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不動産投資家に宅建資格は不要と思う理由。宅建業者を目指す人に注意してほしいこと

koziさん_画像 koziさん 第46話 著者のプロフィールを見る

2023/12/13 掲載

今回は、不動産投資家が宅建業者になるメリットとデメリットについて記載させていただきます。

■宅建の資格を取ることについて

先月、今年度の宅建の合格発表があり、自分の周りでも合格された方がいます。不動産投資を行うに際して、宅建の資格を取った方が良いのかという質問や相談を受けることがあります。

私自身は、自分の法人で宅建業も行っており、宅建の資格は必要不可欠です。しかし、個人的には、不動産投資をするのに宅建の資格は必要ないと考えています。持っていないと投資が出来ないわけではないからです。

不動産投資家が宅建の資格を取得しようと考えるのは、大きく二つに分かれます。

1つが、自身の不動産の知識を高める目的です。宅建の資格を取得すれば、不動産取引においても一定の不動産の知識があるということを対外的にも示すことができます。

一般的に宅建の資格を取るメリットとしてよく言われているのが以下の3つです。

1)不動産の専門的知識を持つことで投資の判断力が得られる
2)不動産購入時の重要事項説明書の内容を理解できるようになる
3)不動産取引の交渉を有利に進められることがある

もう一つが、不動産投資家から宅建業者(不動産業者)になるために取得するということです。

しかし、実際に宅建の資格を取得したものの、自ら宅建業者になるという方はそう多くないように見受けられます。

■不動産投資家が宅建業者になるメリット

次に、不動産投資家が宅建業者になるメリット・デメリットについてです。
宅建業者になる主なメリットとしては以下の3つが挙げられます。

1)物件情報が多く入るようになる

宅建業者になる一番のメリットは、物件情報が多く入るようになることです。これは、物件情報を同業の宅建業者から紹介される機会が増えるためです。

宅建業者の中には、宅建業者にだけ物件を紹介している業者も多くいます(個人投資家には紹介しない)。よく、不動産の川上物件は業者同士で取引されるので、一般の不動産投資家には回ってこないと言われるのはこのためです。

私も実際に宅建業者になったことで、個人の不動産投資家だったころに比べて、同業の宅建業者さんから物件の紹介を受けることが圧倒的に増えています。これを大きなメリットを見る人は多いでしょう。

2)宅建業者しか購入できない物件を購入することができるようになる

2つ目のメリットは、宅建業者しか購入できない物件を購入できるようになることです。先ほどの1つ目のメリットと似ていますが、宅建業者の中には、宅建業者にしか物件の売買をしないという業者さんが一定数います。

宅建業者にしか売買しない理由は幾つかあります。例えば、物件が特殊物件であったり、権利関係が複雑な物件など、一般の方が扱うのが難しいというケースです。

また、宅建業者が売主として一般の方に販売をすると「契約不適合責任」を付ける必要があったり、「融資特約」の申し出があったりします。それらを嫌がる業者さんもいます。

宅建業者が買主であれば、売主である宅建業者は同じ宅建業者同士の取引のため、契約不適合責任を免責にすることができます。融資特約を付ける宅建業者もほとんどないため、取引がスムーズです。

そのため、宅建業者の中には、宅建業者にしか物件の売買をしないという宅建業者が一定数いるのです。

3)宅建業者向けの融資を金融機関から受けられるようになる

3つ目のメリットは、宅建業者向けの融資を金融機関から受けられるようになることです。これは、「プロジェクト融資」とも言われる制度で、物件の仕入れ等に使うことができます。

