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38歳で数億円を手にしてFIREを実現!“ある考え”を変えたら願望が叶い出した

不動産投資全般/投資家インタビュー ニュース

2023/07/20 配信

「周りの人と険悪になったら『相手のせい』だと思っていた考え方を、全て原因は自分にあると考えるようになってから人生が逆転していきました」。こう語るのは、極貧生活を経て38歳で数億円を手にしF I R Eを達成した菱田貴文さんだ。

F I R Eによる早期引退を目指す投資家は多いが、F I R E後にどう過ごすかまで考えられている人は少ないだろう。F I R Eを達成した後の菱田さんは、なんと休みなく働く人生を選択し直した。

どんなマインドセットならF I R E達成に近づくことができるのか、実際にF I R Eをしてみると人生はどう変わったのかを紹介する。

菱田さんはミュージシャンとしても活動していた時期があった
菱田さんはミュージシャンとしても活動していた時期があった

最初は極貧 「人が離れていく」経験で心を入れ替えた

菱田さんは学生を終えた後20歳で東京へ進出。美容師として生計を立てるため5畳のワンルームに2人で寝泊まりする寮に入ったものの、手取り10万円の生活に耐えられなくなり短期で退職。その後、歌手を目指してカラオケ店などのアルバイトをしながらオーディションやレッスンに励む毎日を送った。

23歳の頃はユニットを組みストリートミュージシャンとして活動。26歳まで大手事務所に所属したが、実質上のクビという形で契約解除となった。その理由は自身の周りに対する振る舞いだという。

「若い頃は非常に尖っていて、他人に対し言動も態度も敬意がなく周りからは嫌われ、もちろん所属事務所の社員の人たちからもよく思われていませんでした」と菱田さんは当時を振り返る。

事務所を脱退した後は元々ついていたファンの要望もあり、やはりミュージシャンをやっていこうと4人組のグループを結成。個人事務所を立ち上げて自分たちだけでやっていこうと試行錯誤したものの、結局グループのメンバーも当時の菱田さんにはついていけず離れていった。

いろんな人が自分から離れていく現実に打ちひしがれ、人生に絶望し胃が痛くて眠れない日々が続いた。

どうしてこうなったのか?仕事も食事もろくに手につかず悶々と考える日々を送ったが、一つの結論に辿り着くと不思議と気持ちが軽くなった。

「今のこの状況を引き寄せたのは相手のせいではない、全部自分のせいだった」。挫折した自分を認め、良いことも悪いこともどんな事象も全て自分が原因で起こっていると考えるようになった。

7年間で8店舗へ拡大、3事業を展開しM&Aで数億円を手にした

マインドを入れ替えてから、「お金持ちになる」という目標を掲げ、賃貸仲介業を手がける不動産会社に就職。元々持っていたフレンドリーさを生かしつつ、人に敬意を持って接するようになったことも影響し、売上達成率は入社直後からトップを維持。

菱田さんの優秀さは業界からも注目され、引き抜きのオファーを受けて知り合いの不動産会社に転職。優秀さはそこでも変わらず、すぐに店長、部長を任された。

不動産業界で3年間の経験を積んでから、30歳で不動産仲介店「マエムキ」を設立した。マエムキの社長となることで、有名人の人生がどう変わっていくのかを目の当たりにすることができた。

不動産賃貸仲介業は、芸能人やインフルエンサー、起業家などの住居を探す際は秘密保持が重要だ。そのため、社長である菱田さんが責任を持って希望の物件を紹介する。やり取りの中でそうした人々の人間性やその後の生活を知ることができた。

「自分の過ちに気づいた後、その気づきが正しいことの答え合わせをするように人を観察することができました。どんなに偉い立場でも人に対して謙虚に敬意を持って接する人ほど、その後事業の拡大など成功していく人ばかりでした」(菱田さん)。

人を大切にしていない様子が発言からわかる人だった場合は、いつの間にか会社がなくなっていたり、不祥事でその後全く見かけなくなってしまったりと活躍する様子をほぼ見かけない。

例えば、約80万円の物件から5分の1以下の家賃の物件に引っ越した経営者は、「横領された」「社員が辞めてしまって存続できなくなった」など、経営がうまくいかなくなったのをやはり他人のせいのように話していたという。

人を大切にしないことで人が離れ収入もなくなっていく人たちを反面教師にしながら、自身は人を大切にする経営方針を貫いた。例えば、社員のアイデアややりたいことは聞き流さずに、しっかりと反映させた新事業を立ち上げる手伝いをすることもその一つだ。

それにより、脱毛サロンや不動産I T企業、結婚相談所などの部門を立ち上げてホールディングス化を達成。その間にもわずか7年で仲介店は8店舗に拡大していた。全て無借金で達成したというから驚きだ。

敏腕な経営手法は業界でも注目され、社員教育に悩む経営者からマネジメント方法について学ばせてほしいと言われることが多くなり、コンサルタントとしてアドバイスをするようにもなった。

このように休みなく働く日々を送った。寝ている間に「うーん」と唸ることも多いほど経営者として目まぐるしい毎日だった。

このままの目まぐるしい日々を送っていくと自分のための時間がない。そう思った時に考えたのが、F I R Eだ。ホールディングス傘下の一社のみを残し、残りの事業は数億円で売却。残った企業には既に社長がおり、自身はオーナーとして経営を任せる立場のため、実質「働かなくても収入がある状況」を達成した。

カフェで仕事をするサラリーマンを見て「羨ましい」

お金も時間もある、という初めての状況に浮き足立ち、海外旅行に行ったり暇な時はカフェで時間を潰したり、余裕のある毎日を送った。

だが、悠々自適な生活は2カ月目に異変を迎えた。

まず、物欲が沸かなくなった。それまでは人に会う機会が多く、自身を高めるため、成長のためにはどうしたらいいかといつも考えていた。「自分は常に誰かに見られている立場である」と意識して購入した高級時計や高級車も持つ意味を見出せなくなり、売却してしまった。

カフェにいてオンライン会議に参加したり、パソコンで作業をしたりのサラリーマンを見て、なんと「羨ましい」という感情が芽生えてしまった。それまで、休みなく働き寝ている間もうなされるような生活は、振り返ってみれば輝いていた。

「流行りのF I R Eを達成してみたものの、得られた結論は『自分には合わない』ということでした」(菱田さん)

新しい目標を立ててサラリーマンに復帰予定

人は達成できそうな目標を持っている状況に幸福感を覚える。そこで、菱田さんは次の目標として「サラリーマンをしながら運用で資産倍増を目指す」ことを実践していきたいという。

無借金で購入した区分マンション2戸の家賃収入と、これまで手にしてきた金融資産をうまく運用しサラリーマンをやりながら目標達成を目指す。到達すれば菱田さんの成功事例は多くの人を元気づけることになるだろう。

取材・文:土田絵理(つちだえり)

土田絵理

■ 主な経歴

取材記者、クリエイター、アーティストなど様々な肩書きを持つ。
アメリカ・ニューヨークでの広告営業経験をきっかけにライター業を開始。投資家向け(IR)資料作成業務や不動産専門の新聞社でのデスク経験等を経てフリーの取材記者へ転身。不動産業界の取材数が多く、業界に太いパイプを持つ。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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