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民泊に向く物件と向かない物件。「一棟丸ごと民泊アパート」で近隣トラブルを回避【第2回】

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2023/10/4 掲載

昨日の第一回の続きです。

私の民泊1戸目となるワンルーム物件は、主要駅から徒歩15分の好立地にありました。残置物ありのまま借りたので使えるものは使いつつ、それでも大部分は処分。初期投資を抑えるために最低限の備品を用意して募集を始めました。

競合がいなかったせいもあり、予約は順調に入り、その後もコンスタントに実績が積みあがっていきました。スムーズな出足でした。

1戸目の物件がうまくいったので、次は格安の区分マンションを購入し、民泊で貸し出すという事を始めてみました。この時には少し事業の実績もできていたので、ローンを組むことができました。自分たちからすると2戸目の民泊です。

DIY作業中の民泊2つ目の部屋

主要駅から徒歩40分、バス停から徒歩5分と旅行客には敬遠されるかと思いましたが、安く貸し出したためか、意外と借り手がいました。安いので長期の方が多かったです。

■「外国人がうろうろしている」とクレームが入り始める

ところが、ここで問題が起きます。2戸目のマンションは実需の人が多いため、外国人が出歩いていることに違和感を持った近隣住民から、管理会社と管理組合に苦情が入ったのです。

特に悪さをしているワケではないのですが、「外国人が居住アパートでうろうろしている」「知らない外国人から話しかけられた」「夜遅くに出入りして非常識」などのクレームが多発しました。

管理規約には「民泊禁止」というルールは定められていません。しかし、近隣の住民の拒否反応が強かったため、ここは撤退することにしました。「実需向けのマンションでの民泊は難しい」とわかったため、この物件はDIYでキレイにした後で売却しました。

少し話が飛びますが、現在、民泊は消防の許可、近隣への認知、各種申請など、ルールが明確に定められています。しかし、当時は違いました。私が民泊を始めた2014年には、法的なルールがまだ存在しませんでした。

いわゆる全てグレイの状態です。まだ「民泊」という言葉もあまり使われていなかったように思います。私は行動しながら考える性格です。禁止されていないならやってみよう、と物件を増やしていきました。

しかし、次第に複数の物件で住民からのクレームが入るようになり、私自身も管理会社から事情を聞かれたりしました。宿泊者も良い気持ちではなかったと思います。

結局、クレームがあった物件は解約しました。日本人は自分の生活環境に外国人が入ってくることへの抵抗がとても強いです。この時にそれを実感しました。

■「一棟丸ごと民泊アパート」にすることでクレームを回避

それでも私は、民泊を辞めるつもりはありませんでした。クレームをなくすにはどうしたらいいか?と考えた結果、戸建てか、1棟丸ごとの民泊物件を始めるしかないと思いました。その方が宿泊者も安心して滞在できますし、管理もしやすいはずです。

買えるかどうかは別にして、全空のアパートを探して見ると、一部屋を除いてすべて空室というアパートを見つけました。この一部屋は県外在住のオーナーが出張時に泊まる部屋とのこと。リフォームが長引いて繁忙期を過ぎてしまったのが空室の原因だったようです。

そこで不動産会社に連絡をして、「空いている部屋をまとめて借りて、民泊で使いたい」旨を伝えると、大家さんが興味を持ってくれて、面談して決めるという事になりました。

当日、ちょっと小太りの大家さんと面談。最初は少し威圧的な印象でしたが、最終的には「女性で頑張る人は応援するよ!」と言って下さいました。

調子に乗った私は、「オーナーが利用中の部屋も貸してほしい。どうせなら1棟丸ごと借りたい!!!」と伝えました。オーナーは驚いた顔をしつつ、笑って快諾してくれました。

1棟丸ごと民泊アパートに

このアパートについては、近隣の戸建て住民の方にもあらかじめご挨拶にまわり、仲良くなることができました。そして、「何かあったら私に直接連絡をください」と伝えました。ゲストにも、「何かあったら1番に私に連絡してくださいね」と伝えました。

それでも、警察からたまに連絡が入るようなこともありました。ゲストが、「お酒を飲んで迷子になって帰れない」「落とし物をしたがどうしたらいい?」といったことで交番に相談して、それが私のところに回ってくるのです。

そんなこともありつつも、クレームのあった一部の区分マンションを解約したことで、管理はがぜん、やりやすくなりました。

■「自分の影響の範囲」を意識すること

ここでの学びは、「自分の影響の範囲」を意識するということです。外部からのクレームはどうすることもできません。それを追うのではなく、自分のできることをして、問題を解決することができました。

当時は管理ツールや委託などもなかったため、莫大な量のゲストとのメッセージのやり取り、全部屋の清掃(仕事が終わって夜中清掃作業)、リネンの洗濯等、本当に忙しい毎日でした。自宅の一部屋はほぼリネン室状態でした(笑)

あんなに頑張れたのは、いい波に乗っている感覚があったからです。毎日凄い作業量でしたが、それに見合う収入も稼げていました。宿泊人数にもよりますが、利益は一部屋平均で10万~/月。チェックアウトの日は予約を閉じていたため、稼働率は50%くらいだったのですが、それでも十分に黒字です。

私が稼げた理由は、英語という参入障壁や、まだ法整備がされていなかったために、ほとんどの人が興味はあっても何もしなかった中で、思い切って踏み出したからだと思います。

1棟丸ごと民泊物件になったアパートの室内

ちなみにこの1棟物件を貸してくれたオーナーさんは、私にとって最初の大家さんの先輩であり、師匠でもあります。最初こそ威圧的だったのですが、その後はとても仲良くなりました。何度もお茶をして、何時間も話をして、意見交換をして、ありがたいことに素晴らしい関係が築けました。

私が不動産投資を始めたいのに融資が付かなかったとき、「今できること(=やること)」として、立てた目標は3つありました。

・現金をつくること
・不動産関係の知り合いをつくること
・不動産の知識を付けること

いつの間にかこの時点で、「不動産関係の知り合いをつくること」をクリアしていました。そして、現金も順調に貯まっていきました。

しかし、順調に規模拡大を続けるうちに、主に外国人ゲストとの間でトラブルも増えてきました。自分の常識が吹き飛ぶようなゲストのふるまいに、当時は随分と悩みました。次回は、その時の苦労話や私がとった対策等をお伝えします。

明日の第3回へ続く

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※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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プロフィール

ビビりチエミさん

ビビりチエミさんびびりちえみ

物販&不動産賃貸業

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経歴
  • □2011年
    不動産投資を始めたいが融資がつかず、資金作りの為にせどりと輸入ビジネスを開始

    ワンルームマンションを借りて民泊1戸目をスタート

    順調に民泊物件を増やす

    民泊の数が20戸を超える
    売上は2,500万円に

    民泊用の区分マンションを380万円で購入

    □2017年
    競合が増えて売上が激減
    2017年3月25日の予約を最後に民泊から撤退
    区分マンションは通常賃貸に

    □2018年12月
    不動産賃貸業を本格的に開始
    初めての築古戸建を購入

    現金で築古戸建を買い進める

    融資を使い古い一棟物件を購入、再生
    ※物件には壁画を入れている

    □2023年
    北九州近郊で築古戸建5戸とアパート3棟を運営中

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