戸建ての運営は手間がかからず楽チンと言います。確かに8年前に購入した戸建では、一度だけ給湯器の故障の連絡があっただけで、それ以外に連絡があったことはありません。遠方にあって連絡が来ない物件は、最寄駅名を忘れてしまう事もあります…
そんな感じで、ほとんどの物件ではほとんど連絡がありません。しかし、残念ながらそうでない物件もあります。そして、トラブルが起きる時期というのは、ある程度決まっています。
その多くは入居から一ヶ月以内。設備の使い方がわからなかったり、施工不良があったり、修繕がきちんとできていなかったり、そんな内容が中心です。連絡をもらったら急いで対応します。
入居の期間に関係なく起きるトラブルもあります。漏水です。物件数が増えてきてからは、常にどこかの物件の漏水対応をしている気がします…。というわけで、今回は漏水の体験について書きたいと思います。
■ 水道管の種類について
ワタシの所有物件で、使ったことがある水道管を例にしてみます。
1)架橋ポリエチレン管
新築戸建を建てた時や、ユニットバスを新規で導入する時等に使われたりすることが多いです。
鋼管が漏水したので架橋ポリエチレン管にて交換修理
2)塩ビ管
こちらも、漏水した時などに露出配管をしてもらう時に使ったりしました。
洗濯機置き場を作るために塩ビ管で露出配管
3)鋼管
築古物件では、鋼管が使われているものが多いです。築40年以上で空き家の場合、たいてい腐食している為に折れやすく、水栓器具を交換する時に何度も折って漏水しました…。もう触るのも嫌なので業者さんに作業をお願いしますが、業者さんも嫌がります。
右側の給水側が鋼管、左側の給湯側が銅管
4)鉛管
ワタシの所有している一番古い物件で使われていました。漏水していたので塩ビ管に交換しました。
引き直す前の鉛管
■ 漏水パターン
1)地中の漏水
以前のコラムでも書いたことがありますが、ボロボロな状態の物件を瑕疵担保免責で購入後に、漏水箇所を探したことがあります。
参照:築古物件のインフラチェックはお早めに。漏水箇所の特定にまつわる水道業者とのやりとり
この物件は、水道メータから水道管が地中を通り、物件内に引き込まれていました。地中にあった漏水箇所を業者さんが見つけて、直してくれました。
また、他の物件で、水道メータの定期検診がきっかけで漏水が発覚したという事もありました。入居者さんから電話があり、話を聞くと、「 水道メータ検診の方から、多分、わずかに漏水している可能性があると言われました!」と言います。
長い目でみれば、「 大事にならずに漏水を早期発見出来た 」ということで、指摘はありがたいのですが、のんびりしている時に連絡をもらうと、「 わずか?多分?だったら余計なことを言うなよ(怒)」と思ってしまいます。
懇意の水道屋さんに連絡したところ、「 少しの漏水なら修理代の方が高いよ!」と言われました。そうだよね~と思いながら、「 ワタシが貸している物件なんです 」と伝えると、「 じゃあ、やらないとね 」などと言って、地中漏水を特定して直してくれました。
この方はとても優秀で、これまでにも音聴棒を使って漏水箇所を特定したり、目視で濡れている土を見つけてスコップで掘って漏水箇所を見つけてくれたりしました。腕が良くとても助かっています。
余談ですが、他の業者さんで、「 コンクリート下が怪しい 」と言ってコンクリートを壊して確認をしたのに漏水が見つからなかったり、「 漏水は洗面所の下だよ 」と自信をもって床を開口したのに、間違いだったりしたことがあります。
技術力の差が大きいです。
ちなみに地中漏水して一度直した物件で、数年後に別の箇所から再び地中漏水をしたケースがあります。古い鋼管だと結局腐食するので、一カ所がダメなら他も時間の問題と考えた方がいいかもしれません。
漏水の度に見つけて直すよりも、水道メータから新しい菅を引き直した方が、長い目でみたら安いかもしれないですね。
2)水栓器具からの水漏れ
水栓器具の漏れは、入居中に突然起こることは少ない気がします。今までの経験から言うと、再生後のチェック不足に起因すると思います。
ワタシの経験では、入居後すぐにシンク下の排水から漏水したり、パッキンの交換を忘れていて、腐食により漏れていたりという事もありました。この時は水道屋さんに部品を交換してもらいました。
3)キッチン後ろの壁の配管からの漏水
キッチンの後ろの壁の鋼管からの水漏れが、入居中に起こることがあります。入居者さんから突然、「 急に壁から水が漏れ出してきました!」と、動画が送られて来てびっくりしたこともありました。
部屋が水浸しになり、入居者さんの家財も濡らすという事態にもなりましたが、家財の補償をする火災保険水濡れに入っていた為、助かりました。原因は不明ですが、おそらく腐食かと思われます。
他にも、築古の物件ではキッチンの水栓器具を交換する事が多いですが、交換時に鋼管を折ってしまって漏水するというのも何度か経験しました。水道管を折ってしまうと、勢いよく水が出てくるのでとても焦ります(汗)
4)水道業者の施工不良
業者さんのリフォームが終わり、引き渡し後に通水すると、プシューと壁内の鋼管から水が出てきたことがあります。お恥ずかしいですが、この時は水道業者を名乗る素人に施工をお願いしたことが原因でした。
自称「 指定業者 」なのですが、水道器具の締め付けも出来ず、チェックもしない。おかげで表装のリフォーム後に壁内で漏水が起きるという悲しい出来事が起こりました。恥ずかしい過去が甦ってきました。機会があれば書こうと思います。
5)洗濯機パンのパッキンの関係
以前DIYで洗濯機パンを設置していた時に、パッキンを取り付けるのを、うっかり忘れていて階下に漏水しました。部品を余らせて組み立てて良いわけがないですね。DIYを辞めようと思いました。
6)水道管引き直し
ワタシは築100年以上の物件も所有しています。テナント貸しだったのですが、買った時点で漏水が判明していたのと、水道管の口径を太くしたかったので、水道管の引き直しをしました。
リフォーム前だったので、床を開口して、水道メータから引き直す工事を行いました。30万円くらいでしたが、営業中に床を開口して修理をすればもっとかかったと思います。最初に工事を終えられてよかったです。
■ まとめ
実は、このコラムを書いている現在も、漏水案件3つを抱えています。解決してコラムに出来る様に頑張りたいと思いますw。そういえば、電気・ガス・水道のインフラの中では、水にまつわるトラブルが多いです。
漏水・雨漏り・床上浸水…。もしかして、「 水運 」がないのでしょうか?
戸建ては管理が必要ないとは言いますが、戸数が増えてくると一定の確率で漏水が起きる気がします。といいながらも、全体から見れば一部ですので、水道管や器具を全部交換してしまうと、過剰なリフォームになるかと思います。
築古物件は何かと壊れやすいけれど、管理会社を入れれば大丈夫、という話を聞きますが、管理会社は一次対応をしてくれるだけです。結局、どのように直すのかは自己判断をしなければなりません。
「 戸建は管理がいらないから楽チン 」という言葉が一人歩きしている気がしています。戸数を増やしていくという事は、トラブルの確率も増えていくという事を忘れてはいけないと思います。
理想的には、入居前に問題点を発見・解決し、入居者に迷惑がかからないようにしたいところです。私の漏水トラブルの一部を紹介しました。皆さんが築古物件を維持していく際の参考になれば幸いです。