みなさんこんにちは、きこりです。
寒さがピークを越え春が見えてきましたが、みなさん不動産活動、頑張ってますでしょうか。
きこりは、主催している不動産の家庭教師会が忙しく、1・2月は視力が落ちた気がするほどでしたが、好物の無農薬ブルーベリーを沢山食べて視力が回復した(気がする)ので元気に3限目の授業を行いたいと思います!
さて、2限目の授業はご覧頂けましたでしょうか。このコラムでは1~8限まで読んでもらえるとやる気ある人は誰でも小さく不動産事業を始められるようポイントを解説していきます。
2限目の物件検索では不動産「投資」ではなく、「事業」と考えられるようになるポイントがぎっしり詰まっています。まだ読んでいない方はこちらからぜひ一読の上、脳みそを不動産投資から不動産事業に切り替えて下さい。
ちなみにシリーズは全部でこのような構成になっています。
2限目 物件検索
3限目 内見・管理会社回り ←本日はココ!
4限目 銀行開拓
5限目 物件購入
6限目 客付・管理
7限目 物件売却
本日は地方少額不動産事業の物件の内見と管理会社さん回りについてどのような心構えで行うべきか、解説したいと思います。
きこりはこの内見と管理会社さん回りを通じて、持たざる者の物件の目利きと購入後の高稼働率を実現できるようになったと思っており、本日のお話も非常に重要です。
特に内見に重きを置いて解説しますので、しっかり最後まで読み込んで頂ければ、内見に行く前の心構え、準備ができるようになると思います。
■準備が大事!内見で明らかにすべきこととは?
これまで学んできたヒアリングやシミュレーションを通じて良さそうだと思った物件を、現地まで実際に身に行くのが内見です。でも、ただ物件を見に行ってもそこに建物があるだけで、買ってよいかの判断はできません。
内見で明らかにしたいことは、大雑把に言うと①物件の立地・周辺に問題ないか、②修繕にどの程度掛かるかの2点です。
特に②に関しては不動産事業を始めてばかりだと何の知識もないので、1人で行っても無力で何も分からないです。
なので、大工さんや工務店さんに自分でアポを取って現地に当日来てもらう必要があります。
慣れて来ると電気屋さんや設備屋さんなど、より専門的な方に来てもらうこともありますが、最初は全体的に見ることができる大工さんや工務店さんに来てもらうと良いと思います。
■大工さんは伝統的に「タウンページ検索」が〇
きこりは大工さんや工務店さんはタウンページの電子版を使うことが多く、「〇〇市 リフォーム」などで検索して出てきた候補の中で、家族経営で比較的小さく、昔ながらにやっているようなお店を名前や住所から想像して電話していきます。
株式会社XXXみたいな感じで立派なホームページを持っていたりすると、そっとページを閉じます笑。それよりも会社住所を調べたら住宅街にあり、電話しても2コールで出ないし、出てもおばあちゃんが出たり、転送されて現場にいる親方の携帯に繋がるような会社を好んで選んでいます。
そういった会社は無駄な広告費や営業費が乗っておらず、こちらが誠意を以て対応するとしょうがないな~と言って対応してくれたりと、持たざる者の我々の強い味方になってくれることが多いです。
こちらの態度としては、無理にへりくだる必要はないですが、大切なパートナーを探していて、空き家を住めるようにしていくので力を貸してほしいという姿勢が最低限必要と思います。
こういった方に自分が内見する日時に現場に来て頂けるように相談し、当日の予定を決めておくことが重要です。
■現地内見のポイント:物件までの道すがら
上述のとおり、内見では①物件の立地・周辺に問題ないか、②修繕にどの程度掛かるかの2点の確認が重要です。
①物件の立地・周辺に問題ないか、については、物件のある町や最寄り駅に着いた時から勝負は始まっています。
駅や大きな通りから物件に至るまで、嫌悪施設や異臭を放つ工場、墓地や急な坂など客付けの際に悪影響になりそうなものがないか確認しながら現地にいきます。
今でこそいきなり物件の駐車場に車で乗り付けてしまうきこりですが、始めた当時は猛吹雪の中、駅から物件までの道すがら目を何か問題になるものはないか、目をひん剥いて確認して歩いたり、近くの商業施設に実際行ってみて盛況ぶりを体感してみたりと、体当たりで調査していました。
■現地内見のポイント:物件についたら大工さんと一緒にチェックしまくろう
さぁ、やっと物件にたどり着きました。ここまででもけっこう”はぁはぁ”になっていることがありますが、ここからが本番です。
②修繕にどの程度掛かるか、を購入前に明らかにしなくてはいけません。
築古物件を融資が付くからと修繕費を確定させる前に購入する方がいますが、非常に危険です。必ず購入前に確定させ、それも含めて融資付けにトライしていくことが重要です。
現地には基本的に工務店さんや大工さんなどの建物の専門家と一緒に入ることをお勧めします。
建物(時に基礎や地盤)のどこに問題があって、それを賃貸に耐えうるレベルにいくらで修繕できるのか、これを自分で一人で行って確認できるようになるにはかなりの経験が必要で、きこりはハード目な物件は今でも大工さんと一緒に行くようにしています。
何を確認するかということも非常に重要で、チェックリストの一部をご紹介しますが、これらを丁寧に確認し、購入後にビックリすることがないようにしていくことが必要です。
