■管理会社に対して大家がいかに信頼を得るか
ぺんたさん
前回も申し上げた通り、私は今まで人口20万人以下で空室率が20%未満のエリアを狙ってきたんですよ。メインの宇部市は19.9%だし、去年1棟マンションを買った下松市は15%くらいです。
この前、隣の山口市で4棟一括の物件を買ったんですが、そこは17%台。山口県の中でも比較的空室率の低いところを狙ってやってきたんですが、今日パスカルさんのお話を聞くと、展開しているエリアは全部30%台がメイン。頑張っていますね!
パスカルさん
ありがとうございます。とにかく空室の中にはオーナーがちゃんと経営せずに放置プレイしている物件も含まれていますからね。ぺんたさんにしてもそうだと思うんですけど、仲介会社だって、ぺんたさんの物件だから大丈夫だと思っている部分はあると思うんですよ。
そういうふうに思ってもらえれば、管理会社もまだリフォームは終わってないけど、ここは綺麗にしてくれるとか、そういう目で見てくれますよね。
ぺんたさん
そうですね。内装に関しては、あの人なら一定の綺麗な品質は作るだろうって思ってくれていますし。もし水回りでトラブルが起こっても、迅速に解決してくれるだろうって先方は思ってくれているから、電話で報告があったらその場ですぐ指示を出します。
実は今日も相談があったんですよ。半年前に入居された方のキッチンの水道で、赤水が出るという話です。以前にも1回苦情が入ったんですが、もうしばらく使い続けたら、出なくなるかもしれないので様子を見たいと、管理会社が一旦預かっていたんです。
ところがもう1回電話が入って、赤水がもっとひどくなったそうなんです。そうしたらもう水道管を取り替えるか、新設するかの選択ですよね。そこはRCの物件なので、水道管は壁の中です。
それをハツって取り出して新設するよりも、壁に露出という形になる前提で業者さんに相談してくださいという指示を電話でパパっと出したんですよ。こんな風にすぐに解決するように心がけています。
パスカルさん
なるほど、そういう風にすれば業者さんも安心ですよね。その安心感を与えるっていうことが大事ですね。
ぺんたさん
はい。あと、業者さんに何か発注するときに、業者さんなりに下見をして、ここは替える、ここは替えないでいいっていう風に、前提を考えて見積もりを出してくれますよね。
でも実際に開けてみたら、中が腐食していてボロボロで、余計な資材とか工数がかかることはあると思うんです。だから業者さんに頼むときに、「見積もりの前提になっている条件が外れた場合、余計な材料とか工数がかかったら、追加で払いますから言ってくださいね」と伝えています。
パスカルさん
わかります。私もそういう言い方はしたことないんですが、余分にかかってしまったと言われた時は、「ありがとうございました」で支払いますね。
ぺんたさん
聞いた話ですが大家さんの中には「5万円の見積もりで発注したんだから、何があっても5万円で収めてもらわなきゃ困る」というような言い方をする人がいるそうです。そんなことをしたら次から絶対に受けてくれなくなりますよね。
パスカルさん
そういう人は周りの全てに対してそういう接し方をしているんでしょうね。管理会社であっても、他の業者であっても、入居者の要望に対してもね。
■リフォーム費用、余分にかかった事例と下げさせた事例
ぺんたさん
この前、ある部屋の2DKの間取りを1LDKに変える工事をお願いしたんですよ。そこにはコンクリートの上にクッションフロアが直貼りされているDKがあって、その隣に和室があって、それを一体化してLDKにする話だったんです。
そのDKに貼ってあるクッションフロアが1枚だったら、この見積もりの前提通りなんですが、複数枚貼ってあったら、剥がし手間がちょっとかかるかもしれないから、もし二重になっていたら、追加でお支払いしますよと声をかけていたんですよ。
工事が終わった後に業者さんに確認したら、なんとクッションフロアを4枚も重ね貼りしていたそうなんです。剥がすのがすごく大変だったと思うんですよ。だから、その産廃の処分費と剥がし手間の分を追加で払いました。
パスカルさん
そういう工事は剥がしてみないとわからないですものね。私の物件でも、予想外にかかったことは大小含めればたくさんあります。今日お見せした36世帯の全空鉄骨造物件も、資材の高騰とか、開けてみなきゃわからないこともありますからね。でもそこについては何も言う気はなくて、請求された分はきちんとお支払いしなければいけないと思っています。
ただこの前あった話なんですが、ある物件で2DKのフルリフォームで、管理会社が130万円の見積もりを持ってきたんですよ。そうしたら壁の3面が建具でクロスを貼る面積が少ない6畳の和室について、23平米という見積もりを持ってきたんですよね。
ぺんたさん
その計算はおかしいですね。
パスカルさん
管理会社の担当さんが来てくれて、目の前で壁の高さを測ったら、2.3mだったんですよ。ということは、横に10mクロス貼ってあるっていうことでしょ。「この部屋見て10mあると思う?」って担当さんに言ったら、「ないですね。」と(笑)。
それでキッチンに行ったり、他の部屋に行ったりして徹底的に検証しました。そうしたら55万円の見積もりになって返ってきました。これは、ちょっと余分にかかったというお話の逆でしたね。でも私、本来はそういうことはやりませんよ(笑)。
■雨降って地固まる。修理代1万円の外構フェンスの見積もりが42万円!
ぺんたさん
僕も管理会社が出してくる見積もりは、結構警戒しながら見ます。戸建ての外構フェンスが、台風の時に支柱から外れて、パタンと倒れたんですよ。以前コラムにも書いたことがあります。
参照→乗っけ過ぎだろ~。管理会社経由の工事見積りに感じる「無知な大家は収益源」意識
パスカルさん
支柱は立っているんですか?
ぺんたさん
立っています。また掛け直せばいいだけなので、簡単な工事だから1万円ぐらいで終わるだろうと思っていました。ところが管理会社に見積もりを依頼したら、42万円の見積もりが返ってきて、腰を抜かしたんです。
でもあまりきついことも言えないから、「その業者さんちょっとおかしいと思うから、別の業者さんに見積もりを頼んでみてもらえる?」って管理会社にお願いをしました。そうしたらそちらも33万円だったんですよ。支柱がもうダメになっているから、替えないといけないって、わけがわからないこと言うんですよ。
パスカルさん
いや、支柱は立っているし(笑)。
ぺんたさん
そう。仕方がないから、自分の知っている外構屋さんを連れて行って見せたら、1万円もらっていいですかねって言われました。本来それくらいの額が妥当なんですよ。
そこの管理マネージャーに小言を言っても埒が明かないから、専務のところに、「こんなことをやられると信用できないですよね、信頼関係にひびが入るんですけど、どう思われます?」みたいな感じで、チクチクやりました(笑)。
それから事あるごとに、その専務が飲みに行きませんかって、声をかけてくれます。おかげでいろいろ話をしやすくなりましたね。
パスカルさん
いいですね、そういう関係。雨降って地固まるという感じで、より関係が深まった感じがします。
管理会社のミスも頭ごなしに怒らずに、うまく解決していく。これが成功する大家の秘訣のように感じました。次回は明日配信です。今度はプロパンガス業者と上手く付き合っていくには、という視点でのお話です。お楽しみに!(担当:T)