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大阪独自の商慣行「保証金・敷引き」とは?

賃貸経営/管理 ニュース

2017/06/10 配信

首都圏その他、日本の多くの地域では賃貸物件を借りる時に入居者が用意する費用として、敷金と礼金がある。どちらも契約時に借主から貸主へ支払われるものだ。敷金は家賃の不払いなどに備えたもので退去時に、修繕費などを差し引いた上で返金される。それに対して礼金は「家を貸してくれたお礼」のような性格のもので、返金されない。

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この「敷金・礼金」の考え方は、全国的なシェアを持つ不動産ポータルサイト等の普及により全国で広まったとされ、大阪でも採用されているが、大阪では、元々のローカルルールである「保証金・敷引き」方式がまだ存在している。

大阪で賃貸物件を借りる時には、敷金ではなく保証金を支払うのがこともあり、礼金を支払うケースもあるが割合は多くない。入居時に支払う金額は「敷金・礼金」ではなく「保証金」のみ。

では、保証金とは何か?

家賃の不払いなどに備えて貸主が徴収しておくもので、意味合いは敷金と似ている。違うのは、「敷引き」があることだ。敷引きとは、退去時の補修費等に充てられるもので、契約時に金額があらかじめ決められている。例えば「保証金5ヶ月/敷引き2ヶ月」となっていれば入居時に家賃の5ヶ月分(月額賃料10万円ならば50万円)支払い、退去時には敷引きとして2ヶ月分(20万円)をさしひいた30万円(50万円ー20万円)が返金される。

一般に敷引きは、退去時に想定される補修費よりも少し高めに決められている場合が多い。また、どこをどのように補修したかを貸主から借主に明示することもなく精算もしない。退去時の状況がどうあれ、どの程度補修されたかは考慮されず、入居者にとっては不透明である。

ただ、貸主、つまり大家の立場からすると、退去時に煩わしさがなく、あらかじめ手元に残る額が分かっているというメリットがある。

「敷金・礼金」方式は、退去時にどこを補修する、しないの確認が必要であり、補修費用を巡って貸主とトラブルになるような場合もある。その点、「保証金・敷引き」方式であれば補修費の額に関わらず追加の補修費は不要であり、退去時の手続きは楽なのである。

だが、この大阪ローカルルールである「保証金・敷引き」方式は、国土交通省による「現状回復をめぐるガイドライン」が定められて以降、採用される件数は減っている。同ガイドラインでは、原状回復を「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義しており、いわゆる経年変化や通常使用による損耗等の修繕費用は賃料に含まれる、すなわち「賃借人が借りた当時の状態に戻すことではない」としている。

このガイドラインが初めて制定されたのは平成10年。当初は「東京ルール」などと呼ばれていたが、その後幾度か改定されており、大阪でも採用件数は増えている。現在では従来の「保証金・敷引き」方式と混在しているのが現状だ。

大阪以外の関西、京都だけは少しルールが違うが、例えば神戸や奈良においてはおおむね状況は同じだ。

では、今後新規に賃貸オーナーとなり貸主に貸す場合、「敷金・礼金」方式と「保証金・敷引き」方式のどちらが良いか?これからということであれば、「敷金・礼金」方式が無難と考えられる。

なぜかというと、「保証金・敷引き」方式は退去時に「この契約内容は国土交通省のガイドラインに沿ったものではない」と主張された場合に、トラブルになる可能性をはらんでいるためだ。ガイドラインでは経過年数を考慮しているのに対し、敷引きは経過年数を考慮していない。その分、借主の不利になるケースが考えられ、早期に退去する借主が納得しないとしたらという懸念があるのだ。

まだまだ現場では「保証金・敷引き」方式も使われており、すぐになくなりはしないだろう。だが、長い目で考えると、今後は「敷金・礼金」方式が増加、主流になっていくはず。過渡期にある現在、オーナーチェンジなどの場合には「保証金・敷引き」方式の契約を引き継ぐ可能性もあるが、それ以降の新規については「敷金・礼金」方式に切り替えと考えておくと対処しやすいだろう。

健美家編集部(協力:田中和彦)

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