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博多に全部持っていかれた!? かつて九州一栄えた北九州市、復権目指して国内外の投資を誘致

都市計画・再開発(地域情報)/福岡/九州・沖縄 ニュース

2024/03/08 配信

破竹の勢いで発展を続け、国内外から熱い注目を浴びる福岡県福岡市。人口も増加の一途で、2024年2月現在は164万人超。文句なしの九州ナンバーワン都市である。

工場が煙を上げる北九州の街並み(写真AC)
工場が煙を上げる北九州の街並み(写真AC)

一方、明治時代から高度経済成長期の終わる1970年代まで九州最大の人口を擁し隆盛を誇ったのは、北九州だった。

鉄鋼の街として栄えたかつての九州最大都市の現在はしかし、地元の人々が「全部博多に持っていかれた」と嘆くほど、福岡市と大きく水をあけられてしまっている。

復権を目指す北九州市のポテンシャルを探る。

関門海峡に面した福岡県北部の玄関口・北九州市の産業発展の歴史は、江戸時代の炭鉱開発にまで遡る。明治期に入って麻生太吉ら筑豊の炭鉱王が手腕を発揮し、北九州地区は日本最大の産炭地となった。

本州と九州をつなぐ関門橋。北九州はまさに九州の玄関口だ(筆者撮影)
本州と九州をつなぐ関門橋。北九州はまさに九州の玄関口だ(筆者撮影)

1901年、官営八幡製鐵所が開業してからは「鉄鋼の街」として発展し、日本の高度経済成長を支えてきた。

北九州エリアは九州のみならず国内有数の大都市圏として人口増加を続け、1963年に八幡市、小倉市、門司市など5市が合併して誕生した北九州市の人口は102万人超で、九州初の100万都市となった。

今でも福岡市に次ぐ九州第2位の人口規模を誇るが、1979年の約106万人をピークに人口減少が続き、2004年にはついに100万人を割り込んでしまった。2024年2月現在は約94万5千人。「人口100万人復活」は就任2年目の武内和久市長が公約に掲げるほどの悲願となっている。

その武内市長は2023年2月の就任以来、「北九州ポテンシャルを呼び醒ませ!」を合言葉に、大規模な予算を組んで企業誘致に取り組んできた。

博多同様にアジアに近い地理的な優位性に加えて、豊富な水源や、九州で唯一24時間利用可能な北九州空港(※福岡空港は発着が午前7時から午後10時までに制限される「門限問題」を抱えている)を有していることが大きなポテンシャルだというのだ。

北九州市のターミナル駅「JR小倉駅」はのぞみの停車駅でもあり、東京・名古屋・大阪・広島までのアクセスも抜群だ。

「のぞみ」も停まるJR小倉駅(筆者撮影)
「のぞみ」も停まるJR小倉駅(筆者撮影)

2024年2月20日に開いた武内市長の就任一周年の記者会見では、この一年間の企業誘致が88件で、投資額は2565億円に及ぶことを明らかにした。

大きな話題となったのは、昨夏発表されたアメリカの不動産投資・開発のアジア・パシフィック・ランド(APL)グループによる大規模データセンターの建設(投資額は1250億円)だが、今年に入ってからも素材メーカーのAGCによる新工場建設(150億円)なども明らかになっている。

台湾の半導体メーカー力晶積成電子製造(PSMC)の誘致競争こそ宮城県に敗れてしまったが、今後の誘致重点分野に半導体、次世代自動車、物流を挙げ、2024年度は1000億円の投資を呼び込むことを目標に掲げた。

北九州市は、若者や外国人の移住支援にも力を注いでいる。官民挙げて様々なPRが奏効したのか、昨年末に放送された日本テレビの特番「妄想移住ランキング」では、2024年に移住すべき市町村の1位に選ばれた。

番組では、「小倉から博多まで新幹線で約15分、北九州空港から羽田空港まで約90分」「ソウルまで飛行機で85分」といった交通アクセスの良さに加えて、九州第二位の大都会の割に家賃などの生活コストが低いことが評価されていた。

2024年2月6日の当サイトで発表された2023年下半期 政令指定都市 住宅系収益不動産「高利回りランキング」でも、北九州市が区分マンションで初めて利回り1位(15.89%)となった。不動産投資家にとっても、大きなポテンシャルを秘めている街と言えるのではないだろうか。

すでに大注目を浴びている福岡市や熊本だけでなく、ぜひ福岡第二の都市・北九州にも注目していただきたい。

健美家編集部(協力:大崎良子(おおさきりょうこ))

大崎良子

■ 主な経歴

全国紙、大手デベロッパー勤務を経て、不動産ライターに転身。
三代続く不動産投資好き。地方都市の一棟アパートや山林投資を主戦場にしてきた親世代と異なり、都心の区分マンションを中心に投資を続けている。
アメリカを中心に海外不動産にも造詣が深い。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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