福岡市の行政・商業の中心地で新たな複合施設が誕生
福岡市の中心市街地であり、福岡市役所などの官公庁、銀行、商社、報道機関、大手企業の支社、さらには商業施設が集積している天神エリア。
2015年から福岡市が主導し同エリアで進めているのが都市再開発誘導事業の「天神ビッグバン」だ。健美家ニュースでも、その進捗について、これまで何度も取り上げている。
天神ビッグバンの対象エリアは、天神交差点から半径約500m、約80haのエリア。更新期を迎えたビルが耐震性の高い先進的なビルに建て替わることで、多くの市民や働く人・訪れる人の安心・安全につながるとともに、都心部の機能を高め、新たな空間・雇用、税収を生み出すのが目的だ。2023年3月末までで建築確認申請数は63棟、竣工棟数は52棟にのぼる。
これまでも「天神ビジネスセンター」や「福岡大名ガーデンシティ」など、天神で新たな象徴となる施設が生まれてきたが、その勢いはまだとどまりそうにない。
今年12月には2つのビルが竣工する見通しで、そのうちのひとつが「(仮称)ヒューリック福岡ビル建替計画」だ。
計画地は天神交差点至近で、天神駅から徒歩0分の好立地。明治通り沿いの南側に、地上19階・地下3階のビルが建つ。オフィスや商業施設、ホテルなどがテナントとして入る予定だ。
計画の特徴は」次の通りだ。
・「感染症対応シティ」に向けた取り組み
オフィスへの自然換気システムの導入や空中階への庭園設置、人通りの多い場所への非接触検温センサーの設置、約210坪のフロアプレート、ホテルロビーなどのWi-Fi整備など
・魅力あるデザイン性に優れたビル
建物コンセプトを「THE GATE」とし、天神地区への入り口にふさわしい賑わいの拠点を形成。建築デザインは、ホテル、オフィス、商業の異なる山陽との積層を証明などで表し、外壁パネルには帯状に幾何学的な模様が連なるパターンを設け、陰影により表情を変える。
・環境負荷軽減への取り組み
積極的に九州産の木材を使い。CO2固定化による環境負荷軽減を目指す。屋上には太陽光発電システムを設置する。
・人と交通と施設をつなぐ立体広場で「街区の入り口」を形成
地上は明治通りとメルヘン通り交差部、地下は地下鉄天神駅コンコース最寄りになる箇所に立体広場を配置。各交通機関と施設を立体的に結ぶ。
旧ヒューリックビルは1960年に建てられた、地上9階・地下1階のビルだったが、これが大きく変わる見通しだ。ホテルや商業施設も入ることで、天神交差点ではさらなる賑わいが生まれるだろう。年末の竣工が待ち遠しい。
2025年以降も続々と新施設ができる予定
もうひとつは「ワンフクオカビルディング」で、今年12月に竣工し、来春に開業する予定だ。福岡ビルや天神コアなどの跡地約8600㎡に高さ約97m、地上19階・地下4階の複合施設が建てられ、地下は駐車場、ショッピングゾーンや九州最大のスカイロビー、コワーキングスペース、オフィス、ホテルなどを整備するという。こちらも天神交差点に近く、同じ時期に2つの巨大施設が生まれることになる。
天神ビッグバンのプロジェクトは2025年も目白押しで、3月には「天神ブリッククロス」、5月には「(仮称)天神二丁目南ブロック計画」が竣工。その翌年以降も、複数の施設が更新されていく。
福岡市は当初、2024年までに約30棟の建て替えを目標としていたたが、実績は大きく上回ることに。雇用の創出は言うまでもなく大きな経済波及効果が期待されている。
何よりも、新たなビルが多く建つことでまちの景観は大きく変わり、先進性をアピールすることもできる。国内のみならず、アジア諸国からもビジネスやプライベートの行き先として注目されるようになるだろう。
健美家編集部(協力:
(おしょうだにしげはる))