近年、九州のゲートウェイシティがとにかく元気だ。JR博多駅前で進行中の「博多コネクティッド」は「天神ビッグバン」と共にキャッチーなネーミングで全国的に認知されるようになったが、実は再開発が活況となっているのは福岡だけではない。
●JR宮崎駅
西口駅前広場再整備(2020年10月)
アミュプラザみやざき開業(2020年11月)
●JR熊本駅
白川口駅前広場整備(2021年3月)
アミュプラザくまもと開業(2021年4月)
●JR佐賀駅
高架下商業施設サガハツ開業(2023年4月)
●JR鹿児島中央駅
JR鹿児島中央ビル・AMU WE開業(2023年4月)
●JR長崎駅
新駅ビル・アミュプラザながさき新館開業(2023年秋予定)
など、各県の玄関口となるビッグターミナルの駅周辺機能がどんどん進化を続けている。そして、いま九州内外から注目を集めているのがJR大分駅前の『末広町一丁目地区市街地再開発事業(2027年度完了予定)』だ。
駅北口の高度利用を図る
末広町一丁目地区市街地再開発事業
JR大分駅の北口に広がる末広町一丁目は、いわば“大分の一等地”とも言える駅前ポジションにある。しかし、以前から建物の老朽化が課題となり、店舗の撤退や空き地が目立つようになっていた。
そのため大分市は2019年3月に「末広町一丁目地区第一種市街地再開発事業」を発表。コロナ過の3年を経てようやく事業のスピード感が加速してきた印象がある。
大分最高層、地上27階建てタワマン誕生
周辺では1000戸超の新築マンション供給見込み
再開発事業の中でもひときわ関心度が高まっているのは、A街区で計画されているタワーマンションの登場だ。地上27階建てで総戸数は217戸。2027年度(予定)に完成すると、大分県内イチの高さになるという。
こうした再開発機運の高まりを受けて、現在JR大分駅周辺ではマンション開発が活況となっており、再開発街区に隣接する地上19階建てタワーマンションや、官公庁地区・大手町で7年ぶりの登場となるマンションなど、新築物件が続々と登場。既に販売中の物件や計画物件も含めると今後1000戸超の供給が見込まれている。
ちなみに、2011年から2020年までの10年間で、JR大分駅圏内で供給された新築マンション戸数が2872戸(※)であったことを考えると、一気に“1000戸超の大量供給”というのは異例の事態だとわかる。
※東京カンテイプレスリリースより
アジアを代表する一大医療産業拠点を目指す、
東九州メディカルバレー構想特区
この強気とも言える新築マンション供給の背景には「東九州メディカルバレー構想」による地域人口増加への期待感が見え隠れする。
実は大分県周辺には医療機器製造メーカーの生産・開発拠点が集積しており、隣接する宮崎県と共に内閣府の「東九州メディカルバレー構想特区」の指定を受けた。
医療関連産業は景気の変動に左右されにくい安定産業。大分県ではアジアを代表する一大医療産業拠点を目指して、国際人材力を育てる教育機関や医療関連企業の誘致を積極的に進めているのだ。
観光業だけでなく安定産業にも恵まれている点は、大分の「地方都市としての大きな強み」となる。また、積極的な企業誘致により今後“働く場所・働く人たち”が増えれば、当然ながら地域経済は活性化し、住宅需要の拡大にもつながっていくはずだ。
再開発事業により華々しく進化を続けるJR大分駅周辺で、新たな投機を狙ってみてはいかがだろうか?
健美家編集部