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なぜあんな自由な建物が作れるの!?大阪・関西万博を建築の視点から見てみた!

アカサカトモコさん_画像 アカサカトモコさん 第29話 著者のプロフィールを見る

2025/5/26 掲載

こんにちは、トモコです。
先日、大阪・関西万博に行ってきました!

もともとそこまで興味があったわけではないのですが、開会後の盛り上がりにつられて、急遽大阪行きを決行。結果として、行って本当に良かった!と思える体験でした。

まず何より圧倒されるのは、そのスケール感。広大な会場に個性豊かなパビリオンが建ち並び、夜になるとライトアップされて幻想的な雰囲気に包まれます。

中でも印象的だったのが、会場を囲む大屋根リングです。建設前には「無駄遣い」などの批判的な声もありましたが、実物を目の当たりにすると、その大きさと存在感に驚きました。

低いところでも約12メートル、高いところでは約20メートル。まるで空中に浮かぶ建築のような姿でした。

この大屋根の下は、ただの通路ではありません。展示スペース、イベントスペース、休憩スペースとしても活用されており、全体がひとつの大きな建築空間として機能していました。

そしてリングから見下ろすパビリオン群は、下から見た時とはまた違った見え方で、とても楽しい!

また驚くことにこの大屋根リング、世界最大級の木造建築なんですよ!

しかし万博終了後は解体予定とのこと。ちょっともったいないなあ、と思いますが、それには理由があります。

前置きが長くなりましたが、今回のコラムは「大阪・関西万博を建築の視点から見てみた!」です。

ライトアップされた大屋根リング。大きさに圧倒されます。

ライトアップされた大屋根リング。大きさに圧倒されます。

実は、万博会場に建つパビリオンは

検査済証なし
建築物として未登記
接道義務を満たしていない
建ぺい率・容積率も無視

という、通常の不動産であれば完全に再建築不可、むしろ「指値し放題かも?」な物件ばかりなのです。
なぜこんな建て方が許されているのでしょうか?

その理由は、これらが「仮設建築物」として建てられているからです。

建築基準法第85条により、短期間の使用を目的とする建物については、所管行政庁の許可を得ることで、建築基準法の一部規制が免除される仕組みがあります。

【建築基準法 第85条とは】
建築物を仮設的に設けようとする者が、その期間、場所、構造その他の条件において、公益上支障がないと認められるときは、所管行政庁は、建築基準法の規定の全部または一部を適用しないで、これを許可することができる。

つまり短期間の使用であれば法の一部を免除して建ててもいいよ、という例外ルールです。

ちなみに、仮設建築物という扱いは、万博パビリオンに限った話ではありません。たとえば、災害時に設けられる仮設住宅、イベント会場のステージや大型テント、工事現場のプレハブ事務所なども、すべて「仮設建築物」に該当します。

これらは共通して、おおむね1年以内に撤去されることを前提としているため、建築基準法第85条の特例により、建築確認申請(第6条)や完了検査(第7条)を省略できる場合があるのです。つまり、原則として検査済証の交付は不要となります。

だから当然登記も不要ですね(笑)。

とはいえ、「仮設だから何を建ててもいい」というわけではありません。あくまで期間が限定されており、安全性が確保されていることが大前提です。

そのうえで、所管行政庁に特例許可申請を行い、初めて建築基準法の一部を免除してもらえる仕組みになっています。

大屋根リングもこの特例許可申請を行うことで建設されているので、基本的に撤去が条件となっているのです。

しかし建築基準法第85条に基づく仮設建築物の特例許可は確かに法の一部を適用除外にできますが、すべての規制が免除されるわけではありません。

≪緩和される主な例≫
接道義務(法43条)の一部適用除外
耐火構造・準耐火建築物の義務
建ぺい率・容積率などの一部制限

≪緩和されない・または代替措置が必要な例≫
構造安全性(倒壊しないこと)
避難経路・非常口など消防法による規定
防火区画や延焼対策(建物間10m以上の離隔など)
使用期間・用途・規模の明確な制限

たとえば

大阪万博のパビリオンや大屋根リングは仮設建築物ですが、

建物間は10m以上離して配置(延焼対策)
屋外消火栓や自動火災報知設備を常設並みに整備(ほとんど屋外では?と思えるパビリオンや大屋根リングにも火災報知設備がついていました)
構造計算により耐震・耐風性を確保(特に吹き上げ風)

といった安全確保措置がきちんと講じられています。

このように、仮設であっても一定の安全性・公共性が確保されたうえで、「短期間だからこそ実現できる自由な建築」が成立しているのです。

消防設備 パビリオン内の誘導灯と自動火災報知機。民泊組にはおなじみの設備です。

 パビリオン内の誘導灯と自動火災報知機。民泊組にはおなじみの設備です。

各国のパビリオンは本当に個性豊かで、日本の建築基準法ではなかなか見られないような大胆なデザインが採用されていました。

それらを「建築物」として眺めることで、またひと味違った楽しみ方ができたと思います。

皆さんも大阪万博に行かれた際にはパビリオンの「中身」だけでなく「建て方」や「配置」、「素材」や「構造」にもぜひ注目してみてください。 ミャクミャク

少しでも皆さんのお役に立てたら嬉しいです。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

 

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プロフィール

アカサカトモコさん

アカサカトモコさんあかさかともこ

専業大家
宅建士&建築士

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経歴
  • □197×年
    神奈川県で生まれる。

    □2008年
    リーマンショック後の世界的な不況を経験したことから「会社に頼っているのは危険」と危機感を感じる。

    手当たり次第本や雑誌を読み漁った結果、不動産投資に行き当たる。

    □2014年
    12月
    最初の投資物件として新築アパートを購入(売却済み)

    □2015年
    6月
    中古鉄骨造マンションを購入。

    □2016年
    3月
    中古RCマンションを購入。

    □2018年
    7月
    築古アパートを購入(売却済み)
    会社員を卒業

    □2019年
    2月
    中古アパ―ト購入(2棟一括)

    7月
    中古アパート購入(3棟一括)
    レンタルスペースを始める。

    12月
    初の戸建て購入

    □2021年
    戸建て購入。ベース賃貸として貸し出し中。

    □2022年現在
    8棟79戸を所有
    家賃年収約5,700万円
    返済比率は約50%

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