「 任売 」には大きな違いがあります。こちらも簡単に、たいへん僭越ながら一言で書かせて頂くと、「 市場価値の低い不動産は任売に出すしかない 」という事になります( 僭越だよ )
だって、フツウに売って残債チャラに出来るならその方が楽ですからね。それができないから任売になるわけです。
なぜか世間には、「 競売に掛かりそうな不動産は任意売却した方が良い 」的な風潮がありますが、任売ですと( 返済額が減るとは言え )残債を返し続ける事になるケースもあります。
ですので、債務不履行にリーチが掛かった際には安易に「 任売で売ろう 」とは思わず、早めに金融機関に相談するなど、慎重に検討される事をお勧めします( ホントはそんな状態にならないのが一番イイ )
また更に競売の上級者向けコースのように語られる「 公売 」というシステムもあります。こちらは債権者の申し立てによる不動産の売却ではなく、お上の申し立て、つまり税金の滞納による不動産( 動産もアリ )の強制売却の事です。
なぜこの公売が、競売の上級者コースと言われるか?
それは、公売に掛けられる財産に関する情報開示が、競売に比して圧倒的に少ないからです。
競売の場合には開示されている物件概要書は数十ページになりますが、公売の場合にはA4で5ページとかです( 別にB4で印字しても良いけど )。
つまり、それだけ落札した後の、「 えっ!?こんなつもりじゃなかったんだけど!?(; ・`д・´) 」という確率が上がってきますので注意して下さいね!
( 今日は公売の話しはココまで。いずれ体験談を書きます )
■ 競売への参戦方法は意外と簡単です!
表題通り、競売への参加方法は意外なほど簡単です。まずはパソコンの前に座り( そこから!?)、インターネットで「 BIT 」と検索します。
BITが何の略なのか考えた事もありませんが、ともかく「 BIT不動産競売物件情報サイト 」というのがヒットするので、恐れずにクリックしましょう!
因みに公式サイトはココ ⇒ https://www.bit.courts.go.jp/
これが競売物件の情報サイトの「 BIT 」なのですが、時代の流れからか少しずつ使いやすく進化しています。
おススメの検索ルートはTOPページの日本地図から調べたいエリアを押し、次にまた検索したい地域の地図を押す( どうやら 地域から探す というカテゴリのようです )というシンプルな検索方法。
例えば「 東京 」を押すと、東京23区と都下を含めた全ての「 東京 」で競売に掛けられている物件が、エリアごとに数表示されます( 例えば 足立区(3)とか )。
あとはお目当ての市区町村をクリックすると、その市区町村での競売物件のリストが表示されます。さらにそのリストからお目当ての物件を物色するのですが、最重要なのがココの「 3点セットのダウンロード 」というボタンです。
ココに「 競売物件の全てのデータ 」が収納されておりますので、早速クリックしてダウンロード!
3点セットとは「 競売物件の調査資料の総称 」で、内訳としては「 物件明細書 」、「 現況調査報告書 」、「 評価書 」から構成されております。
- ① 物件明細書
物件の概略をざざっと記載した物。 - ② 現況調査報告書
主に執行官が作成し裁判所に提出するもので、測量図や公図などの登記関係の他、実際に現地に赴いて周辺を調査して周辺住民や関係者から供述を取ったり、内部写真を撮影したりした情報を纏めています。
オレね、ホントこの資料好きで( 変態 )何故だか読んでいるとドキドキと心拍数が上がってきます( 同じ趣味の人求む )特に執行官の意見が長く書いてある物件が好みです( 変態② ) - ③ 評価書
不動産の鑑定人である不動産鑑定士が作成し裁判所に提出する物です。近隣物件との比較からの値段の算出などが興味深くてコチラも面白いです!
難しい計算も多いですが、周辺地域の概況などの記載もあり、読み込みが必要と思います。
どれ一つ取っても重要な情報が満載の「 3点セット 」なのですが、逆に言えば競売の場合、込み入った情報は「 コレが全て!」なのでジックリと読み込んでヒントを得る事が大切です。
■ ココで競売の注意だよ!
競売の注意点を言います。
「 落札後は誰も責任を取ってくれません 」
これに尽きます。落札した後に、「 いや、思っていた情報と違うじゃねーかー!」(;´Д`) は通じません!
例えば、執行官が手書きした間取り図なんかは、フツウに「 現物と違うじゃねーか!」が起こります(笑)。それでも返品とかは無理です。それが競売なのです。
他にも普通の売買と違う点は色々あります。例えば物件を落札したとて裁判所が家の鍵を渡してくれる事はありません。落札後、落札許可決定の後に代金を納付したら代金納付の受領書が出て「 終了 」ですw
ですので、入札前に「 3点セット 」をジクーリ読み込むのはモチロンのこと、中は見られない事を前提に、実際に物件まで足を運んでできる限りの調査をしておくことが重要となってきます。
- 注1:債権者による申し立てを裁判所が許可した場合のみ内見可。んでもホボ不可能。
- 注2:物件に凸して内見をお願いしちゃう猛者もいるらしいが残機5くらいないと普通は無理。
■ 最近の競売ってどうなの?
さて、事前の調査で「 コレっ!」という物件があったら実際に入札を検討します。
入札は次のような流れで進んで行きます。
- ① 入札書を入手
実際に管轄の裁判所の執行官室まで出向いて入手するか、もしくは郵送でゲットも可能。ちなみに現在はハンシャではない事の「陳述書」が必要になっていますので注意! - ② 入札書を作成
「 入札書 」と「 入札保証金振込証明書 」に必要事項を記載し、あとは個人ならば住民票、法人ならば登記事項証明書を用意する - ③ 保証金を振り込む
写しを上記「入札保証金振込証明書」に添付すること - ④ 入札書類を裁判所に発射!あとは落札を祈ろう!
