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新潟県長岡市・長岡駅前で大規模再開発進行中。「米百俵プレイス ミライエ長岡」先行オープン

都市計画・再開発(地域情報)/金沢/北信越 ニュース

2023/08/06 配信

米百俵プレイスミライエ長岡
米百俵プレイスミライエ長岡

長岡市は、新潟県中越地方の中心都市だ。

新潟県第二の人口を抱える商業・産業都市も、バブル崩壊以降空洞化に見舞われ、特に中心市街地であるJR長岡駅の活気は戻らない状況が続いていた。

しかし、2000年代から、行政主導の大規模再開発が相次いで進められ、公共施設を中心ににぎわい創出の試みが始まっている。現在、最大級の再開発事業である「米百俵プレイス」建設が進行中だが、このうち、「ミライエ」が今般7月22日にオープンした。

■ 長岡市の概要

JR長岡駅
JR長岡駅

長岡花火で著名な長岡市は、新潟県では新潟市に次ぐ第二の人口規模を持つ都市である。令和5年現在の人口は26万人だ。長岡市の商業圏人口は60万人規模と言われている。

江戸時代には譜代牧野氏の城下町として栄えたが、戊辰戦争で壊滅する。しかし、明治中期には油田が発見されて、機械、化学工業が発達。それを基軸に、中越地方の中心都市となる。

太平洋戦争時には空襲で全域が焼失したが、中越地方の中心都市として、産業、商業ともに復興を遂げる。電子部品や精密機械などの製造業のほか、バイオテクノロジー産業も抱えている。ちなみに、長岡花火は、戦災で失われた命への鎮魂の意味もある。

長岡市の中心市街地であるJR長岡駅周辺は、高度経済成長期に商業圏の中心として多くのデパートなどが並んでいたが、バブル崩壊後の1990年代以降、郊外店舗の出店とともに空洞化に見舞われた。

大型店の閉店が相次いだ以降も、JR長岡駅周辺の中心市街地の再開発はなかなか進まなかった。

■ 直近10年で駅前大通りの再開発が進む

シティホールプラザ アオーレ長岡
シティホールプラザ アオーレ長岡

そこで、2004年、長岡市は、中心市街地の空洞化を食い止めるために、有識者や商店街関係者を集めて「中心市街地構造改革会議」を設置した。

会議で提言されたのは、「まちなか型公共サービス」である。市役所をはじめ多様な機能、利便性を兼ね備えた施設を整備し、行政が再開発とにぎわい復活の口火を切る取り組みを始めることとなった。

中心市街地の再開発は、長岡駅前の大手通沿いの再開発事業としてスタートした。2010年には、大手通中央西地区第一種市街地再開発事業として「フェニックス大手ウエスト」が、2011年には、大手通中央東地区第一種市街地再開発事業として「フェニックス大手イースト」が完成している。

ウエストは、2007年に閉店した旧丸専デパートの跡地に建てられたもので、地上63メートルの高層マンションと子育て支援施設、商業施設を備えた複合施設だ。

イーストは、1997年に閉店した旧イチムラの跡地に竣工した。こちらは、A棟、B棟、C棟から成り、地上9階と低層ではあるが、A棟はレジデンス、B棟はオフィス、C棟は市役所などの公共施設と商業施設が入っている。

さらに、2012年には、駅前の旧厚生会館跡地に「シティホールプラザ アオーレ長岡」をオープンした。市役所の本庁舎、アリーナ、市民交流ホールなどを備える。著名建築家の隈研吾によるデザインであり、外壁に貼り付けられた市松模様のスギ材パネルはひときわ目を引く。

2016年には、同じく大手通沿いに、大手通表町西地区第一種市街地再開発事業として、「ながおか町口御門」も竣工している。こちらは、社会福祉センター、介護付き有料老人ホーム、クリニックなどが入居している。

■ 現在、最大規模の大手通坂之上町地区市街地再開発事業が進行中

出典:長岡市
出典:長岡市

このように、近年、長岡駅の駅前大手通沿いの地区では、次々と行政主導の大規模再開発が進められてきたが、中でも最大規模の「大手通坂之上町地区市街地再開発事業」が現在進行中だ。

大和長岡店や長岡商工会議所、北越銀行本店などの跡地に、東館、西館、北館、マンションの4棟を新設する計画である。4棟の合計延べ床面積は56,000㎡と最大規模だ。2021年に建設が始まった。

同施設は、戊辰戦争後の見舞いの品米百俵を売って人材育成のための教育費に充てた故事になぞらえ、「米百俵プレイス」と名付けられた。実際の再開発事業は、URが中心となって進められた。

7月22日、このうち、西館にあたる「米百俵プレイスミライエ」がオープンした。産業支援の拠点となる「NaDeC BASE」や長岡市初の公立図書館「互尊文庫」が移転入居した。

「NaDeC BASE」は、会員制の「イノベーションサロン」や「ものづくりラボ」、「ギャラリーラボ」などを備え、産業界と研究機関との交流の場を提供し、新規事業の創出や起業の拠点となることを目指している。

「互尊文庫」は、2フロアから成り、来館者の興味を引くような15のテーマごとに独自の視点で本を陳列する。大小異なる様々な形の本棚、ソファ、テーブルが配置されている。最大の特徴は、館内のおしゃべりが自由であるという点だ。ワークショップも随時開催する予定で、本を通じた発見や人とのつながりが生まれる拠点を目指している。

すべての「米百俵プレイス」が完成し、再開発事業が完了するのは2025年度を見込んでいる。

取材・文:佐藤永一郎(さとうえいいちろう)

佐藤永一郎

FP不動産投資よろず相談所

■ 主な経歴

筑波大学大学院修了。新潟大学大学院博士後期課程在籍。2級FP技能士。会計事務所で約10年、中小企業、不動産オーナーの節税コンサルティングや融資サポートなどに携わる。スタートアップのCFO、監査役などを経て、築古戸建ての不動産投資家として独立。不動産投資のコンサルオフィス「FP不動産投資よろず相談所(https://fprealestateoffice.jp/)」を運営している。不動産投資や税金をテーマとした執筆活動もおこなう。大学院にて所得税制を研究中。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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