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深刻化する空き家問題。専用ローンの商品化や幅広い活用事例により、課題の解決が今後は進む?

賃貸経営/空家・遊休地活用 ニュース

2023/08/30 配信

年々増え続けている全国の空き家
さまざまなソリューションが登場

国による「住宅・土地統計調査」は、国内の住宅とそこに居住する世帯の状況や世帯の保有する土地等の実態を把握し、その現状と推移を明らかにすることを目的に、1948年から5年ごとに実施されている。

2018年の前回調査では、総住宅数6240万7000戸に対して空き家数は848万9000戸、空き家率は過去最高の13.6%にのぼったことがわかった。それから5年後、日本の総人口は減少傾向にあることから、今年の調査結果ではさらなる空き家率の上昇が明らかになると予測されている。

増加の一途をたどる国内の空き家。家屋の倒壊やごみの不法投棄などさまざまな課題を抱えており、活用法が模索されている。画像はイメージ。
増加の一途をたどる国内の空き家。家屋の倒壊やごみの不法投棄などさまざまな課題を抱えており、活用法が模索されている。画像はイメージ。

空き家の増加に伴い、課題解決に向けた取り組みは加速している。そのひとつが、空き家活用株式会社による空き家を対象にしたローン『アキカツローン』だ。

同社は空き家所有者、地域、事業者、自治体をつなぐマッチングプラットフォームを運営しているが、信販大手の株式会社オリエントコーポレーション(オリコ)と協業し、今年3月に『アキカツローン』を商品化した。

同商品は空き家の購入資金だけではなく、リフォーム資金や解体資金など、空き家に係る幅広い資金ニーズに対応する無担保消費性ローンで、利用金額は1000万円、利用期間は15年の長さを実現している。金利は2~5%台で、保証人・金利以外の手数料は不要だ。

『アキカツローン』の運用フロー図。アキカツが空き家と購入希望者をつなぎ、オリコが事前審査のうえローンを保証、地銀など金融機関が融資を実行する。 出所:プレスリリース
『アキカツローン』の運用フロー図。アキカツが空き家と購入希望者をつなぎ、オリコが事前審査のうえローンを保証、地銀など金融機関が融資を実行する。
出所:プレスリリース

ローン商品の販売に関するUI設計は、オリコが2021年7月から提携するクラウドローン株式会社による、個人ローンと金融機関を結び付ける金融プラットフォーム「クラウドローン」を活用。

個人ローンの検討者がサービス上で借入希望条件などを登録すると、提携している金融機関から商品案内が届き、融資を申し込むことができる。

空き家の購入希望者は増えているが、築古の空き家は住宅ローンなどが適用されにくく、現金購入となるケースが多い。資金の課題があり断念する人は少なくないが、『アキカツローン』はこういった課題を解消する狙いがある。

『アキカツローン』は個人が対象の商品で、収益物件の購入には使えない。これまでに142件(2023年8月15日現在)の申し込みがあった。

いずれに自宅やセカンドハウスなど、実需の購入に充てられている。ただし、空き家活用株式会社によると、「今後は事業用についても検討している」という。実現すれば、空き家を活用した賃貸経営の流れが加速するかもしれない。

空き家所有者の意識は高まり
活用事例も増えている

空き家所有者の課題意識も高まるばかりだ。中古住宅買取再生事業を手掛ける株式会社カチタスの「第3回 空き家所有者に関する全国動向調査(2023年)」によると、次のようなことがわかっている。

・回答者の約6割が、空き家の相続について家族と対話している
・相続登記器義務化を知っていると答えた人は役割と過去最高
・空き家所有者の多くは60代以降のシニア層で、売却意向ももっとも高い
・20~30代は賃貸として貸し出すことを検討する人が最多

ここから推測できるのは、空き家所有者の多くはみずから使うもではなく、売却・賃貸を通じた第三者による活用を考えているということ。

シニア層であれば売却した資金を老後の暮らしに充てたいかもしれないし、使わない家屋を断捨離したい気持ちも働くだろう。そう考えると、自治体や民間などによる空き家のマッチングサービスは、ますます活発になっていくかもしれない。

空き家を購入・リノベーションして自宅として使うことに加えて、近年はシェアハウスや店舗、グループホームやデイサービス、老人ホームなど、高齢者向けの施設に使うケースも増えてきた。

株式会社ジェクトワンでは、空き家を借り受け全額費用負担でリノベーションを行い一定期間転貸する『アキサポ』というサービスを展開していて、手軽・低コストで空き家を活用したオーナーにとって使い勝手に優れる。

同サービスではこれまで、名古屋市の築60年以上の木造かわらぶき2階建ての空き家を再生し、グループホームとして活用した事例もある。

空き家に関するインフラが充実してきたことで、購入・賃貸しやすくなった今日。すでに所有している、あるいはこれから購入したいという人にとって、いろんなプランを練れるではないだろうか。うまく活用することで賃貸経営の幅が広がり、地域課題の解消に貢献できるかもしれない。

健美家編集部(協力:大正谷成晴(おしょうだにしげはる))

大正谷成晴

■ 主な経歴

フリーランスの編集・ライター。
不動産投資、株式投資、投資信託、FXなどマネー関連、ビジネス全般、働き方、副業、クレジットカード、医療・介護など、幅広いジャンルで取材・執筆を行っている。

■ 主な著書

  • 『決定版 1万円からはじめるFX超入門』(かんき出版)

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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