• 完全無料の健美家の売却査定で、できるだけ速く・高く売却

×

  • 収益物件掲載募集
  • 不動産投資セミナー掲載募集

電話とメールよりSNS!外国人の夜逃げはアカウントを把握して本国の親類に連絡!【第2回】

大家対談/ソーリムウーハー×谷浩さん_画像 大家対談/ソーリムウーハー×谷浩さん 著者のプロフィールを見る

2023/10/18 掲載

健美家コラムニストの谷浩さんと埼玉県でサラリーマン大家をしているソーリムウーハーさんによる、外国人入居者について考える対談の第2回です。前回はアフターコロナで日本に戻りつつある外国人には、口座を開きづらかったり口座を持つ文化がなかったりする、というお話でした。引き続き伺ってまいりましょう。

■外国人が家賃を払えない理由

ソーリムさん
外国人には日本人にはない、口座を開くためのハードルの問題が結構あるんですね。保証会社はその辺は対策してくれているんですか?

谷浩さん
金融機関の口座を家賃引き落とし口座として、なるべく早く紐付けようとする努力は、どの家賃保証会社も努力はしているはずです。ただ金融機関との提携レベルとなると、また、どの保証会社もできていないのではないのかな、という印象です。

銀行は多分資金洗浄の問題があるから、金融庁などが絡むんで、アライアンスを組むのはかなり難しいはずなんですよ。だからちょっと難しいのかな。何か良い手段があるといいんですけどね。

ソーリムさん
銀行口座を作れなくても、電子マネーや電子決済などでストックしておくとか、そういう家賃回収ができればいいですね。

あと家賃を払わない理由って、もちろんお金がなくて払えないっていうのもあると思うんですけど、払い方が分からなくて払えないとか、払う手段がなくて払えないとか、そういうのもあるんじゃないですか?

谷浩さん
それはまさにおっしゃる通りで、払い方が分からない、というのは絶対ありますね。だから手集金が一番機能するんですよ。

例えば家賃が30日締めだったら払えないと言われるパターンがあります。家賃は基本的に末日付で翌月分を支払うじゃないですか。でも、例えば彼らの給料日が毎月10日だったら、払えなくて10日滞納になってしまう。

手集金の場合、その人の給料日が何日なのか聞いておけば、給料を手集金で回収していくことができる。そういう人間的なやりとりもあって機能するんですよ。例えば、GTNさんなど、そうやって外国人に対し、家賃支払日をある程度幅を持たせて個別に対応している家賃保証会社もあると聞いています。

僕も一時期やっていたことがあるんですけど、あなた家族とか、大丈夫?とか彼らの生活状況を聞いてあげて、困っていることがあったら対処してあげるんです。

あとは子供。途上国の人って、私の印象だと、良くも悪くもあんまり家族計画をしっかりしてないんです(笑)。だからどんどん増えていくんですよ。仕方がないから、草刈りのバイトでもやる?みたいな感じで仕事を紹介したりしていました。

■外国人には一箇所に集住する傾向がある

ソーリムさん
夜逃げする人が多い印象の国ってどこかありますか?

谷浩さん
日本人を含めて特に国籍問わずですかね、きちんと測っていませんが、日本人と外国人の夜逃げ率は、少なくとも私の物件だと変わらない印象ですね。ただ、私の場合、スリランカの話は何かと出てきます。

僕の部屋数は今108戸あるんですが、そのうちの25~30世帯が主に外国人。さらにそのうちの20世帯がスリランカ人です。

ソーリムさん
スリランカ人が結構な数占めていますね。

谷浩さん
実は僕のポートフォリオがちょっと偏っていて、これじゃ外国人の専門家というより、なんだかスリランカ人の専門家みたいに見えますね(笑)。

これには理由があって、最近はベトナム人に抜かれたんですが、私の物件は栃木県足利市の部屋数が多いのですが、足利市在住の外国人では、スリランカ人が一番多かったんです。

外国人はある都市に集住する傾向があるんです。要はコミュニティができるんです。例えば東京だと高田馬場はミャンマー人、蕨市だと中国人やトルコの少数民族クルド人とか。日系ブラジル人だと浜松市や美濃加茂市、群馬の大泉町が有名です。

僕の物件がある群馬県館林市は、ロヒンギャっていうミャンマーのムスリムの少数民族で、ミャンマーで差別されている人たちが集住していて、そこには大体2~300人が住んでいます。館林市には、モスクも2つありますかね。

とにかく、足利市にはスリランカ人がすごく多いんです。ソーリムさんが湖西市にご縁があったように、僕は足利市にご縁があって、それでポートフォリオがスリランカ人だらけになりました(笑)。

ソーリムさん
やっぱり夜逃げした人って、国に帰っちゃうんですかね?

