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都心部郊外での不動産投資は始発駅が狙い目?始発駅の収益インパクトをチェック

都市計画・再開発(地域情報)/横浜・川崎・千葉・埼玉/首都圏 ニュース

2026/01/11 配信

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都心部の不動産価格高騰が顕著になるなか、郊外への投資を視野に考えている方も多いだろう。郊外のエリア選択において「始発駅」に着目するのは有効な選択肢の一つといえる。

電車の始発駅は着席ができるため、通勤電車が非常に混雑する首都圏では郊外の人気駅の一つとなりがちだ。始発駅が郊外の拠点となっていて、地価や賃料が高いケースも多い。

以上の点は、不動産について少し調べていれば、イメージがわくところだが、収益性や相場の観点で本当にインパクトがあるのかどうかは気になるところだ。そこで今回は、首都圏の始発駅の収益性について、賃料データをもとに分析してみた。

都心部に1本で行ける路線の始発駅

東京都内は都心部に向かって1都3県から多数の電車や地下鉄が運行されている。それぞれ始発・終着の組み合わせが複数ある場合もあるため、始発駅も多い。

今回は「都心の拠点駅(東京・上野・池袋・新宿・渋谷・品川)」に乗り換えなしで45分以内でアクセスできる駅から、主要な駅を抽出した。なお「令和3年社会生活基本調査」によると東京都の平均通勤時間は1日95分のため、片道45分は「おおむね平均的な」通勤時間となる。

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鉄道会社の情報をもとに筆者作成

始発駅が人気の理由

賃貸において始発駅が人気化しやすい理由は、大きく次の3点にある。

  • 朝に座って通勤できてストレスが軽減される
  • 乗り換えのために速達電車が停車するケースが多い
  • 周辺エリアの拠点駅として発展する駅が多い

始発駅の賃貸需要が強い最大の理由は、座って通勤ができてストレスを軽減できる点だ。都心部では、通勤ラッシュの混雑が著しく、朝のストレス要因となっている。

始発駅では先客がいないため、座って目的地まで移動できる可能性が高い。通勤ストレスが軽減できるなら、少々遠くても始発駅をする人も多いため、始発駅は賃貸需要が安定しやすい。

二つ目は、速達電車の停車駅になるケースが多い点だ。始発設定がある駅は、より遠方との電車の接続を考慮して、JRの快速、私鉄の急行・特急などの速達電車が停車するケースが多い。普段は始発電車で座ってゆっくり、急ぐときには速達電車を利用するといった利用も可能だ。

三つ目は、周辺エリアの拠点駅として発展しているケースが多い点だ。始発駅かつ速達電車が停車するとなれば、その駅は必然的に利用者が多くなりやすい。利用者が多ければ、駅の周辺は商業施設が発展し、利便性が向上する。結果として暮らしやすいエリアとなるため、一段と人気化しやすくなるのだ。

以上の3つの要因のいくつか、もしくは全てが当てはまることにより始発駅は人気化し、賃貸需要が安定しやすい傾向にある。

始発駅であることが賃料に与えるインパクトは?

一般論として周辺駅より人気化が見込まれる始発駅だが、投資家としては賃料にどのようなインパクトを与えるのかも気になるところだ。今回は「見える!賃貸経営」のデータを活用して、始発駅の賃料を4つの路線について調べてみた。

総武線の賃料水準

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出所「見える!賃貸経営」の1R/1K/1DKの賃料データを基に筆者作成

今回調べた中で始発駅のインパクトが比較的わかりやすかったのは御茶ノ水~千葉を走る総武線(各駅停車)だ。

このゾーンでは千葉駅と津田沼駅が条件に当てはまる始発駅だが、どちらも周辺駅と比べて賃料が一段高くなっている。

特に津田沼は、両隣の駅や都心側の下総中山駅よりも賃料が高い点は始発駅の効果が出ていると考えてよいだろう。

両駅とも始発駅であることに加えて、千葉市や習志野市の代表駅のひとつである。利用者が多く、駅周辺の商業や公共施設が高度に発展していることも、賃料水準の下支え要因となっていると考えられる。

東急田園都市線の賃料水準

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出所「見える!賃貸経営」の1R/1K/1DKの賃料データを基に筆者作成

田園都市線は、多くの系統において中央林間始発が設定となる。早朝に長津田駅始発の設定もあるが、本数が少なく実用性に乏しいため今回は加味していない。

こちらも始発駅であることが一定程度賃料の底上げに寄与していると考えてよいだろう。中央林間は渋谷から最も遠い駅であるにもかかわらず、いくつかの中間駅の賃料水準を上回っている。

