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税率差に注目!高所得者ほどメリットが増すJ-REITと、今さら聞けない「イデコ」と「ニーサ」 の仕組み

不動産投資全般/Jリート・小口化商品 ニュース

2021/05/04 配信

今回は、いよいよJ-REIT投資を始めようとする投資家に向けて、J-REIT最大のメリットである税金の取扱いを解説しよう。

J-REITの税率は約20%

まず、J-REITは上場株式と同じく「申告分離課税制度」の対象である。

同制度下におけるJ-REITの分配金や譲渡益に課せられる税率は、投資家の所得にかかわらず20.315%(所得税15.315%+住民税5%)だ。

他方、個人の大家業で得た不動産所得は「総合課税」の対象であり、その所得税率は次の表に示すようにどんどん上昇していく。

出所:国税庁HP
出所:国税庁HP

また、これとは別に住民税が一律10%かかるため、上記の所得税率に10%を上乗せした合計税率を考える必要がある。

すると、所得金額が330万円未満なら合計税率20%とJ-REIT投資とほぼ同じ水準だが、330万円以上の場合は合計税率が30%となり、税負担が一気に増えることが分かる。

所得金額が900万円以上まで大家業が成長すると、合計税率は実に43%だ。
(注)実際にはこれに社会保険料が上乗せされるため、実質的な負担はもっと大きい。

このように、大家業が一定の規模まで成長すると、所得税・住民税率が高くなる結果、新たな不動産を購入した場合に得られる追加的なリターンがどんどん下がっていく。

対照的に「申告分離課税制度」下でのJ-REITの税率は前述のとおり20.315%だ。どんなに所得が増えても20.315%で一定である。

不動産投資家を目指す読者の方々は、税金対策上、J-REIT投資を含む有価証券投資の手法を学んでいくことが重要である。

節税効果の高い2つの制度

税金対策としてまず行うべきはiDeCo(イデコ)とNISA(ニーサ)だ。

これらの用語を聞いてピンとこなかった方は、非常に損をしている。J-REIT投資を始めるのを機に、いますぐイデコとニーサを始めよう。

iDeCo(イデコ)とは?

イデコとは「個人型確定拠出年金」という、毎月一定額の資金を積み立てて、有価証券に投資する制度の愛称だ。個人の専業大家であれば、月68,000円(年816,000円)までを積み立てることができる。

イデコの最大のメリットは、積立額を所得から控除して、税金を削減できる点だ。

たとえば、所得金額が900万円以上の専業大家が最大額の年816,000円を積み立てると、816,000円×43%=350,880円の税金を削減することができる。これは、816,000円の価値を持つ有価証券を、816,000円-350,880円=465,120円で購入できることを意味する。

すなわち、投資するだけで(816,000円-465,120円)÷465,120円=75.4%の高利回りを得られる大変お得な制度である。35万円あれば、家族でかなり豪華な食事をしたり、旅行に行くこともできるだろう。

イデコで購入できる有価証券は、国内外の株式、債券、不動産(REIT)などの指数を参照するインデックスファンドだ。J-REITに投資したければ東証REIT指数に連動するファンドなどを選ぶこととなる。分散投資の観点からは、外国REITや外国株式など、海外資産を対象とするインデックスファンドに投資するのもよいだろう。

NISA(ニーサ)とは?

次に、ニーサとは「少額投資非課税制度」という、一定額までの有価証券投資について税金を非課税にする制度の愛称だ。

ニーサには「一般NISA」と「つみたてNISA」という2つの種類があるが、いずれも有価証券からの配当金や譲渡益が非課税となることがメリットだ。ここでは一般NISAのみを説明しよう。

一般NISAでは、年間120万円までの有価証券を非課税枠として購入した後、5年間保有できる。毎年120万円の枠を使い切れば、最大で600万円まで非課税となる。

出所:一般社団法人投資信託協会HP
出所:一般社団法人投資信託協会HP

投資できる有価証券は、上場株式、投資信託、上場投資信託(ETF)、J-REITなど幅広い。

ここでは、通常NISAの具体的な効果を示すため、分配金利回り5%のJ-REIT銘柄を120万円購入することを考えてみよう。

このJ-REITを普通に購入すると、分配金が120万円×5%=6万円発生し、その20.315%に相当する12,189円の税金が発生する。しかし、これを通常NISAで購入すると非課税となり、12,189円の節税となる。

また、このJ-REITを普通に購入した後、140万円で売却したとすると、譲渡益20万円の20.315%に相当する40,630円の税金が発生する。しかし、これを通常NISAで購入すれば譲渡益にも税金がかからない。

ニーサの効果はイデコには劣るが、活用しない手はない魅力的な制度である。ぜひ活用しよう。

イデコやニーサを活用した後は、J-REITを普通に購入することとなる。次回はJ-REITを購入する際の証券会社の選び方を解説する。

執筆:石井くるみ(いしいくるみ)

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【プロフィール】
早稲田大学政治経済学部卒業後、(公財)消費者教育支援センター研究員、法律事務所勤務を経て日本橋くるみ行政書士事務所を開設。不動産・金融規制に関する知見を活かした新規事業開発のアドバイスを得意とし、国土交通省の有識者会議『不動産特定共同事業(FTK)の多様な活用手法検討会』の委員を務める。
主な著書に『民泊のすべて』(2017年度日本不動産学会・著作賞を受賞)。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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