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競売物件は現金支払い?実は、競売でも融資は可能。その手順と必要書類について。

収益物件購入・売却/競売 ニュース

2018/05/24 配信

定期的に競売セミナーを開催し、競売の相談を日々受けている。
時々、受講生から「競売物件でも融資を受けることができますか?」という問合せを受ける。

結果、競売でも金融機関の審査が通れば、融資は可能である。しかし、通常の不動産売買と競売の融資では異なるポイントがある。

このポイントを把握しなければ、融資を受けることができず、多額の金額を支払う可能性もある。そのため、競売で融資する際のポイントを説明する。

一番重要な事は、通常の不動産売買の融資では「ローン特約」をつけることができ、万が一、融資審査がNGなら売買契約を破棄することができるということ。

しかし、競売では「ローン特約」という制度はない。入札して開札の結果、1番手で落札した人は融資の審査がNGでも代金納付期限までに代金を納付する必要がある。

次に重要な事は、競売と融資のスケジュールを把握し、代金納付期限を把握すること。

1番手で落札した人は、融資審査の進捗状況に関わらず、代金納付期限までに代金を納付する必要があると先に述べた。

もし、納付できなければ、入札時に支払った保証金は入札者へ返還されず、裁判所に没収される。

保証金とは、不動産鑑定士がその競売物件を評価した金額(基準価額)の2割の金額である。
(この保証金を支払わないと、そもそも入札することができない)

その保証金は、開札の結果、1番手で落札できなかった入札者へ約1週間以内に返金される。1番手で落札した人には保証金が返金されず、落札金額から保証金を差し引いた残金を代金納付期限までに支払う必要がある。

以下、競売と融資のスケジュール概要を記載する。

画像1

競売物件の閲覧開始から代金納付期限までのスケジュールは約3ヶ月間である。この間に融資の手続きを進める必要がある。
吹き出しで記載している①~③がポイントであり、以下に説明する。

①金融機関相談(事前相談)
→入札の準備を進めながら、金融機関へ相談しよう。
しかし、金融機関では、この段階で落札できるかどうかわからないので、相談に応じてくれる金融機関、または、全く応じない金融機関がある。

相談に応じてくれるところが見つかれば、最初に入札しようとしている競売物件が融資対象であるか確認しよう。

金融機関では融資条件として、再建築不可や違法物件、借地物件などの物件に関しては融資対象外のところが多い。また、金融機関毎に融資条件が異なるので事前に確認しよう。

落札後に金融機関を探すとスケジュールがかなり厳しいので、入札前に融資を申込みする金融機関を決めておこう。また、金融機関が前向きに検討してくれるなら、融資に必要な書類も準備しよう。

②融資審査開始

正式な融資審査が開始できる時期は、開札時ではなく、売却許可決定時である。

開札期日に1番手で落札できることがわかっても、その時点で落札したことを証明する書類は発行されない。
そのため、金融機関には一報し、仮審査が可能かどうか確認しよう。審査が可能なら手続きしよう。

開札期日の1週間後、売却許可決定日となり、落札人は買受人に変更され、1番手で落札した方にその競売物件を購入する権利が与えられる。

その権利を証明する書類は、裁判所から発行される「売却許可決定」謄本である。

画像3

この書類と審査手続きに必要な書類を準備すれば、融資審査が開始できる。
売却許可決定日は事前に決まっているので、すぐに融資審査ができるように「売却許可決定」謄本以外の資料は事前に準備しよう。

③融資実行
融資開始から融資実行までの期間は金融機関毎に異なるが約3週間だと考えている。

注意することは、通常の不動産売買では融資実行日にその場に司法書士も立会い、不動産の担保設定の手続きも同時に行う。しかし、競売物件の場合、通常の代金納付では同時に金融機関の担保が設定できない。

そのため、競売物件を融資する際、事前に裁判所へ「民事執行法82条2項」の申出が必要である。

画像2

この書類には、金融機関が指定した司法書士の名前等が必要があり、融資実行前に裁判所へ提出する必要がある。この申出を行い、その後、融資を実行し、完了である。

競売物件で融資する際のスケジュールとポイントは以上である。

なお、代金納付期限までに融資審査が終わらない、または、審査結果がNGであるとの状況も考えられるので、万が一、融資できなくても代金の支払い可能な範囲で入札を検討すべきである。

執筆者:ドクターK

【プロフィール】
「不動産セカンドオピニオンサービス合同会社」所属。
競売コンサルタント。サラリーマン投資家。年に数十回の入札を行い、数件落札。
競売をやりたい初心者向けに毎月競売セミナーを開催し、競売のノウハウを伝授。
執筆活動も行い、著書「はじめての競売」に一部寄稿。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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