皆様、こんにちは。 札幌を中心に不動産賃貸や売買をはじめ、ホテル事業、esports事業、レーシングチームの運営、介護事業、輸入車販売と複数の事業を行っている佐藤元春です。 今回から健美家コラムで連載をさせて頂きます。どうぞよろしくお願いします。
改めて自己紹介をさせていただきます。大学卒業後、塾講師として7年間勤務しました。しかし、「 スーパーカーに乗る 」という幼少期からの目標には、学習塾でトップに立っても届かないと感じはじめ、そこで給与とは別に大きな収入を生み出す方法を考えました。
辿り着いたのが、不動産賃貸業。25歳から勉強を始め、2001年26歳の時に区分所有マンションを競売で落札し、不動産賃貸業を開始しました。その後、徐々に規模を拡大し「 雇用を創出し社会貢献したい 」という想いから、新規事業へ乗り出し今に至ります。
本コラムでは、不動産事業のことをベースに、不動産を経営するにあたって必要となる「 大切な要素 」を自分の実体験に基づいて皆様にお伝えします。特にこれから不動産を始める方や、始めて間もない人たちに読んでいただければと思います。
( 経営するスーパーカーカフェにて )
■ なぜ、不動産か?
不動産投資を始めたきっかけは、給与だけでは自分のやりたいことや目標を達成できないと感じ、別の収入を作りたかったことにあります。丁度、近しい人が先に興味を持っていたため、一緒にチャレンジすることにしました。( この頃の話は
「 大家列伝 」で詳しく話しています )
参照:
ゼロから家賃5億円!スーパーカーを愛する佐藤元春さん
「 衣食住 」の、「 住 」の部分である不動産を学べば、将来的に他の事業を始めた時にも活かせると思いました。始めた当時は、お金も知識もありませんでしたが、自分より知識のある人が身近にいて、勉強する環境はよかったと思います。
■ 本を読むより、人に会いに行くべし
25歳くらいから勉強し始めましたが、当時は投資本や情報商材がほとんどありませんでした。実は、「 金持ち父さん 貧乏父さん 」を過去に一度も読んだことがありません。
唯一、当時読んでいたのは沢孝史さんと藤山勇司さんの本で、20回以上読み込みました。藤山さんにはお会いしたことがないので、機会があればぜひお話したいです。
ちなみに、最近は献本をいただくことが多いのですが、目次を見て興味ある所を中心に読むようにしています。本は全て読む必要はなく、本から何か一つでも吸収出来たらいいと考えています。
また、本を読むことも大切ですが、私は人に会いに行くことを重視します。特に始めた当初は、サラリーマンの休日を利用して、北海道中を周りました。札幌を中心に、函館、帯広、小樽、苫小牧、旭川にはよく遠征して地元の不動産会社巡りをしました。
大学生みたいな見た目の人間がアポイントを取って、「 不動産を買いたいんですが… 」と札幌から訪ねてきたのが珍しかったのでしょう。どこに行ってもかわいがってもらえました。
■ 初期の自己資金捻出方法
当時は、兎にも角にもお金を貯めることが必要でした。結婚して共働きだったので、一人の収入は生活費に充て、もう一人の収入は全額貯蓄に回していました。それでもお金が足りませんでした。
そこで何をしたかというと、「 どんぐり 」というパン屋さんで、大袋に入った安いクロワッサンを買い、朝・昼・晩とそれだけを食べて一日過ごしました。「 食費も何もかも削ってやるぞ! 」という覚悟で臨みました。缶コーヒー等もやめ、水分補給は水道水のみとしました。
また、大好きだった趣味の車やサーキット走行も一切やめ、仕事・不動産の勉強・節約に集中する日々を送りました。こういったことはずっとやるのは難しいのですが、1、2年限定で「 本気 」で取り組めばできると思います。
周りは遊び盛りの時でしたが、私は20代の人生を楽しむよりも、遊ぶのに有り余るほど資産を形成して、もっと大人になってから( 40歳になってから )楽しんだ方がいいと思って耐えました。当時は、合コンも友達の誘いも、忘年会も新年会も行きませんでした。