隣のつきみ野駅の方が賃料水準が高い点がやや気になるが、つきみ野駅と中央林間駅は1.2kmしか離れていないため、二つの駅の中間のエリアの多くは両駅が徒歩圏となる。2駅利用可能なつきみの駅エリアの物件が、賃料の底上げに寄与している可能性もあると考えている。

西武池袋線の賃料水準

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出所「見える!賃貸経営」の1R/1K/1DKの賃料データを基に筆者作成

3つめに紹介するのは西武池袋線だが「45分以内でアクセスできる」という定義にあてはまる始発駅は石神井公園駅と保谷駅である。ほかに小手指駅・飯能駅などの始発設定があるが、池袋駅までの所要時間が長すぎるとの判断から今回は除外した。

石神井公園駅は、始発駅で速達電車の停車も多いため、賃料水準が周辺駅と比べて特に賃料が高水準である。西武池袋線内の代表駅のひとつである練馬駅を上回っているのが特徴だ。

一方で、保谷駅は石神井公園駅と比べると始発的インパクトが小さい。両駅は2駅しか離れていないうえ、保谷駅は各駅停車と準急しか停車しないため、石神井公園駅と差をつけられているとみられる。朝の保谷駅始発の本数が7-8時台あわせて4本に留まる点が、始発的としては「貧弱」という要因もあるだろう。

中央線の賃料水準

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出所「見える!賃貸経営」の1R/1K/1DKの賃料データを基に筆者作成

これまでの3路線と比べて始発駅の効果が賃料から読み取りにくかったのが中央線だ。中央線は各駅停車が三鷹駅始発、快速は豊田駅・八王子駅始発が多く見られる。

三鷹駅は西側の駅と比べると確かに家賃が高いが、東側の中野~吉祥寺駅は軒並み賃料が高水準で、これだけで「始発だから賃料相場が高い」と読み取るのはやや難しい。

三鷹は新宿駅まで15分程度でアクセスできるため、このエリアでは「始発であることよりも都心に近いことの付加価値が高い」と考える方が多いという点が、賃料水準に表れていると考えられる。

一方で豊田駅・八王子駅は一定のインパクトがある。すぐ隣の日野駅より1万円近く賃料水準が高く、さらに多摩地区の代表駅である立川駅と同程度の賃料を維持している。

「始発駅インパクト」を考えるうえで大事な要素

今回の4路線のケースをまとめると、始発駅に着目したエリア選びでは、次のような点を認識しておくとよいだろう。

  • 駅の発展度合いとセットで考える
  • 始発本数や速達電車の停車状況も重要
  • 都心から近すぎる駅は効果が弱まる可能性

単に始発電車が設定されているだけでなく「そのエリアの拠点」として商業施設が発展した駅の方が付加価値は高まる。

たとえば、総武線の千葉駅や津田沼駅などがこのケースに当てはまっている。両駅とも単なる始発駅というだけでなく、千葉市・習志野市の代表駅として、駅周辺が発展している点が、賃料水準の底上げにつながっている。

始発本数や停車する電車の系統にも注意が必要だ。始発駅といっても、始発設定が少ないと効果が弱まる。さらに、速達電車の停車が少ないと利便性に劣るため、始発駅のインパクトが出にくい。今回のケースでいえば、西武池袋線保谷駅にはこの影響が出たといえる。

最後に、都心部に近すぎるエリアは始発駅の効果が弱まる。始発駅が好まれる理由は「長い通勤時間を座って過ごしたい」という点に尽きる。都心までの時間が短ければ我慢する人が増えるため、始発駅の付加価値が低下するのだ。

あくまで目安に過ぎないが、ターミナル駅まで20分以上かかると始発駅の効果が高まってくると考えられる。その点では新宿まで15分程度の中央線三鷹駅は、始発駅だからと言って賃料の底上げ効果が薄い状態となっている。

始発駅を基準にエリア選びを考える場合には、駅の発展度合いや始発駅としての利便性、都心までの所要時間などを総合的に考えるのが大切である。

執筆:伊藤 圭佑(いとう けいすけ)

伊藤 圭佑

■ 主な経歴

不動産ファンドに勤める金融ライター。証券アナリスト保有。
新卒から一貫して証券業界・運用業界に身を置き、自身も個人投資家として不動産を含むさまざまな証券投資を継続。
キャリアにおける専門性と個人投資家としての経験を生かし、経済環境の変化を踏まえた投資手法、投資に関する諸制度の紹介などの記事・コラムを多数執筆。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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