JR山手線の中ではマイナーな印象があった西日暮里駅が、大きく変貌することになりそうだ。
西日暮里駅前地区(東京都荒川区西日暮里五丁目)の市街地再開発事業について、東急不動産が事業主体として再開発を担うことが、このほど明らかになった。
山手線の外側、JR西日暮里駅と都営日暮里・舎人ライナー西日暮里駅に挟まれた約2万3000平方メートルの土地に、2030年度、地上47階建てのタワーマンションとなる住宅棟( 約 110,000 ㎡)と、地上11階建ての商業棟( 約 50,000 ㎡)の2棟が誕生する予定だ。
山手線の外側に位置する計画地(プレスリリースより)
西日暮里には、JR 山手線・京浜東北線、東京メトロ千代田線、都営日暮里・舎人ライナーの 4 路線が乗り入れる。
隣の日暮里駅からは成田空港へダイレクトでアクセス可能であり、観光地として外国人観光客からも人気の「谷根千」や上野公園、東京大学本郷キャンパスにも徒歩圏内というアクセスの良さが魅力だ。
一方で、西日暮里駅は山手線内側に名門中の名門男子校・開成中学高等学校がある以外、「何もない駅」というのが通説。鶯谷駅(台東区根岸)と並んで「山手線の要らない駅」ランキングに常に上位にランクインするなど、不名誉な称号を与えられてきた。
実際に駅周辺には老朽化したビルや木造住宅が建ち並び、雑多な印象を与えると同時に、治安や防災面が課題となっている。
東急不動産は、「こうした課題を解決し、更なる魅力を高めるため、住宅・大規模商業施設・ホール(コンベンション 施設)・事務所・文化交流施設・保育施設・屋上庭園など新旧の魅力が融合した街づくりを目指す」という。
地上にはデッキを整備して、現在徒歩で5分程度離れた場所にあるJRと舎人ライナーの両駅間のアクセスも向上させる。2025年度に解体工事に着手予定。
渋谷など城南エリアで大規模プロジェクトの実績が豊富な東急不動産が手掛ける西日暮里駅の再開発事業。完成すれば、東京の新たなランドマークとなり、山手線のマイナー駅のイメージを払拭できることに期待したい。
健美家編集部(協力:
(おおさきりょうこ))