「 いまに見てろ! オレは40歳になった時に君たちとは違うステージにいるぞ! 」と言い切っていた故に、友達はいなくなりました( 笑 )。しかし、その体験があったからこそ人脈は自然と断捨離されていくものであると、20代半ばで気付くことができたと思います。
当時は、周りからも「 そこまでやるの? 」と思われるくらい節約していました。切り詰めて本当に一円単位を意識して最短でお金を貯めようとした結果、約二年で1,000万円くらい貯金できました。
最初の100万円を貯めるのが大変でしたが、通帳の残高が増えるとだんだん楽しくなってきて、節約も苦ではなくなりました。
当時は融資を使って物件を購入できるということを知らなかったので、1,000万円貯めても買える物件は限られていました。そのため、一戸目は競売で落札した100万円の区分所有マンションでした。それが私の不動産賃貸業のスタートです。
■ DIYも残置物撤去も経験した
初期の頃は、リフォームも自分でやりました。壁や床をはがして、畳を焼却場まで担いでいきました。そういう経験はたくさんしました。
平成13年頃の競売では、札幌中心地の区分マンションを表面利回り30%で落札することが容易でした。プロの不動産会社しか入札しない相場であったため、再販を前提としたプロ目線よりもちょっと高い金額で札を入れたら落札できました。
この当時は、バブル崩壊後の一番底の時代だったと思います。「 不動産は怖い。騙される。気を付けた方がよい 」。多くの人がそんな言葉を発する時代でした。そして平成14年頃から、少しずつ相場が上昇し始めました。
もちろん、仕事も非常に多忙でした。わずかな隙間時間を活用して、本業の塾講師をやりながら地道に活動した結果、「 サラリーマン給与以外で収入を得る 」という目標を達成できました。
■ 不動産を初めて今ちょうど20年目
振り返ってみると、20年という期間で様々なことを体験しました。常に新しい出会いがあり、自分自身が刺激を貰いながら動き続けた結果、今の自分があるのだと思います。
実際のところ1年間は充実しているので長く感じます。例えば、行き道は長く感じるが帰り道は短く感じるということがあると思います。それは、人間が経験していることをやると体感時間が短くなるためです。( ジャネの法則 )
「 今年一年早かったね 」や「 人生短いね 」という人は新しいチャレンジをしていない証拠です。常に新しい出会いやチャレンジをすると、1年間は濃密になり、体感時間を長くすることができます。
私には、「 あっという間 」という感覚がありません。常に新しいことをやっていると小学生に近い時間軸になります。小学生の1年間は長いですよね。未体験のことが多く、新しい体験やチャレンジをしているためです。
大人に言いたいことは、特にこれから成長する若者の前で「 1年はあっという間 」という発言はすべきではないと言うことです。大人になるとそういうものだと思わせてしまうのは、残念なこと。挑戦を続け、濃密な時間を過ごせば小学生と同じような感覚になります。
■ 不動産も他のビジネスに関しても昨今気になること
最近、中学、高校生の起業家が増えています。素晴らしいことだと思う一方で、1ヶ月とか2ヶ月の単発の売上を狙ったものが散見されるのが気になります。これはあらゆることをショートカットして、最短で成果を出そうという傾向なのではないでしょうか。
不動産事業に関しても同じことが言えます。ショートカットしたい気持ちは分かりますが、不動産とは長く付き合う必要があります。瞬間的に大きな数字を叩き出すことよりも、継続することに重きを置いた経営を考えた方がよいと思います。
若い人たちは40代、50代( もしくはそれ以上 )の経営者を軽視して、若い世代のみから知識を吸収しようとする傾向があります。それはそれで良いのですが、20~30年と継続して戦ってきた経営者や人間の言葉に耳を傾けてみると、新しい視点を得られ、新しい気付きがあるかもしれません。
本コラムを通じて、若い人たちに「 地道に継続してやり続けることの大切さ 」を伝えていきたいと思います。
大好きなスーパーカーに乗るために不動産投資を始めて20年、今では40台以上のスーパーカー&レーシングカーのオーナーになりました。そんな私の経験が参考になれば幸いです。