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アフターコロナで空き店舗が再開の狼煙。店舗不動産の特徴、消費者から支持されれば立地・利便性に関係なく収益を生み出す。

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2023/06/13 配信

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緊急事態宣言下では、地下街の店舗などはシャッター街と化していた(写真はイメージ)

新型コロナウイルス感染症は2020年2月頃から騒がれ始めて、あれよ、あれよという間に世界中に拡散され、日本は緊急事態宣言を出して〝外出禁止令〟の発出で街は閑散とした。緊急事態宣言下では、飲食店や宿泊事業者を直撃。営業時間やお酒の提供などに制限が課された。

なかには夫婦二人で経営しているような家族経営店は、営業自粛に伴う自治体からの協力金バブル、濡れ手で粟状態もあったが、従業員を抱える会社組織の多くの店舗は店をたたむか、規模を縮小するなどに追い込まれた。

この3年間で街の店舗の入れ替わりが激しいのを実感した人も少なくないだろう。「あれ、この間まで〇△チェーンの蕎麦屋だったのに、○×◇の居酒屋だったのに違うお店なっている」という状態が珍しくなかった。店が入れ替わっているならまだしも、シャッターが下りてしまって賃貸物件として稼働していない状態が目立った。

中小企業庁が3年に1度実施している「商店街実態調査」(令和4年4月公表、同年10月更新)によると、商店街の平均空き店舗率は13.59%となり、平成30年の前回調査13.77%より空き店舗率が若干減少している。

コロナ前よりもコロナ禍のほうが空き店舗率が減少している背景について、協力金バブルの恩恵を受けたとする店主は、「自治体からの協力金やゼロゼロ融資などの支援策が効いていたからだ」と語る。

また、別の複数の当事者らは、「政府が昨年夏以降からインバウンド解禁など社会経済活動の正常化に政策の舵を切ったことも空き店舗率の縮小に反映される」と話す。同調査は昨年10月に更新している。

自治体の補助金など活用して開業

とはいえ、同調査では、空き店舗の今後の見通しについて、「増加する」(49.9%)とおよそ半数を占めている。パートやアルバイトなどの専従事務職員が0人の商店街は74.1%に上っている。世の中は人手不足とされるが、働き手が集まらない現状も窺える。

このような中でもシャッター街が復活の狼煙を上げる地域も増えている。東京の地下街でシャッター街化していたエリアで新たな店舗が開業ラッシュである。

これまで空き店舗を使って弁当を販売していた区画や、そもそもシャッターが閉まっていた区画を改装して日本料理、イタリアン料理、中華料理などが開業し、小スペースでは角打ちやバーなど一杯飲み屋的な店も新たに開業している。言ってみれば、これまで収益を上げていなかったスペースがキャッシュを生むようになっている。

コロナ前の生活に戻りつつある中で、空き店舗が新たな収益を生み出す可能性も出できた。各自治体の支援策も欠かせない。東京都では空き店舗ポータルサイト「TOKYO空き店舗ナビ」を開設しているほか、空き店舗モデル事業として、地域での操業支援や地域ブランドのPR、物件の全国各地との連携なども進めており、3000万円を限度額に空き店舗活用で4分の3以内を補助する。

首都圏を中心に空き家活用事業「アキサポ」を展開するジェクトワン(東京都渋谷区)では、神奈川県横須賀市の「創業チャレンジ拠点整備支援補助金」を活用して空き店舗となっていた元クリーニング店をシェアキッチンとして蘇らせて今年4月下旬から「アキサポキッチン」として開業を始めた。

飲食店開業の初期費用や運営費用を抑えて店をオープンできることを目指したものだ。すでにプロ仕様の用具や設備を備えたキッチンになっており、イートインスペースも完備している。

同社では原則3カ月以上、曜日単位での契約となるため、これから新たに店舗を持ちたい人にとってテストマーケティングにもつながるとみている。「特定空き家」認定寸前の空き家についても、東京都品川区南大井で所有者の廃業・相続に伴い約20年空き家として放置状態にあった木造2階建ての物件を美容室としてオープンさせた。

店舗不動産の価値は消費者が決める

店舗などの商業施設の今後の商機をどう見るべきか。この点については、オフィスビルや賃貸住宅とは決定的に違う点がある。オフィスの場合は、その不動産価値をテナントが決める。賃貸住宅も同じだ。そこで働く人が、そこに居住する人が快適ならば賃貸借契約を結んでキャッシュフローが回り、資産評価が上がっていくものだ。

しかし、店舗の場合は違う。不動産の価値はテナントではなく消費者が決める。消費者が快適に感じ、これが食べたい、これが買いたい、と財布の口を緩めてお金を落とす環境を創出できれば不動産の資産価値も上げることにつながる。

極端なことを言えば、立地が相当に悪くても、交通の利便性が相当に悪くても、そこで提供されるサービスを求めて消費者が足を運ぶならばその不動産は収益を生み出す。消費者が求めるモノ、コトというコンテンツ力さえあれば成功する。ただ、家主としては、単に箱を貸し出すのではなく、どのようなサービスを引っ張れるかの目利き力が求められている。

健美家編集部(協力:若松信利(わかまつのぶとし))

■ 主な経歴

学生時代から不動産に興味を持ち個人的に不動産関連の記事を多数執筆。大学卒業後、不動産関係情報誌に20年以上勤務。現在は都内のIT会社に勤め、副業でいくつか投資関連の記事を担当・執筆する40代サラリーマン。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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