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4月からアパートの外階段、防腐措置や検査体制強化。外階段のあるアパートの大家や投資家が注意すべき点は?

政策(不動産投資関連)/法改正・制度変更 ニュース

2022/04/15 配信

東京都八王子の木造アパートの外階段が崩落し、入居者が死亡した事故から4月で1年が経つ。国土交通省は再発防止に向け今年1月、「建築基準法施行規則の一部を改正する省令」を公布、4月1日から施行される。

それに伴い、木造の外階段の防腐措置や定期点検を強化する「木造の屋外階段等の防腐措置等ガイドライン」が公表された。

これを受けて外階段のアパートを所有する大家や投資家は、どう対応すべきなのか? 事故後、則武地所のアパートの調査を複数手掛けた、さくら事務所のホームインスペクター(住宅診断士)に話を聞いた。

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外階段があるアパートの大家さんは、改めて適切な対応が取られているか確認したい(写真はイメージ)

注意すべき階段と、防水対策などの対応が明確に!
すでに必要な対策が取られていれば、さほど心配はない

ホームインスペクターで、リフォームの営業・設計・現場監理の経験もある田村 啓氏は、事故後、依頼を受け、アパートの建設を手掛けた則武地所の別のアパートの建物診断を複数行った。なかには築半年で階段が傾き始めているケースもあった。

「今回公表されたガイドラインでは、外階段で避けるべき設計、施工が明確にされたのですが、私が調査をしたなかでは、まさにその避けるべき設計や施工を行っている事例をいくつか目にしました。それぐらい重要なポイントが明確化されています」

ガイドラインでは、外階段のあるアパートについて、次の図のように、4パターンが注意すべき対象として記されている。

木造だけではなく、鉄骨造と組み合わされた外階段も対象になる。八王子の事故現場は、築8年だったが、鉄骨の外階段の一部に木造の部品が使用されており、劣化していたとみられる。

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ガイドラインの対象となるアパートの外階段、4パターン(出典:「木造の屋外階段等の防腐措置等ガイドライン」)

「外階段は、ちゃんと防水をして、雨がかかかりにくくするというような内容で、設計時に過度なことが求められているわけではなく、施工会社や売り主側から見れば、これまで当然のように配慮されていることです。そのため法改正によって設計や施工方法を大幅に変えなければならない事業者は少ないのではないか」

避けるべき設計、施工がされていないか、
今すぐチェック!

所有物件で、上記の4パターンのいずれかに該当する外階段がある場合は、ガイドラインで指摘されている、避けるべき設計、施工がされていないかどうかチェックしたい。

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外階段で避けるべき設計・施工事例(出典:「木造の屋外階段等の防腐措置等ガイドライン」)

「少し専門的な内容なので、一般の方が判断するには難しいかもしれません。新築で購入したものであれば販売元に。中古の場合はホームインスペクターやリフォーム会社に相談して、プロの目でぜひチェックしてほしい」

外階段のあるアパートを買う場合の注意点、
見るべきポイントは?

今後、外階段のあるアパートが、安く売りだされるようなこともあるのだろうか?

「避けるべき設計や施工をしている物件も対処すれば問題なく利用できるケースが多く、根本的な問題がある物件は少ないでしょう。そのため外階段のあるアパートが市場に投げ売られるようなことはないでしょう」

外階段があるアパートを購入する場合は、次の点に注意すべきだと田村氏は指摘する。

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【外階段があるアパートを購入する場合のポイント】

1  外階段が雨ざらしになっているかどうか?

木造でも鉄骨造でも、雨水がかかる部分は、防水や防錆対策をしていても傷みが早い。
購入する場合は、しっかり点検する必要があることを念頭に置く。

2 階段がどう支えられているか?

一般的に階段は柱で支えられているが、渡り廊下や踊り場に、鉄の支えが少しだけ乗っているだけなど、不自然な支えられ方をしている場合は要注意。

3 異常に利回りが高い、または、建築費が安いなど不自然さはないか?

周辺相場と比較して異常に利回りがいい場合や建築費が安い場合は、設計や施工に無理が生じている懸念がある。

4 構造や雨漏りにかかる修繕費は必要経費として計画を

雨漏りなど水に関する修繕は、対応が遅れれば遅れるほどコストアップしてしまう。
予防的に行っていけば費用を抑えられるため、修繕計画を立てることが大事。

5 実際に物件の階段を上り下りして状態をチェック

外階段を上り下りして、安定感があるか、コケやカビ、サビが気にならないか確認する。

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田村氏がこれまで診断したアパートのなかには、外階段だけではなく、入居者の生活を脅かすような構造的な問題を抱えた物件もあったそうだ。

物件購入の際には、改めて建物全体の状態をよく確認し、さらには販売元の会社のコンプライアンスや企業理念などもよくよく見極めたいものである。

健美家編集部(協力:高橋洋子(たかはしようこ))

高橋洋子

https://yo-coo.wixsite.com/home

■ 主な経歴

暮らしのジャーナリスト。ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、情報誌などの編集を経てライターに。価値0円と査定された空き家をリノベーションし、安くマイホームを購入した経験から、おトクなマネー情報の研究に目覚め、FP資格を取得。住宅、マネー関連の執筆活動を行う。

■ 主な著書

  • 『家を買う前に考えたい! リノベーション』(すばる舎)
  • 『100万円からの空き家投資術』(WAVE出版)
  • 『最新保険業界の動向とカラクリがよ~くわかる本』(秀和システム)など

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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