金融機関によって融資条件は異なりますが、一般には貸してくれない借地物件や既存不適格物件やリフォーム費用などにも融資をしてもらえることがあります。

融資として有名なのは、セゾンファンデックスのプロジェクト融資や日本住宅無尽の金融サービスがあります。ちなみに私の宅建法人でも利用しています。

■不動産投資家が宅建業者になるデメリット

メリットを挙げてきましたが、一方で宅建業者になるデメリットもあります。宅建業者になるデメリットは以下の3つが挙げられます。

1)購入時には契約不適合責任が免責になり、売却時には契約不適合責任が免責にならない

不動産投資家が宅建業者にならない一番の理由として挙げられるのが、宅建業者になって物件の購入をすると、購入時に契約不適合責任が免責なるという点です。また、逆に売却時には契約不適合責任が免責されないというデメリットもあります。

2)物件の購入時に融資特約を付けるのが難しくなる

宅建業者になると、物件の購入時に融資特約を付けるのが難しくなります。先ほどのメリットのところに記載したとおり、宅建業者によっては融資特約を付けるのをNGとする業者さんもいます。

また、売主が一般の方で融資特約を付けるのが大丈夫な場合でも、仲介業者である宅建業者が、「宅建業者なのに融資特約を付けるんですか?」とやんわりと断りを入れてくることもあります。

3)開業するための費用が掛かること

宅建業を開業するためには、300万~1,000万円の費用が掛かるというデメリットがあります。

開業初期費用としては主に以下の4つがあります。

・事務所設置費用
・宅地建物取引業免許の申請手数料
・営業保証金
・宅建協会の入会金

また、単に仲介業務だけでなく、管理業務なども行う場合には、従業員を雇用する必要もあるでしょう。事務所を借りて、人も雇用するとなると初期費用だけでなくランニングコストも発生します。開業するのはそれなりにハードルがあると言えます。

■それでも宅建業者になる場合には法人を分けること

まとめると、宅建業者になると物件情報が多く入るようになったり、取引の幅が広がったり、宅建業者でしか利用できない融資が使えたりするメリットがある反面、デメリットもあるため、先ほども述べたように、個人的には安易に個人投資家が宅建業者になることはお勧めはしません。

それでも、宅建業者になる場合には、既存の資産管理法人とは別に法人を設立して、宅建業者になることをお勧めします。資産管理法人と宅建法人を別けるメリットは、リスクの分散です。宅建法人で何かあっても宅建法人だけを閉鎖することができるからです。

また、資産管理法人と宅建法人で金融機関の使い分けをすることも可能です。宅建法人では宅建法人しか利用できない融資や金融機関を積極的に使い、通常の保有目的で購入する物件は資産管理法人で購入して融資を受けるという使い分けを私はしています。

更に、物件数をある程度保有しているのであれば、管理会社兼仲介会社として新しく宅建法人を設立して、その宅建法人で自身の保有する物件の管理及び賃貸仲介を行うという方法があります。

「物件を売却する時にも管理会社を継承すること」と条件に入れておけば、自身の宅建会社に物件管理収入と賃貸仲介収入が安定的に入ってくる体制を作ることができます。

取得した宅建士の資格を単に知識の習得として終わらすのか、新たな事業を行うために取得するのか、その使い道は様々です。これから取得する予定がある方は、使い道をじっくりと検討してから行動するのが良いのではないでしょうか?

 

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※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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プロフィール

Koziさん

Koziさん

不動産賃貸業
IT系企業のサラリーマン
都内に妻と子供と3人暮らし

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経歴
  • □1980年
    神奈川県川崎市の武蔵小杉の地主の家に生まれる

    □1999年(19歳)
    不動産賃貸業に関わり始める

    □2002年(22歳)
    和光大学卒業

    □2004年(24歳)
    公認会計士、不動産鑑定士の試験に合格
    (他に宅地建物取引士、行政書士、賃貸経営管理士等の資格も持つ)
    IT系企業に入社

    □2008年(28歳)
    叔父の不動産を引き継ぎ2015年に法人化
    会社員を続けながら、不動産事業にも取り組む

    □2018年(38歳)
    企業主導型保育事業を開始

    □2021年
    所有物件数15棟(レジデンス、店舗、グループホーム、保育園)
    年商7億円(保育事業の収入含む)

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