• 完全無料の健美家の売却査定で、できるだけ速く・高く売却

×

  • 収益物件掲載募集
  • 不動産投資セミナー掲載募集

問い合わせ殺到!2日で完成する50平米550万の3Dプリンター住宅。賃貸住宅や今後の計画は?

収益物件購入・売却/その他 ニュース

2023/11/24 配信

建築費が高騰し、職人不足が深刻化するなか10㎡330万、50㎡550万円の3Dプリンター住宅が登場し、話題を集めている。それも10㎡は23時間12分で、50㎡は44時間30分で完成したというから驚く。そこで3Dプリンター住宅の設計・販売を手掛ける、セレンディクス株式会社のCTO 緒方 海斗氏を取材した。

緒方氏によると、2022年に24時間以内に10㎡の家を創るチャレンジをしたところ、見事23時間12分で完成した。このことをプレスリリースにして国内で配信すると、世界26ケ国、59の媒体に取り上げられ、これまでに 8000件以上の問い合わせが入っている。

6棟限定販売の「serendix10」の販売を開始すると応募が殺到し、即日完売した。健美家ニュースでも今年8月、「serendix50」が44時間30分で完成したニュースを取り上げたところ多くのアクセス数があり、投資家からの関心も高い。

なぜこのようなことが実現可能となったのか? 今後、賃貸住宅のモデルが登場するような計画はあるのかなど詳しく話を聞いた。

69271-1
日本初となる二人世帯向け3Dプリンター住宅 「serendix50(フジツボモデル)」

EV自動車の開発に成功した「連続起業家」による次なる挑戦

同社が注目を集めているのは、圧倒的な安さと施工の速さだ。実は創業者には連続して新事業を立ち上げ軌道に乗せた経験がある。

「当社の代表の小間はEV自動車の会社を作り、最終的な時価総額1500億円を超えました。次なるプロジェクトとして、世界最先端の家を創ることで人類を豊かにすることをヴィジョンに当社を創業しました。自動車産業のノウハウを応用することで建築コストを300~500万といった安さに落とし込んでいます」

通常、家は3000~5000万の建築費がかかり、1棟あたり半年ほど建築に時間がかかる。そうなると当然、人件費も高額に。そのため同社ではロボットを動かすことで施工時間の短縮により大幅なコストカットを可能にした。

「当社が作っているのはただの3Dプリンター住宅ではなく、家のなかに入ったときに直感的に未来を感じられる住まいです。最先端のIOT住宅(インターネットやAIで家電などを操作可能)にセキュリティ、環境への配慮にも余念がありません。

いまの日本で家を買うには、30年を超える住宅ローンを組み、完済年齢は平均73歳と長期に及びます。家が持てる人はまだ恵まれており、日本人の4割が一生、住宅を所有できません。この現状を打破したいとの思いが根底にあります。住まいを変えることで、自由な人生を送れる世の中にすることが我々のミッションです」

飲料水よりも安い「コンクリート」を用い、法定耐用年数は47年

LL_img_373578_2
上が10㎡の「serendix10」。下が50㎡の「serendix50」

さまざまなメーカーが3Dプリンター住宅の開発を手掛けているが、その多くは施工期間に半年ほど時間がかかり、価格は一般住宅と比べて30%ぐらいしか下げられていない。

「世界の3Dプリンター住宅は、既存住宅の延長線上で、垂直な壁に屋根が載っている形状が多いのですが、当社は屋根まで一体成型にすることで施工時間を短縮し、価格は従来の10分の1にしています。屋根に角度をつけると、途中で倒壊のリスクが高くなり、当社の形状は世界で一番難しいといわれています」