きこりの生徒さんにはこの倍以上の項目の確認を求めていて、2-3回やると慣れてきて簡単にできますが、最初はけっこう大変だと思います。
ただ、これらをリスキリングと捉え、逃げずに乗り越えることで大家力がつき、目標としているCFに近づけるので、一歩一歩取り組むことが重要と思います。
■修繕見積も一工夫で大きくコストセーブできる
きこりは現場に大工さんと一緒に入りますが、基本的に1時間後くらいには次の大工さんが来てくれるようにアポ取りをしています。多いときは一日で工務店さん、大工さん、電気屋さん、設備屋さん、美装屋さんなど沢山の方を物件に呼んでいます。
特に初心者の頃は建物のことが全然分からないので、最初に来た大工さんにどうやって直したらよいか聞きまくり、必死に持参した間取り図にメモ書きしていました。
そしてその次に来た大工さんに、あたかも自分が考えたようにその修繕方法を語り、その可否や別の方法がないかなど、裏どりを繰り返していました。
これを行うことで最初は建築の基礎的な専門用語も分からないズブの素人でしたが、建物や修繕方法について非常に詳しくなることができました。
修繕の見積をお願いする際には以下のようなテンプレートを用いて、こちらの要望に沿って見積もり依頼をしていました。
このフォーマットには工事個所(玄関、洗面所、トイレ、リビングなど)ごとに基本的な工事内容が記載されていて、その単価もこちらの希望の単価が入っています。工務店さんとしては、あとは実寸して広さを入れると単価に掛け算がされて金額が出てきます。
この単価はきこりが全国の職人さんや工務店さんと話す中で仕入れて来た『安いけど断らないこともないギリギリの単価』が入っており、一定のタイミングで見直しをかけています。
この見積もり依頼書に基づいて会話をすることで、「この単価は少し安すぎるので、2割増しにしてもらえないか」など工務店さんがこちらの土俵の上で話をしてくれ易くなります。
もちろん、単価が安すぎるとして断られることもありますが、生徒さんの中にこのフォーマットを駆使してリフォーム総額が3割減や半額以下になったという方が数多くいます。
実はきこりがサラリーマンをしていたITの世界では、この見積依頼書(Request for Quotation)が非常に重要で、いかに良い依頼書を出せるかに価格や品質が大きく影響を受けました。
この簡易版を不動産事業にも取り入れることでコストコントロールを実現しています。
こういったものを駆使しつつ、工務店さんや大工さんに敬意を払い、自分のできることは積極的に行い(大工さんの発言をメモしたり、間取り図に記載したりして、こちらからお送りしてあまり手間を掛けないなど)、お互いが良いパートナーして不動産事業に取り組めるようにする姿勢が事業成功の秘訣と思います。
■現地調査の後半は怒涛の管理会社さん回り
現地で朝から工務店さんと怒涛のやり取りを終えたら、15時くらいになっていることがよくありますが、ここでおやつを食べている場合ではありません。
お昼を食べる時間もないことがほとんですが、ここから物件周辺の管理会社さん回りが始まります。
ヒアリング調査で電話して、比較的丁寧で詳しかった管理会社さんを実際に訪問していきます。できればアポを取っておいた方がよいですが、現地調査が伸びるケースもあり、きこりはノーアポのことも多かったです。
最低でも3社、できれば5-6社は訪問し、ヒアリングで聞いた内容を今一度聞いてみましょう。電話で聞くと結構楽観的だったのが、実際にお会いして話をすると相手も真剣度が増してネガティブな部分も多く聞けたりと、収穫は多いです。
管理会社回りで大事なことは2点で①ヒアリング結果の裏どり、②管理委託先の選定です。
①についてはヒアリングで聞いたことを聞きなおしてブレがないか、ブレがあるのであれば、シミュレーション等の事業計画を見直す必要があり、とても重要なプロセスです。
②について管理を委託する場合には、管理の担当者・管理職の方とも話をして管理を任せて大丈夫そうかの面接を兼ねて話をしていきます。
管理に求めることとしては①に客付け力、②に客付け力ですが、物件の管理に課題・問題があるケースではその対処を一緒に行っていけるか、経験や知見があるかもヒアリングしていくことが重要です。
この2点について大体1社20~30分で済ませることが理想で、5社回ると150分、移動も入れるとすぐに3-4時間経ってしまいますので、事前に聞くべき項目を整理して時間を意識しながら実施していきましょう。
いかがだったでしょうか。現地調査・管理会社回りをする日はご想像のとおりかなりハードな一日になります。
夕方にはクタクタですが、きこりは帰りの電車や飛行機でその日行った現地調査結果を資料に落としこんだり、回った管理会社さんの名刺を整理したりして、購入後にいつでも客付け依頼のメールやFAXができるように整理していました。
実質利回り20%とか入居率が地方でも常に9割以上と聞くと、なんだか嘘くさいですが、不動産事業としてやるべきことをこれだけしっかり行っていけば、然るべき数字と思っていただけたのではないでしょうか。
次回は銀行開拓について、きこりの経験談を基に昔から変わらぬ手法や最新の状況についても解説したいと思います!(きこりの大好きなお花見で毎日二日酔いでなければ)