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東急東横線「日吉駅」と京王井の頭線「東松原駅」が狙い目? 渋谷駅発の二大人気路線における「地盤災害ドクターが推す低リスク駅」

都市計画・再開発(地域情報)/横浜・川崎・千葉・埼玉/首都圏 ニュース

2021/09/12 配信

東京を代表する「住みたい沿線」を
災害リスクの観点から見たらどうなる?

東急東横線と京王井の頭線といえば、渋谷を起点とする二大人気路線。さまざまな不動産賃貸メディアの人気投票でも「住みたい沿線」として選ばれている。

東横線なら「渋谷駅」「中目黒駅」「自由が丘駅」、井の頭線なら「下北沢駅」「吉祥寺駅」「久我山駅」など、ネームバリューのある駅がずらりと並ぶが、「災害リスクの低さ」で見るとどの駅が選ばれるのか。

国内屈指のホームインスペクション診断実績を誇る「さくら事務所」のホームページにて、だいち災害リスク研究所所長・地盤災害ドクターの横山芳春氏によるコラム「【東急電鉄東横線】地盤災害ドクターの「災害低リスク」推しステーション」「【京王電鉄井の頭線】地盤災害ドクターの「災害低リスク」推しステーション」が公開された。地盤災害ドクターが選ぶ推しステーションはどこか。

東横線
出典:さくら事務所 「住みたい沿線」に選ばれることも多い東急東横線

まずは東横線から見ていこう。

東横線は「渋谷駅」から横浜駅を繋ぐ24.2kmの路線である。ファッションやカルチャーの色の強い駅が多く、「自由が丘駅」「田園調布駅」など洗練された高級住宅街もあり、沿線のブランド力は強い。

「武蔵小杉駅」の浸水被害が記憶に新しいが…
谷底低地を走る東横線の水害低リスク駅は?

東横線沿線の地形の特徴としては、「渋谷駅」周辺は谷底低地になっており、谷底低地と台地・丘陵のアップダウンを繰り返し、「横浜駅」に至る。標高の低い駅が多く、「武蔵小杉駅」など浸水被害を経験したエリアもある。

地盤災害ドクターの横山氏が、各市区が公開している水害に関するハザードマップ(洪水、内水氾濫が別の場合はそれぞれを確認して最も大きな浸水深のマップを使用)から読み取った結果は以下である。

出典:さくら事務所 東横線【水害低リスク推しステーション】
出典:さくら事務所 東横線【水害低リスク推しステーション】

1位タイは「学芸大学駅」「田園調布駅」の2駅で、浸水想定区域外。3位タイは「日吉駅」「白楽駅」の2駅で、想定浸水深0.02~0.20m未満。5位タイは「代官山駅」「祐天寺駅」「妙蓮寺駅」「反町駅」で、想定浸水深0.1~0.5mとなっている。

「いずれも、標高の低い大きな川沿いの低地ではなく、高台に位置する台地や丘陵地、または坂の途中のような、台地斜面に位置する駅の浸水リスクの低さが際立った」と横山氏は解説する。

地震の揺れリスクが小さいのは
「渋谷駅」や「都立大学駅」など

続いて地震に対するリスクを見てみよう。

国立研究開発法人防災科学技術研究所が公開する地震ハザードステーションJ-SHIS Mapより、250m×250mメッシュで地盤の揺れやすさと地震の起きやすさから算出されている「今後30年間に震度6強以上の揺れに見舞われる確率」の数値(%)および、「その場所の地盤の揺れやすさ」を示す地盤増幅率をもとに集計した結果が以下の図である。

出典:さくら事務所 東横線【地震低リスク推しステーション】
出典:さくら事務所 東横線【地震低リスク推しステーション】

1位は「渋谷駅」2位は「都立大学駅」3位は「中目黒駅」4位は「日吉駅」5位タイが「代官山駅」「祐天寺駅」7位「東白楽駅」だった。

「『渋谷駅』『都立大学駅』『中目黒駅』は谷底低地であり、従来は比較的地震時に揺れやすいと考えられていた。しかし、最新の防災科学技術研究所による地盤の実測値に基づいた数値から見ると、従来想定されていたよりも地震の時に揺れにくい地盤だったことがわかる。

『日吉駅』『代官山駅』『祐天寺駅』『東白楽駅』は高台に位置する台地や丘陵地、または台地斜面に位置する駅であり、高台の地盤で揺れやすさが小さい。ただし、これらの駅の近傍でも、高低差のある敷地などでは盛土などで部分的に揺れやすい地盤の地域もある」と横山氏は説明する。