谷浩さん
そこは割と謎な部分で、国に帰った人もいるし、そうじゃない人もいるかな。オーバーステイになって、地下に潜っちゃう人もいるんじゃないでしょうか。

あとは難民になっちゃうとか。難民って言うのは難民に認定されるわけじゃなくて、難民に申請中って体裁で、3ヶ月ごとにビザを更新するんです。難民は日本だとほとんど認定されないんですよね。

■電話とメールは使われない!SNSを連絡手段として活用

ソーリムさん
彼らは住むところもなかなかないだろうし、他の名義で借りた仲間のところに住むんでしょうか?

谷浩さん
ソーリムさんがおっしゃっていたように、一つの部屋でたくさんの人が住んでいたって話があるじゃないですか。外国人に部屋を貸すと転貸してしまうのもよくあることなのですが、要はそういうことなんだと思うんですよね。そういう有象無象の輩が入るっていうことはあります。

ソーリムさん
どうすればいいんですかね、こういうのって。よろしくはない状況ですよね。

谷浩さん
そうですね。今の状態はよくはなくて、まずは契約の中でその事項を説明するというのは、必要かなと思いますね。僕は最初それが全然できてなかったから、ひどい目に会ったんですけど。

先ほど話したGTNって会社も、携帯電話の提供から運転免許ローンまで、在留外国人向けの色々なサービスをやっています。ただ、もともとは外国人専門の家賃を保証する会社なんですよ。

ソーリムさん
保証会社と思えばよいんですね。

谷浩さん
そうですね。この会社で家賃保証料を払うと自動的に生活サポートが付帯します。最近、管理会社が月1,000円取って24時間サポートするみたいなサービスがありますよね。あれの外国人向けのサービスが付いてくるってイメージです。

ソーリムさん
外国人向けに具体的にはどんなことやってくれるんですか?

谷浩さん
一通り何でもやります。しかも24言語対応。彼らがすごいのは、普通の家賃保証会社だと電話とメールくらいしか把握しないんですけど、今の日本の若者と同じく、最近の在留外国人は使わないんですよね。だから彼らはSNSのアカウントを全部把握するんですよ。

ベトナム人だったらFacebookMessenger、スリランカ人だったらViber、全部把握しています。あと彼らは必ず本国の親とか親類に保証の際に連絡とって連絡先を把握する。だから夜逃げしてもそこまで連絡が行く。本当に行くそうです。

各種SNSを調べて、本国の親類に連絡をしている。

各種SNSを調べて、本国の親類に連絡をしている。

ソーリムさん
そういうのがあるんだったら、結構安心できるかもなあ。

谷浩さん
そこまで遡られると、彼らもファミリーの文化で生きているから、プライドが傷つくということで、効果あるらしいですね。

ソーリムさん
それだとだいぶ外国人入居のハードルが下がりますね。

■定期的に入居者に介入して修繕リスクを下げていく

谷浩さん
そうですね。唯一問題があるとすれば、原状回復かな。プランにもよりますが、家賃の何ヶ月分かは保証してくれますが、それ以上は自己負担になります。

ソーリムさん
やっぱりその金額だと、例えば全く掃除しないで暮らされた後で、修繕費も踏み倒される場合、ちょっと損しちゃうじゃないですか。そういうのって、何か良い対策はないでしょうか。

谷浩さん
これは難しいところで、何回かGTNとか管理会社さんに定期的に介入させるということがまず一つありますね。

ソーリムさん
どういう形で介入をさせるんですか?

谷浩さん
例えば何となく多人数入居になっている場合、多人数入居を注意する。契約書読みました?契約守ってないですよね、親に言いますよって注意する。そういう介入です。

ソーリムさんが入居者に渡す「お約束チェックシート」。ルビもふってあってわかりやすい。

ソーリムさんが入居者に渡す「お約束チェックシート」。ルビもふってあってわかりやすい。 

谷浩さん
あとはさっきソーリムさんがおっしゃったことですが、ベトナム人とかスリランカ人っていうのは、掃除をしない部分があるんですね。それは一面で正しい。

例えばゴミを捨てた場合、ゴミを拾いに来る人がいるから、その人たちの仕事を奪っちゃうから掃除をしないとか。

ソーリムさん
やっぱりそうなんですね。

谷浩さん
もう一つあるのは、単身の男子が集まれば、部屋の中がひどくなるでしょ。女子も同じで、生理用品をその場にぽいって捨てたりとか、荒れるんですよ。これは、外国人だろうが日本人だろうが、基本的には一緒です。

外国人もいろいろだから、少しクラスを選ぶことも対策としてはあるかもしれません。あとはいい入居者からの紹介を選ぶとか。そしてかなりベターな選択肢としては、ファミリーですね。私の経験上、子どももいるせいか、綺麗にちゃんと使ってくれます。

二人の白熱対談はまだまだ続きます!

二人の白熱対談はまだまだ続きます!

