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日経平均株価がついにバブル期抜き史上最高値!不動産価格への波及はあるのか?

不動産投資全般/市況 ニュース

2024/02/26 配信

日経平均株価がついに史上最高値を更新した
日経平均株価がついに史上最高値を更新した


2月22日に史上最高値3万9098円 市場改革などを好感

新NISAスタートで個人投資家の動きが活発化したのも要因

日経平均株価が2月22日、ついに史上最高値を更新した。この日の終値が、前日比836円高の3万9098円となり、バブル期の1989年12月29日につけた最高値3万8915円を上回ったのだ。

日本国内での市場改革や企業業績改善を好感した海外投資家が大量に日本株を買っていることなどが要因だが、バブル期と違うのは、多くの国民が景気を実感していないことだ。そして、バブル期には、株価のみならず不動産価格も急上昇した。今回の株高で、果たして不動産価格はどう動くのか考えてみたい。

専門家たちが指摘する今回の株高の要因は、まず、海外からの投資マネーの流入だ。

一つは、昨年、東京証券取引所が上場企業に株価を意識した経営を行うよう求め、企業が配当金の支払いを増やすなど、市場改革が進んだことを、海外の投資家が評価した。日本の市場では安心して稼げるとみて、日本株買いが相次いだということだ。

円安で輸出企業を中心に業績が改善していることも株高の背景だ
円安で輸出企業を中心に業績が改善していることも株高の背景だ

そして、円安を背景に輸出企業を中心に業績が好調であることも、海外投資家からの買い材料となった。

ほかにも、台湾有事や米中摩擦、改正反スパイ法の施行などリスクの多い中国市場を投資家が忌避し、そのお金が日本に流れ込んできているとの分析もある。

さらに、今年1月、国内で新NISA(少額投資非課税制度)が始まったことも大きいとされる。株や投資信託の運用益の非課税枠が拡充するなどお得になったため、個人投資家のお金が流れ込み、株価を押し上げているというわけだ。

こうしたさまざまな要素が絡み合い実現した今回の最高値更新だが、一方で指摘されているのが、多くの国民が景気の良さを実感できていないということだ。

バブル期は株に加え不動産価格も高騰、ずさんな融資も原因
今は賃金増えず物価高に追い付かない 多くの人が実感できず

バブル期は、株価の上昇だけではなく、給料は多くの業種で上昇を続け、国内総生産(GDP)は4%程度の高い成長率を記録していた。

金融機関はずさんな融資でお金を貸しまくり、そのお金が株式だけでなく不動産にも流れ込んで、土地や住宅の価格が急騰した。サラリーマンは都心で住宅を買うのは不可能とされていた。

一方で給料アップを背景にサラリーマンたちはぜいたくな暮らしを謳歌し、一万円札を握りしめてタクシー待ちの長い行列をつくり、週末はディスコへ出かけて踊り狂うという光景がみられた。当時は多くの国民が、景気の良さを強く実感していたことだろう。

これに対し、現在はバブル期のような光景は見られない。大きいのは、物価の高騰が進んでいるにもかかわらず賃金がさほど上がっていないからだろう。

大企業でこそ物価上昇を上回る賃上げに踏み出しているが、中小企業や零細企業にはその動きは波及していない。日本企業の9割以上が中小企業であるとされており、中小企業に賃上げの動きが広がらなければ、多くの働き手の消費マインドが高まることはない。

たとえば資材高を踏まえ、中小企業から大企業に納入される商品の価格の値上げ、つまり価格転嫁を認めるなどして中小企業の収益力を上げるなどし、賃上げに向かえる環境を整えることが大切だ。

また、株式や投資信託に投資している個人がいたとしても、大半の人は多額ではない。当然、株価が上がっても、大きな売却益を稼げるわけではない。保有している株価が含み益を抱える状態になったとしても、やはり額が少ないので、財布の紐を緩めようという気にはならないだろう。

バブル期のようなずさんな融資なく不動産価格の急騰ない
ただし株価に遅れ不動産価格上昇か 都市と地方で差も

さて、不動産投資家に気になるのは、今回の株高が不動産価格の上昇へ波及していくかだ。

日経平均株価が前の最高値を更新した34年前は先程述べたように、不動産価格も急上昇した。金融機関が値上がりを見越して、ずさんな審査でお金を貸せるだけ貸しまくったことが大きい。

そして、あまりにも不動産価格が上昇したことを問題視した政府が融資規制を行ったことが地価下落とバブル崩壊の引き金となり、その後の30年にわたる長いデフレの原因となった。

今では金融機関はこんなずさんな融資をしておらず、むしろ審査は慎重になっている。このため、バブル期のような急激な不動産価格の上昇があるとは考えられないだろう。

株高はいずれ不動産価格に波及するので要注意
株高はいずれ不動産価格に波及するので要注意

だが、株高はタイムラグをもって不動産価格に波及してくるという事実はある。国土交通省がまとめている不動産価格指数と日経平均株価の動きを追うと、ほぼそういう動きになっていることを確認することができる。

保有株の上昇による含み益の増加で投資意欲が高まったり、株式の売却益で多額の資金を手にしたりした企業や富裕層が、不動産の購入に走るからだとも考えられる。いずれにしろ、経験則からいえば、今回の株高も不動産価格の上昇につながってくるだろう。

もっとも、その上昇には格差がある。東京都心や大阪、名古屋などの都市圏では不動産もかなり値上がりするとみられる。一方で、地方では、値上がりしたとしても、そこまでではないだろう。

そう考えると、手持ちの資金があったり、金融機関から融資を引ける余力のある不動産投資家は、本格的に不動産価格が値上がりを始める前に、買っておくというのは一つの手だ。一方、すでに物件を持っている人は、本格的な値上がりを待って売却し、キャピタルゲインを狙うという戦略もありだろう。

こうした先への見通しを立てながら、今後の不動産投資戦略を慎重に練っていきたい。

取材・文:小田切隆(おだぎりたかし)

■ 主な経歴

経済ジャーナリスト。
長年、政府機関や中央省庁、民間企業など、幅広い分野で取材に携わる。

■ 主な執筆・連載

  • 「経済界」(株式会社経済界)
    「月刊経理ウーマン」(研修出版)
    「近代セールス」(近代セールス社)
    ニュースサイト「マネー現代」(講談社)など

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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