落札後にはまた特有のステップを踏んで行きますが、そちらは次回以降に譲りたいと思います。
ところで、「 最近の競売ってどうなの?」っていうことをカナリの頻度で質問されます。この場を借りまして私見を書きかせて頂くと・・・
いやっ!相変わらず高いなぁ!!!( ゚Д゚)
肌感覚ではありますが、まず「 買受可能価額 」( いわゆる最低落札価格ね )がマダマダマダマダ高い!赤鬼荘の前に競売で戸建てを買ったのが今から16年前ですが、その頃に比べると1.5倍位に設定されてる?って感じます!(;´Д`)
中には「 アレっ!?」という物件も出てくるので、それはすかさず入札をしておりますが・・・
いや、売却価額もたけぇぇぇぇ~!(; ・`д・´)
となって、落ち込むのが関の山です。。。
売却価額とは実際に落札された価格のことです。どんな属性の方が落札をしたのかがサイト上に記載されるのですが、それが「 法人 」( まぁプロですよね?)であってもブッチギリで私の入札価額が負けている事が多いです。。。(;´Д`)
私の入札額の約1.5倍~な感じ・・・
競売でこの価格なら、普通に売っている物件に指値を入れて買った方がヨホド良い気がしてしまいます。情報が揃っている分、リスクも少ないですし。
んですがっ!
今年に入って結構リアルに検討した物件があったのです!
その時のエピソードを少しだけお話します!
■ 最近の競売のハナシ
半年ほど前に、「 千葉地裁松戸支部 」に面白いファミリー区分が出たのを発見しました。
3点セットを読むと、駅からもさほど遠くなく、「 買受可能価額 」( 最低落札価格 )も800万円程度とお安い感じ。3点セットの写真と執行官の意見から室内の状況を想像するに、100万も掛ければ再生可能な感じ( この辺が競売の難しさよね )。
1,200万円で諸々仕上げた後で、2,000万円位で売れるのでは!?
と、「 よしゆきのスーパー皮算用ソロバン 」が予想収支をハジキ出しました!
「 よし!これは久々に札を入れよう!」( ゚Д゚)
と心に決めたのが入札終了日の3日前(笑)。翌日、入札書類を取りに行くべくスケジュールを調整。念のためにBITにアクセスし、競売の「 取り下げ 」をされていないのを確認し、松戸 へGOしました!
千葉地裁松戸支部は松戸駅から某スーパーの入る駅ビルを経由して徒歩7分程度と、気軽に足を運べる場所にありる裁判所です( 気軽に行きたくはないけど )。
裁判所に到着すると、早速「 執行官室 」へ。入札に関する書類を執行官室で頂いた後に、ふと「 3点セットの実物を見ておこう 」と思い、「 物件明細書等閲覧室 」に出向きました。
BITの場合には債務者などの名前に個人情報保護の観点から「 スミヌリ 」して見えなくなっている部分があるのですが、裁判所に設置の物にはそれがなく、実名が表記されています。
まぁ債務者の実名が事前に分かったからといって、何ということもないのですが。( 一部、「 何ということ 」をする人も、中にはいるのですが・・・ゴホッゴホッ )
大体の裁判所では3点セットのファイルが収められている棚と、閲覧するための机、そしてコピー機が備えられていますが、松戸支部も異口同音な感じの簡素な部屋です。
さて、3点セット見ておこぉぉ~!(*’▽’)
と意気揚々、事件番号を頼りに目的の物件ファイルを探しました。競売に掛けられた物件には全てに「 事件番号 」が割り振られており、その事件番号が背中に振られた分厚いファイルがずらりと棚に収められています。
え~と「 令和04年(ケ)第●△号 」だよね?
●△号・・・
●△号・・・
えーと・・・
●△号・・・●△号・・・
・・・ない。(;´Д`)
何度見直しても、ファイルはありません。オカシイ。家を出る時に確認したのに…。そして、「 物件明細書等閲覧室 」の端に設置されていたホワイトボードに目をやりました。すると…
令和4年●月×日:事件番号●△号 取り下げ
の文字が!嘘でしょ!あ、あ、あ、朝確認したのに?BITの更新遅くねぇ!?せっかく松戸まで来たのにぃぃぃ!?と思ってみても、競売の場合にはドコにも文句を言う先がありません。だって、競売なんだから(笑)
私がガチリアルに検討をしたこのファミリー区分は、あろうことか私が松戸支部まで足を運んだ当日、何らかの理由で競売が取りやめとなったのでした…。こんなことを繰り返しているうちにたまに買える、それが競売です(笑)
価格を考えるとマダマダ狭き門な感じがある競売ではありますが、来年度以降金融の引き締めが予想される中で、もしかしたらまた競売に掛かる物件が増える可能性もあります。
そうなった時にはまた以前のように、言葉は悪いですが「 バーゲンセール!」にならないとも限りませんので、粛々と準備をしておきましょう!(^^)/
よしゆき今回の不動産トリビア
「 旧法である『 競売法 』の名残で競売を “ケイバイ” と言うのが不動産業界では本来で、プロも “ケイバイ” と発しています。しかし、TV報道やドラマで発する際には一般用語の “キョウバイ” で統一されています。NHKドラマの正直不動産でも “キョウバイ” って発してて論争になっていましたねw。豆知識でした!」