再開発エリア「うめきた2期」に関西最高額のタワマン
愛車を部屋へ搬入可能 周辺は商業施設、オフィスなども
大阪で、超高額なマンションの開発が次々と発表されている。最近話題となったのは、JR大阪駅北側で再開発計画「うめきた2期」(グラングリーン大阪)で建設しているタワーマンション。
最上階の1部屋が、関西のタワマンで最高額の25億円となる見込みだ。このほかにも、大阪では、数億円~10億円の高額マンションが、相次ぎ販売されている。再開発が進み、エリアの価値がどんどん高まっていることの証明であるといえ、不動産投資家にとっても、大阪の今後の住宅事情を占う上で大いに参考になる。
最上階の一部屋が25億円であるタワーマンションの概要が明らかになったのは10月のことだ。積水ハウスなどが発表した。
タワーマンションの名称は「グラングリーン大阪 THE NORTH RESIDENCE(ザ ノースレジデンス)」(大阪市北区)。
46階建てで総戸数は484戸。2024年2月から販売が始まり、完成は25年12月下旬、引き渡しは26年3月下旬からの予定となっている。販売の対象は236戸で、専有面積は約46平方メートル~約305平方メートルとなっている。
25億円の部屋は最上階の46階にあり、広さは約305平方メートルだ。まるで高級ホテルのような雰囲気で、隣接するグラングリーン大阪の大型都市公園を一望できる絶好のロケーションを誇る。
先ほど述べたように、25億円という価格は、関西のマンションで最高価格になる。購入層として想定されているのは、当然のことながら富裕層で、すでに購入を検討する動きもみられるという。
このタワマンが望むグラングリーン大阪は、JR大阪駅と隣接し、大阪の「最後の一等地」といわれている。先行まちびらきが2024年9月に予定される。オフィスビル、マンション、商業施設、ホテルなどのほか、大型の都市公園もオープンし、巨大な人の流れが集中することが考えられる。周辺も含め、住宅の購入や賃貸の需要が大いに高まるエリアだ。
このタワマンは、都市公園を中心としたグラングリーン大阪を眼下に見下ろすロケーションにあるのが特長だ。
ユニークなのは、専用のエレベーターで室内までマイカーを運び込める住戸もあることだ。積水ハウスなどは「愛車専用の防音室のような空間をつくりあげ、ご自宅のリビングで愛車を眺めながら至高のひと時を過ごすことができます」とする。
さらには、停電時に棟内で電力を融通しあう最新システムも導入するといった特長もある。
グラングリーン大阪周辺エリアでは、地価の上昇も始まっている。紹介したタワマンが象徴する居住需要のポテンシャルを踏まえ、投資戦略を練ってもいいだろう。
屈指の繁華街に3億円マンション ファミリー層意識
阪急で関空や新大阪と結ぶ利便性高いエリアに
一方、大阪市内でも指折りの歓楽街として知られる十三でも、高級タワマンの販売が予定されている。
名称は「ジオタワー大阪十三」(大阪市淀川区)で、手掛けるのは阪急阪神不動産。地上39階建てで、総戸数712戸。1戸当たり40平方メートル台~160平方メートル台となっており、販売は24年1月から始める。引き渡しは26年4月からだ。価格は4000万円台~3億円超となる。
建物には図書館や保育所、スーパーなどが入り、このエリアにはあまりないファミリー向けの物件となる。
このマンションがあるのは、阪急電鉄十三駅の近くだ。阪急の京都、神戸、宝塚の3路線が乗り入れる「結節点」となっている。これに加えて、阪急は、関西空港と十三を結ぶ「なにわ筋連絡線」、新大阪とつなぐ「新大阪連絡線」の2路線も開業させる計画だ。
居住エリアとしてますます注目されるのは間違いなく、不動産投資家も賃貸戦略を展開する場所としては非常に良いといえるだろう。
億ションが続々登場 堂島、中之島など
今後も相次ぐマンション計画 不動産投資戦略のヒントに
このほか、大阪市の高額マンションを拾い上げていくと、21年11月に発売された「ブリリアタワー堂島」(大阪市北区)は10億8000万円。高級ホテルと一体になったマンションで、24年1月の完成予定だ。
一方、今年8月に販売をスタートした「シエリアタワー中之島」(大阪市福島区)は、最高価格が4億3999万円となった。
大阪で今後も、マンションの開発がいろいろ計画されている。こうしたマンション価格の動向をにらみながら、大阪周辺で賢く投資戦略を練ってはどうだろうか。
取材・文:
(おだぎりたかし)