皆さん、こんにちは。満室研究所所長の山岡清利です。今日は130話で紹介して好評だったキッチンリメイクの別バージョンをお教えします。
参照:シートを使ったキッチンリメイクの失敗例。ボロボロのキッチン扉をL字アングルで修繕する方法
前回はシートを使ったリメイク方法を取り上げましたが、いつもそれができるとは限りません。そこで提案したいのが、キッチンの収納扉を交換する方法です。
■ 一番先に朽ちるのは扉
水周りの家具って水を吸ってブヨブヨになり腐ってしまったり、調理油の影響で油分を含みリメイク用シートの粘着が弱くなったりする事も多いものです。
無理してシートリメイクすると、数カ月でシートが浮いて膨れてしまったり、剥がれてきたりする事もありますので、どの補修方法で行くかの見極めはとても重要です。
画像のように、水分が扉の淵から内部の木部に入りこんで内部で膨れ、化粧版の淵が裂けて来たら「 アウト 」のサイン。この状態でシートリメイクをしても、腐食して膨れた部分には粘着が効かないので、きれいに貼ることができません。
そんな場合は、扉そのものを交換しましょう。リメイクシートよりも価格は上がりますが、見た目が新品のシンクように生まれ変わります。特にファミリー向けの物件は、奥様目線で見ると綺麗で清潔感のあるキッチンは第一条件ですので、費用対効果は高いと思います。
■ 事例紹介
長年キッチン扉に水分がしみ込み、化粧板がふやけてブカブカになってしまったキッチン。恐らく、シンク部分の扉に手拭き用のタオルを掛けていたのでしょう。
その部分のダメージが酷く、調理で出た油分の影響もあり、リメイクシートの粘着性が出るか不安だったので、扉を全交換することにしました。
このキッチンは、取っ手がつまみ状で、時代を感じるタイプだったのですが、扉交換で取っ手も新しくなり、古臭い感じが一掃されました。シンク上部の収納扉のダメージは少なかったのですが、キッチン周りの統一性を重視して、上部の収納扉も交換することにしました。
また、シンクや天板、ステン部分などは、特殊清掃の「 ステンレスリニューアル研磨作業 」を行いピカピカにしたため、扉の新調とあわせて新品同様になりました。
こちらはけっこうな築年数が経った物件です。広く料理しやすいキッチンですが、至る所に傷や染みがあり、さらに樹脂製の小口( 扉周りの断面 )の割れが酷く、扉のリメイクは困難でした。
このままでは入居付けにマイナスとなるため、扉を全交換。画像ではブラックに見えますが、実際にはウォールナットの横木目柄( 鏡面仕上げ )です。ステンレスの長めの取っ手をオーダーし、新品同様になりました。
こちらは汚部屋状態だった物件のキッチン。ペットの糞尿と謎の液体の染み込みで、シンク側の扉がアウトでした。元はシンク側は赤色で、収納側は木目というバランスのよくない組み合わせでした。
今回、全ての扉を交換して白色に統一しました。取っ手はでっぱりのない「 ライン取っ手 」をオーダー。シンプルで清潔感溢れる清々しいキッチンに生まれ変わりました。
ここで紹介した部屋は、どれもリフォーム後にすぐに申し込みを頂きました。新品同様のレベルまで復活させたキッチンは、ファミリー物件では特に有効な空室対策となります。もちろん、単身者でもキレイな方が好まれるのは言うまでもありません。
■ 意外と交換は簡単♪
交換する方法ですが、私はネットの業者さんを利用しています。「 キッチン 扉交換 」などと検索すれば見つかると思います。
交換の手順は①物件のキッチン扉を全て取り外す、②専用の申し込み用紙と一緒に業者さんに送る、とシンプルです。しばらくすると、指定した色や柄の扉が送られてくるので、あとは物件に行って設置すれば完了です♪
取っ手や蝶番、包丁立てなどの各パーツは自分で取りつける事になりますが、ドライバー1本で可能ですので、難しくはないと思います。注意点としては、意外と納期が掛かるので、リフォームスタートと同時に扉の手配をするくらいでないと、完成のタイミングに間に合わなくなるので注意しましょう。
■ まとめ
いかがでしたか? 賃貸物件のキッチンって、使い方が荒いのか、掃除しないのかは謎ですが、究極に汚れている事が多いですよね。キッチンは早々に壊れる設備ではないので、少しずつダメージが蓄積されていき、原状回復のお荷物になる事もよくあります。
現場で扉がブカブカやボロボロになったキッチンを見て、「 これではシートリメイクは不可能。キッチンを丸まる交換するしかない( 泣 ) 」と落胆した大家さんもたくさんいると思います。
もちろん、汎用キッチンを使えば安い物もあるので、あまりにひどい場合は取り換えるのもアリだと思います。しかし、水道・ガス業者さんの手配や人工代もかかりますし、床材や壁紙との突合せ部分の処理も、どうおさめるか考える必要があります。
そうなんです。キッチン本体を交換すると、そこにプラスして、水道工事+ガス工事+壁紙工事+床工事+キッチンパネル工事+各部コーキングという風に、付属する工事が色々と必要になるのです。
つまり、見えない費用が意外と掛かってしまうのですね。一方、扉交換なら、そうした付帯工事は必要ありません。しかも、自分一人でできます。
まとめると、傷んだキッチンは、シートリメイク・扉交換・本体交換の3つから、一番「 収益性が良くなる方法 」を選択して原状回復するのがよいですね。それでは、次回もお楽しみに(^O^)/