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入居者さんからの「この家を売ってほしい」というオファーを断った理由

大家のプーさん_画像 大家のプーさん 第33話 著者のプロフィールを見る

2023/2/3 掲載


私、大家のプーさんのコラム連載33回目をご覧頂き、ありがとうございます! コラム33回目は、【 10万円で購入した戸建に、賃借人から購入オファーが届いた 】をテーマに、お話をさせて頂きます。

■ 4か月前に購入した10万円の戸建

4か月前に戸建を買いました。以下のような物件です。

・物件価格10万円
・築40年超の木造平屋70㎡位、駐車場1台
・所在は北関東

購入後2か月経った頃に、いつもお世話になっている職人さんが、4日間をかけてリフォームしてくださいました。一部の部屋の床壁の張替、キッチン&トイレの新品交換をお願いして、費用は約40万円でした。

リフォーム後、約1か月で賃貸が決まりました。家賃は4.5万円で、シングルマザー世帯のお二人暮らしの方にご入居頂きました。

■ ご入居者さんからの「 この家を買いたい 」というオファー

しばらくすると、客付してもらった賃貸仲介業者さんを通して、「 この家を買いたい 」と連絡が入りました。「 いくらで考えているか? 」とお聞きしたら、「 400万円 」との事。家賃7年半との同等額でした。

仲介さんに、「 それ以上出してくれそうな可能性はあるか? 」と質問すると、それは難しく、「 400万円なら買いたい 」というお話でした。

「 現金で買うのか、ローンで買うのか? 」とまた仲介さん経由で確認したところ、所有現金は50万円くらいなのでローンを利用したいとのこと。その後、住宅ローンの審査に進むことになりました。

■ 結局、売却はやめました

しばらくすると、住宅ローン審査の結果が帰ってきました。申し込みをした金融機関は3行。しかし、全滅でした。正直、金額が400万円ですのでこれにはびっくりしました。( 賃貸の際、保証会社の審査には通ったのですが… )

ただ、入居者さんは僕の物件を気に入ってくれているようで、それでも諦めません。「 今から10年間かけて家賃を払うので、10年後にこの物件をもらうというのはどうですか? 」という提案がありました。

相手方がシングルマザーということと、僕の物件をここまで気に入って下さっているということで少し悩みましたが、結局はやめました。面倒事になる可能性があると思ったからです。

最初は400万円で買うという話が、10年間の家賃( 540万円 )で所有権を移転するということになったので、金額は上がっています。しかし、僕は下記のことがデメリットになると考えました。

・売却なのに、即時に現金が入ってこない
・10年間の家賃を頂いた後に物件を贈与するより、入退去はあれども10年間家賃を頂いた後に、オーナーチェンジか実需で売却した方が良い
・この契約に承諾したら、10年間強制的にこの物件と付き合わなければいけなくなる
・もし売却することになった場合に、この条件が付くので値を付けづらい
・入居者さんには売らずに、オーナーチェンジ戸建として出せば、利回り15%の360万円で決まる見込みがある

入居者さんには、「 住宅ローン、もしくは現金で買えるとなった時には、またお話をいただければ、売却金額によっては応じさせて頂きます 」とお伝えしました。

■ 事業者として、情に流されてはいけない

僕は、「 仕事は仕事、人助けは人助け 」と分けて考えるようにしています。自分の性格上、はっきりと分けないと両立が難しいと思うからです。また、どちらも中途半端になりかねません。

「 利益追求 」と「 人助け 」という、相反する内容を混在してはならないとも思っています。

不動産は先が読めるようで意外と読めないものです。人口が増えていくエリアならばまだプラスの予測が立ちますが、僕が10万円、20万円で家を購入させてもらっているエリアの多くは、人口が減少しています。

1~2年で大きくエリアの需要が変わる事はないと思いますが、10年後はどうなっているかわかりません。そんな10年後までの約束を、今決めるというのは危険だと判断しました。

もっとわかりやすく言うと、もしも「 このエリアでこの物件を持っているのが不安だ 」と思ったら、すぐに売却できるようにしておきたいのです。10年後の売却を約束したら、それができなくなります。

本来の自分ならば、この話は住宅ローンが通らなかった時点で即お断りしていました。ビジネスで考えればすぐに答えが出る事に対し、軸がブレそうになりました。

そもそも、今の時点で4.5万円の家賃が発生している物件です。利回り15%の360万円で市場に出せば、買い手さんはすぐに現れるでしょう( 7~10年は保有するつもりですので、すぐには売りませんが )

投資とは、確実に勝てる方法を何度も繰り返す事、確実に勝てる方法を市場に合わせてブラッシュアップしていく作業だと考えています。そこに私情を挟んではペースが狂いますし、一度の例外がそれで終わらなくなることもあります。

僕は過去に、軸がブレて失敗していく経営者を何人も見てきました。
だからこそ、軸を絶対にぶらさないことがビジネスでは重要であると思っています。


人助けはまた、別の形で行えばいいと思ったら、気持ちが少し楽になりました。住宅ローンのつかない人が多くなると、こういった話はますます増えてきます。

もちろん、正解は人それぞれですが、日ごろから経営の方針を決めておくことは大事だと思います。私の経験が皆様の参考になれば幸いです。
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※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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プロフィール

大家のプーさん

大家のプーさんおおやのぷーさん

専業大家
宅建士
横浜在住

プロフィールの詳細を見る

経歴
  • ■ 主な経歴

    □1988年
    東京都に生まれる

    15才~22才まで音楽に明け暮れる

    好きな事だけして生きていきたいとずっと思っていた

    □2010年(22才)
    大学卒業後、お金について学ぶため金融機関に就職

    □2013年(25才)
    不動産投資について学ぶため、収益不動産を扱う不動産会社に転職

    主に不動産仕入の営業マンとして働く

    やり方がわかったところで自分自身も不動産投資を始める

    □2016年(27才)
    収益物件専門の仲介・買取会社を起業

    相談を受けた不動産投資家が失敗して自殺したことにショックを受ける

    □2018年(30才)
    管理会社を起業
    地方の不動産会社の会社役員等を兼務
    業者としての売買・仲介実績が100億円を超える

    □2019年(31才) プライベートカンパニー以外を全て清算
    専業大家となる

    □2020年(32才)
    SNSやセミナー等で情報発信を始める

    □2021年(33才)
    北関東を中心に、保有資産を大幅に追加

    □2024年
    家賃CFは約3,000万円
    借入は公庫の無担保枠約1,700万円のみ
    長期保有は、北関東のアパート、戸建に特化

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