パーツの組み立ては3時間ほどで終わるそうだが、防水塗装のために足場を組むことに時間を要する。さらに注目はその安さである。

「水より安いコンクリートを用いており、製造原価は販売価格の10%以下です。それでいて耐震性に優れ、RC造のコンクリート住宅と同じく法定耐用年数は47年です」

3Dプリンターさえあれば、ボタン1つで家が作れると勘違いされていることが多いというが、3Dプリンター住宅を実現するには、素材の研究やデジタルデータ作成の技術や、プリント後、設置する場所に運ぶ移送技術など、7つの基幹技術が求められる。

「当社は3Dプリンター住宅は自社で施工は行いません。出力や施工は世界中の3Dプリンターを持つ会社や施工会社に依頼しています。現在、232社を超える企業と協力し、研究開発体制を組んでいます」

10㎡のモデルを作る際には、日本国内に3Dの家が作れる技術者が一人もおらず、3Dプリンターの知見に強い、ヨーロッパや中国のチーム、アメリカの意匠設計チーム、日本の耐震設計チームと共同で開発した。こうして多方面での技術を結集して、3Dプリンター住宅の実現にたどりついている。

次は70㎡に挑戦。2025年大阪万博に出展し世界にアピール!

「serendix10」は、これからマイホームを購入する20~30代をメインターゲットに見据えていた。ところが実際に問い合わせで多かったのは、意外にも60代以上のシニア層だった。

LL_img_359371_1
長野県佐久市で完成した、商用第1号の「serendix10」。整骨院の個人施術向けスペースとして使用予定

「シニア層では、住宅ローンの完済後に、リフォームに多額の資金が必要になったり、賃貸派では60代を超えると部屋を借りるにも貸し渋りがあったり、住む家がないとの理由から強い興味を持たれました。シニア層の夫婦二人で暮らせる広い家を作ってほしいとのニーズから、慶応義塾大学との共同プロジェクトで50㎡のモデルを開発しました」

次はさらに広い70㎡のデータ開発を進めている。

また考慮しなければならいのは、どこに設置するかだ。土地は住む人が自力で確保しなくてはならない。都心であれば土地が高額になるため同社では「政令指定都市である地方都市から90分以内」の場所を勧めている。

「例えば福岡から90分ほど離れた大分に弊社の研究所があるのですが、100㎡20万円で土地の取得が可能です。このような安価で、自然環境が豊かな場所で、街づくりを進めていきたいと考えています」

最近ではクレジットカード決済で購入できるようになり、災害や火災などに対する「住宅補償」を付ける可能になるなど新たなエコシステムを構築中。2025年の大阪万博に出展を目指し、世界にアピールしていく考えだ。

現時点では賃貸住宅や集合住宅のモデルの販売計画はないが、3Dプリンター住宅が急速に広がる可能性は否めない。投資家にとっては、安く購入して、高く貸せる可能性もあり、投資対象として興味深いことだろう。

※取材協力:セレンディクス株式会社
3Dプリンターの設計、販売を行う

健美家編集部(協力:高橋洋子(たかはしようこ))

高橋洋子

https://yo-coo.wixsite.com/home

■ 主な経歴

暮らしのジャーナリスト。ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、情報誌などの編集を経てライターに。価値0円と査定された空き家をリノベーションし、安くマイホームを購入した経験から、おトクなマネー情報の研究に目覚め、FP資格を取得。住宅、マネー関連の執筆活動を行う。

■ 主な著書

  • 『家を買う前に考えたい! リノベーション』(すばる舎)
  • 『100万円からの空き家投資術』(WAVE出版)
  • 『最新保険業界の動向とカラクリがよ~くわかる本』(秀和システム)など

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

アクセスランキング

  • 今日
  • 週間
  • 月間

不動産投資ニュースのライターさんを募集します。詳しくはこちら


ニュースリリースについて

編集部宛てのニュースリリースは、以下のメールアドレスで受け付けています。
press@kenbiya.com
※ 送付いただいたニュースリリースに関しては、取材や掲載を保証するものではございません。あらかじめご了承ください。

最新の不動産投資ニュース

ページの
トップへ