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年間売上2,500万円、それでも完全撤退した理由とお金にまつわる後悔【最終回】

不動産投資の失敗例告白/ビビりチエミさん_画像 不動産投資の失敗例告白/ビビりチエミさん 著者のプロフィールを見る

2023/10/6 掲載

第1回第2回第3回の続きです。今回が最終回です。

民泊を始めて2年、協力してくださる不動産会社のおかげで部屋数は20を超え、エアビーアンドビーからどんどん予約が入るので、収入もどんどん増えました。

物件を増やすたびに、初期費用は結構かかります。ベッドやソファー、布団などの備品はほとんどをリサイクルショップで集めていました。毎回数万以上購入しますが、目利きはできるのでリセールバリューのいいものを選んで買ってました。

念願の現金は増えていました。毎日、毎日お金は入ってきます。毎月ではなく毎日です。この感覚が、私の金銭感覚を狂わせました。明日も明後日も今後もずっとこの状態は続いていくと思ってました。

ゲストともかなりの頻度で食事や飲みに行くようになり、交際費も高額になりました。この頃、車が壊れてしまい、新車を購入しました。「ゲストの気持ちを理解したい」ともともと好きだった旅行の回数も増えました。

リネンや新しい部屋のオープン準備の品など、常に荷物が多かったので、住宅ローンの上限までパンパンに使って、広い自宅を購入しました。

民泊用の物件も購入しました。いつものお世話になっている不動産会社の人から自宅から徒歩3分の1Kの区分マンションをすすめられ、380万でキャッシュで購入しました。

(断ると、今後いい物件を流してもらえなくなるかも、、、という気持ちもありました)

ここに書いただけでも、結構な金額になるのがわかると思います。この頃、民泊からの売上げは年間2,500万円を超えていました。我が家の民泊バブル絶頂期でした。

■新規参入の増加で予約が激減。民泊からの撤退を決意

ところがその数か月後、主要駅から離れている物件の予約があまり入らなくなってきました。理由は明確です。「民泊は儲かる」と知った人たちがどんどん参入してきたからです。

好立地の物件は、それほど変化はありませんでした。問題は、駅から離れている物件です。「月1、2回の予約が入るかどうか」で利益がゼロという物件が出てきました。

固定費がかかるので、何軒かは解約しました。2年未満で退去になった物件は短期違約金を支払いました。支払った違約金は合計100万円を超えました。今度は撤退で忙しくなりました。

立地のいい物件を15部屋ほど残したことで利益は出ていましたが、確実に右肩下がりでした。「悪い流れ」になっていることをビシビシと感じました。

1棟丸ごと借り上げていたアパートの近くに、同じようにアパート民泊を始める人が出始めました。ライバルがバスの送迎を始めると、この物件の売り上げが50%も落ちました。

この頃、ターミナル駅徒歩2分のビルが2億で売りに出ていました。この物件を民泊にできたら絶対に勝てる!でも、絶対に買えない。だってフリーローンでさえ「20万」の私なんだから・・・。

そして1年後、このビルは改修されて、「民泊ホテル」になりました。知り合いの不動産会社の人と一緒に見学させてもらうと、私が「自分ならこうする」と思っていたファミリー向けの造りになっていて、とても悔しかったです。

この2億のビルは、こんなに素晴らしい。ゲストの需要をわかっている。何より、立地がいい。どう考えても、自分に勝てる見込みはありませんでした。

私の物件の多くは転貸で、値下げできる範囲も限られます。この物件と私の物件の両方を見たゲストのうち、私の物件を選んでくれるゲストがいるとは思えませんでした。自問自答しました。

・立地がいい物件でも価格競争になってきたとき、勝ち残れるのか?
・資本力がある法人や資産家が入ってきたら、勝負できるのか?
・この悪い流れを止められるか?
・ほとんどが外国人に依存している今の売り上げ、それでいいのか?

自分の答えは、すべて「NO」でした。遠くないうちに街中の物件も資本力がある人に食われて終わりがくるだろうと思い、私は全ての民泊事業を撤退することに決めました。

「利益が出ている物件だけでも残そうか」とは全く思いませんでした。悪い空気の流れに抵抗できると思えなかったし、やめる時は中途半端ではなく、全部やめたいタイプなのです。

私が撤退を決めた時、市場には「今から参入しよう」とする人が溢れていました。そのため、家具家電はほとんどが購入時よりも高値で売れました(リセールバリューが高い物を選んで買っていました)。

購入した1Kの区分物件も民泊はやめて、通常の賃貸のお客さんに入っていただきました。表面利回りは13%くらい。遠回りしましたが、ようやく念願の大家さんになることができました(笑)

■私が今から民泊を始めるなら

民泊で儲かっていた頃、散財しまくっていました。確定申告の時に経費の数字を見たら、笑えるくらいの金額を使っていました。「現金、余裕で貯めれたやん!!」と過去の自分に言ってやりたいです。

民泊をやっていた数年間で、多くのトラブルを経験しました。「なんとかする力」「影響の範囲内での行動力」「発想力」など、色々な力をつけることができましたし、書ききれないほどの教訓も得ました。

最近、民泊ブームがまた加熱しているように感じます。私がまた民泊を始めるなら、日本人、外国人の両方が泊まりたくなるような物件を目指すと思います。

・海から近いサーフスポットまですぐの物件
・大きめの露天風呂にみんなで入れる
・川遊びができる
・日本独自の体験ができる(日本家屋)

大変なこともいっぱいあると思いますが、「こんな民泊ならまたやってみたいなぁ~」なんて、楽しい妄想が膨らみます。

■民泊の売り上げがあったから、念願の大家になれた!

それにしてもあの時に節約してお金を貯めていたら、どのくらい溜まっていたのか?それを頭金にしたら、どのくらい物件を買えていたのか?と悔やまれますが、過ぎたことは仕方ありません。

それに、全てのお金を使い切ったわけではありません。私は民泊で得たお金(そして積み上げた確定申告の書類)で、1K の区分マンションの他に、戸建やアパートも買うことができました。

現在は北九州エリアをメインに、戸建て5戸とアパート3棟を所有しています。アパートを買う際には、念願の融資を受けることもできました。

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壁画が特徴的なビビちえさんの物件

まとめると、民泊はトラブルも多く、最後はじり貧で撤退したけれど、面白くてやりがいもありました。チャレンジして本当によかったです。同時に、いい時期に撤退して良かったな、とも思っています。

私の経験が、皆様のお役に立てば嬉しいです。

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※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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プロフィール

ビビりチエミさん

ビビりチエミさんびびりちえみ

物販&不動産賃貸業

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経歴
  • □2011年
    不動産投資を始めたいが融資がつかず、資金作りの為にせどりと輸入ビジネスを開始

    ワンルームマンションを借りて民泊1戸目をスタート

    順調に民泊物件を増やす

    民泊の数が20戸を超える
    売上は2,500万円に

    民泊用の区分マンションを380万円で購入

    □2017年
    競合が増えて売上が激減
    2017年3月25日の予約を最後に民泊から撤退
    区分マンションは通常賃貸に

    □2018年12月
    不動産賃貸業を本格的に開始
    初めての築古戸建を購入

    現金で築古戸建を買い進める

    融資を使い古い一棟物件を購入、再生
    ※物件には壁画を入れている

    □2023年
    北九州近郊で築古戸建5戸とアパート3棟を運営中

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