(編集後記)
家賃滞納対策としてもSNSを駆使する時代になったのですね。でもそんな時代にも入居者との直接の対話は必要なようです。次回は明日掲載です。お楽しみに!(担当:T)

 

無料会員登録

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

アクセスランキング

  • 今日
  • 週間
  • 月間

プロフィール

ソーリムウーハーさん

ソーリムウーハーさんそーりむうーはー

DIY系サラリーマン大家
埼玉県在住
宅地建物取引士
不動産管理会社勤務の妻と、「世界一の金持ち」を目指す息子(11歳)、の3人家族

プロフィールの詳細を見る

経歴
  • □1975年
    東京都練馬区に生まれる。

    □2009年
    2社の超ブラック企業(時給300円台)を経て、まともな大手IT企業に転職

    □2011年
    肉を食べるのをやめる

    □2014年
    目標だった『営業全国トップ』を達成!次の目標を『トニースタークの家みたいな豪邸を建てる!』に設定する

    お金の本を読み漁り『不動産投資』にたどり着く

    □2015年
    宅地建物取引士を取得

    □2016年
    静岡『1棟目アパート(8戸)』を購入

    □2017年
    退去修繕の見積もり額を見て絶句。やむを得ずDIYリフォームを開始

    電動工具の魅力に取り憑かれる。クリスマスイブにアパートの1部屋が火災で全焼

    □2018年
    静岡『2棟目アパート(4戸)』を購入

    □2020年
    茨城『9万円ボロ戸建』と『隣の空き地』を購入
    埼玉『崖の上の傾き戸建』『元寿司屋』を購入

    息子がガチャガチャビジネスを開始

    □2022年
    埼玉『元喫茶店』を購入

    □2024年
    6棟16室 家賃年収 960万円(満室時)

    「危険な工具を使わなくても、大工作業はできる!」ことを証明するために、『安全DIY宣言』を発信しながら、あらゆるDIYリフォームを実践中!

    『安全DIY宣言』
    ・危険な工具は使いません
    ・高所での作業はしません
    ・安全具なしで作業しません

閉じる

プロフィール

谷浩さん

谷浩さんたにひろし

神奈川県・栃木県在住
外国人賃貸大家の会代表
約25世帯の外国人を受入

プロフィールの詳細を見る

経歴
  • □197X年

    東京都生まれ、3人兄弟の末っ子として、ぬくぬくと育つ

    □199X年

    1年浪人した後、北関東のとある大学に入学。寮のぼろさとバスの運賃が距離に応じて変わること、方言が全く理解できないことにカルチャーショックを受ける

    □200X年(20代前半)

    外資系コンピュータメーカーにSEとして就職。外資なので外国人と働くのかとおもいきや、先輩上司の80%が関西人。突っ込まれキャラとなる。世間知らずのため苦労するが、何故か偉い人とお姉さまに可愛がられる

    □200X年(20代後半)

    体調を崩し同社を退社。留学でもしようかと思っていたが、知り合いのプロジェクトを手伝うように依頼を受け、イスラエル製ソフトウェアの日本総代理店立ち上げ業務をフリーランスで受ける

    □200X年(30代前半)

    会社の本業が傾いたため、クビを切られる。フリーで仕事をする難しさを知り、同時に海外関連の仕事をしたかったため、サラリーマンに戻る

    海外関連の仕事をする予定が、なぜか当時立ち上がったiPhoneアプリを作ってくれという依頼を受ける。新規事業で人が足りなく、企画、マーケティング、営業、開発プロジェクトマネージャ等々面倒くさいことすべてを引き受けてしまう

    □200X年

    担当したアプリがApp Storeの年間売上ランキング1位に輝くが、本人も会社もその価値に全く気が付かず…(今で言うと、パズドラなどと同じポジション)

    同時に、アジア圏のスマホサービスの立ち上げ、構築に携わる。会社で亜流の仕事を引き受けてばかりいたため、いつしか“イロモノ担当”の評価を受ける

    □2013年(30代後半)

    とある金融セミナーにて、33才ですでにセミリタイアしている人に出会い衝撃を受ける。その人が不動産投資を行っていたことから、大家業に興味をもつ

    □2014年

    宇都宮市にマンション一棟を購入、大家業開始、いきなり毎月40万円の持ち出しとなり、貯金が激減して落ち込む

    不動産賃貸業界が「マーケティング」をほとんどやっていないことに衝撃を覚える。IT業界で学んだマーケティングを賃貸経営に生かし、無事に満室へ。

    足利市にマンション一棟を購入、同市は空室率30%以上にも関わらず、外国人が住居を見つけるのにとても難儀している状況を知り、衝撃を受ける。

    □2015年

    体調を崩したことを期に、会社勤めが向いていないことをサラリーマン15年目でようやく気が付く。外国人によりよい住まいを提供するため、サラリーマンを卒業し、起業を決意する

    □2021年

    外国人だけでなく、独居老人・障害者・シングルマザーの方々など、住まいを見つけるのに苦労している方々が入居者に多かったため、その生活課題や環境を理解するため、YMCA社会福祉専門学校に通い卒業する。

    □2021年

    大家さんの立場で外国人入居を積極的に取り組んでいる人がレアだということを認識し、外国人賃貸大家の会を設立する

閉じる

ページの
トップへ