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福岡が大阪を抜いて日本のNo2になる日は近い?

都市計画・再開発(地域情報)/全国 ニュース

2022/08/02 配信

天神ビジネスセンター
昨年完成した「天神ビジネスセンター」。(福岡地所のニュースリリースより)

不動産投資先として福岡市が熱い視線を集めている。福岡が持つ成長ポテンシャルは大阪を超えられるかにスポットが当たり、福岡市が主導する規制緩和による再開発プロジェクトが資金を引き付ける。

「天神ビッグバン」は2024年までの10年間で30棟のビルを建て替えるもので、延べ床面積を44.4万㎡から75.7㎡に拡大する。その第1弾として「天神ビジネスセンター」が昨年9月に竣工した。

2022年末には小学校の跡地を利用して地上25階建ての複合施設が開業し、高級ホテル「リッツ・カールトン」の誘致も決まっている。

「博多コネクティッド」でも約20棟のビル建て替えを進めており、その規制緩和第1号となる「博多イーストテラス」がこの8月に竣工を迎える。オフィス部分は、博多エリア最大級のワンフロア約680坪の開放的な整形無柱空間を創り出し、最小約35坪から分割できる柔軟なレイアウトに対応する。

1階部分には時間貸し会議室など一時的な利用ニーズに応えるスモールオフィス「Mol.t(モル・ト)」を設けるほか、九州に初めて進出したカフェ&バー「FUGLEN Hakata Fukuoka」はノルウェー発のカフェだ。

スカイデッキとして、福岡空港が一望できる屋上多目的スペースを設置するほか、博多駅筑紫口エリアで博多エリア最大級約900㎡の広場などを整備して建物の南北の回遊性を高めて地域に賑わいを創出する。

街が躍動するところにヒト・モノ・カネは集まる。福岡市の躍動の様を見て投資市場として福岡が認識され始めている。

コネクティット完成予想図
8月に竣工を迎える「博多イーストテラス」。NTT都市開発のニュースリリースより)

都市特性評価2022ランキングで福岡3位

森記念財団都市戦略研究所が7月25日に「日本の都市特性評価2022」を発表した。東京23区を除く138都市を経済性や住みやすさなどから多角的に評価してランキングにしているもので、それを見ると、1位は大阪市、2位が京都市と近畿圏がワンツーフィニッシュとなったが、3位に福岡市がランクインしている。

魅力度・認知度・観光意欲度の「発信実績」のほか、「ハード資源」の観光地の数・評価、「ソフト資源」の文化・歴史・伝統への接触機会などのスコアを伸ばした。経済・ビジネスの分野でも法人の新規登録の割合な財政力指数など経済活力と文化的魅力が強みだ。

国が発表する地価調査からも躍動が窺える。国土交通省が発表する今年3月の公示地価でも福岡の強さが目立った。商業地の変動率上位10位を見ると福岡県が7地点を占めた。「博多祇園ブラザビル」(18.0%上昇)は、1㎡当たり210万円と商業地全国上昇率3位だった。福岡市では働く人や学生などが集まっている。

不動産サービス大手のジョーンズ・ラング・ラサール(JLL)は、「コロナ禍における東京と地方都市(大阪、福岡)の短期的なトレンド」というレポートの中で、大阪と福岡について、東京に比べてコロナ禍の影響が軽微で過度に心配する必要はないとの見方をしている。

市主導の再開発により、福岡市内はオフィスビルの新規供給が相次いでいることで、空室率が上昇局面に入っており、賃料も下落局面にある。空室率のピークは2025年で6.3%、賃料のボトムは2025年で1坪当たり1.5万円と予測。ただ、2030年に空室率は2.4%、賃料が1.7万円まで回復すると予測している。

国内外で競争力ある企業の集積地へ

同社が6月末に実施したオンラインセミナー「アジアの拠点都市となる福岡。変貌する都市と不動産のこれから」の中で、関西支社の山口武リサーチディレクターは、「過去の新規供給と比較するのではなく、福岡が将来の競争力が上がる街として必要な供給であると捉えている」と説明している。

天神・博多エリアが新規供給の約80%を占めて、その好立地にハイスペックな大型ビルが相次ぎ登場することになるが、賃料もそれなりに高額が見込まれる。

この点については賃料負担能力の高い新興企業を当て込んでいる。例えば、インターネット関連企業やメディア、クリエイティブ、エンターテインメント関連などのスタートアップ企業に期待する。福岡市は、国家戦略特区「グローバル創業・雇用創出特区」の指定を受けており、クリエイティブ産業事業所の伸び率も全国トップ(2014~2016)とスタートアップ企業を育てる街としてアクセルを踏み込んでいる。

需要のもう一つの原動力は、フィンテック企業の集積としての「国際金融センター」だ。

福岡市では、アジアの窓口としての地理的な優位性を生かして資産運用会社やフィンテック産業を重点的に打ち出して誘致を目指す産官学組織「TEAMFUKUOKA」を2020年9月に設立している。すでに香港やシンガポールから資産運用会社や金融サービスなどの誘致に成功している。

若者の人口比率は東京、大阪を抑えてトップ

コロナ収束後の訪日客の増加を見据えるが、観光に頼らない街づくりがコロナ禍での地価上昇も演出している。福岡市は九州全域からの人を集めている。

少子高齢化で悩む自治体が多い中で、福岡市は若者の人口比率も高く、2015年の国勢調査を見ると、15歳から29歳までの割合は17.4%と全国1位だ。6位の東京23区(16.2%)と7位の大阪市(15.9%)を抑える。

コロナ禍が完全に終息することは当分先とみられるが、将来を見据えてのリベンジ消費、円安のインバウンド消費にも対応できる街づくりが着々と進んでいる。福岡が大阪を抜いて日本の第2都市として浮上する可能性はあるのか。

めざすところの方向感は、大阪と福岡は似ているとされる中で、「(クリエイティブ・エンターテインメントなど)柔らかい産業の誘致や国際金融センターに対する取り組みは大阪よりも進んでいる」(JLL)との評価を受ける。国際線の便数を増やして海外からのアクセスを向上させるなど新たな取り組みを進めていくことで大阪に追いつき、追い越す日がやってくるかもしれない。

健美家編集部(協力:若松信利(わかまつのぶとし))

■ 主な経歴

学生時代から不動産に興味を持ち個人的に不動産関連の記事を多数執筆。大学卒業後、不動産関係情報誌に20年以上勤務。現在は都内のIT会社に勤め、副業でいくつか投資関連の記事を担当・執筆する40代サラリーマン。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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