水害リスクと地震の揺れリスクが
比較的小さいのは横浜「日吉駅」

東横線沿線において相対的に見て水害リスクと地震の揺れリスクの両方が低いのは「日吉駅」であった。東急東横線だけでなく、目黒線も停車し、なおかつ横浜市営地下鉄グリーンラインの終点でもある交通利便性の高い駅だ。

東横線「横浜駅」まで約19分、「渋谷駅」まで約19分という具合で、ちょうど真ん中あたりに位置している。

慶應義塾大学日吉キャンパスのお膝元で、駅前の商店街は学生で賑わっており、外食チェーン店など庶民的な店舗が並ぶ。

不動産・住宅情報サイトLIFULL HOME’Sによると、平均的な家賃がワンルーム6.39万円、1LDK10.92万円、2LDKが16.09万円となっている。

学生向けの物件供給が多いからか、単身者向けの部屋は隣駅の「元住吉駅」「綱島駅」などよりも安い。一方で、ファミリー向けの物件の相場は隣駅よりやや高い傾向にある。

駅近は学生で賑やかだが、少し離れれば落ち着いた住宅街があり、公園などもある。交通の便がよく住みやすい街ということで、ファミリー向けの物件は、隣駅より高く家賃を設定できるのかもしれない。

続いて京王井の頭線を見てみよう。

人気のエリアがずらりと並ぶ京王「井の頭線」
人気のエリアがずらりと並ぶ京王「井の頭線」

京王井の頭線は、「渋谷駅」から「吉祥寺駅」の12.7Kmを結ぶ路線である。こちらも「下北沢駅」「永福町駅」「高井戸駅」など、人気の駅が連なっている。武蔵野台地上を走っており、線路は低地も通っているものの、駅の多くが台地や台地斜面にある。

井の頭線の水害低リスク駅はどこか。

出典:さくら事務所 井の頭線【水害低リスク推しステーション】
出典:さくら事務所 井の頭線【水害低リスク推しステーション】

「1位タイは4駅あり、『吉祥寺駅』『井の頭公園駅』『池ノ上駅』『東松原駅』が浸水想定区域外となっている。これらの駅はいずれも台地の上にあり、川沿いに位置する標高の低い低地ではなく、高台に位置する台地の浸水リスクの低さが際立った。

5位タイは7駅あり、『神泉駅』『新代田駅』『永福町駅』『浜田山駅』『下北沢駅』『西永福駅』『久我山駅』の想定浸水深0.1m以上0.5m未満。『久我山駅』や『神泉駅』の東側は谷底低地にあることや『西永福駅』『浜田山駅』は台地でも少し低い場所にあり、水が集まりやすい立地であることが影響している」と横山氏は解説する。

続いて地震のリスクを見てみよう。

出典:さくら事務所 井の頭線【地震低リスク推しステーション】
出典:さくら事務所 井の頭線【地震低リスク推しステーション】

1位は「明大前駅」2位は「渋谷駅」3位は「東松原駅」4位は「高井戸駅」5位は「新代田駅」6位は「富士見ヶ丘駅」7位は「神泉駅」8位は「井の頭公園駅」9位は「下北沢駅」10位は「池ノ上駅」という結果だった。

「これらの駅は、いずれも台地の上か台地斜面に位置し、比較的地盤が安定している高台である、台地で揺れやすさが小さいというセオリーと一致した。これらの駅の近傍でも、高低差のある敷地などでは盛土などで部分的に揺れやすい地盤の地域もある」と横山氏は解説する。

井の頭線の穴場駅と言われることもある
「東松原駅」が災害低リスク駅

相対的に見て水害と地震のリスクが低い駅は世田谷区にある「東松原駅」である。京王「渋谷駅」から約9分、「明大前駅」と「下北沢駅」から約2分、「吉祥寺駅」から約15分に位置している。

駅前には普段使いできる商店街がある。少し離れると自然と調和した住宅街が広がっており、大きな一戸建ても見かける。

不動産・住宅情報サイトLIFULL HOME’Sによると、家賃相場はワンルームで約6.72万円、1LDK13.58万円、ファミリー向けの物件は供給が少ないのか算出されていなかった。

近隣の駅と比較すると「下北沢駅」「新代田駅」「明大前駅」などより家賃は安い傾向にある。小田急線も使える「下北沢駅」と京王線も使える「明大前駅」は、「東松原駅」から自転車でわずか5、6分の距離にあるため利便性は高い。単身者にとっては穴場の駅と言えるかもしれない。

しかも、これらの魅力に加えて比較的災害にも強いエリアとなれば、アピールできる情報が増える。前述の東急「日吉駅」しかり、水害や地震のリスクが相対的に低いという情報が、心配事の多い今の時代の入居者の背中を押してくれるかもしれない。

健美家編集部(協力:外山武史)

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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