今回の大家列伝は北海道在住の元役場職員でプーケットをこよなく愛するプーケット大家サクさんにお話を伺います。FIRE後は年に何度もプーケットに行くなど、自由な生き方を満喫されているサクさんは、勤め人時代にどんな不動産活動を行い、FIREに至ったのでしょう?前編の今日は不動産投資を始めたきっかけや、FIREに至る過程等を紹介します。
華子
自己紹介をお願いします。
プーケット大家サクさん
プーケット 大家サクと申します。 昭和47年8月生まれの51歳です。6年前に45歳でFIREして、今は専業大家をしています。家族は 40代の奥さんと高校生の息子と犬が1匹です。
仕事は高校を卒業後に役場の職員になり、そこから27年間勤めました。役場の職員になった理由ですが、父親が地方公務員で、親から「公務員に就職できたら車を買ってやる」と言われて、それに釣られたからです。
趣味は小排気量のバイクとスノーボードと海外旅行。過去にはマラソンとカメラに没頭していました。趣味のカメラでは北海道のアマチュアのカメラコンテストで入選率5%の賞を2年連続で受賞することができました。
華子
それは素晴らしいですね。不動産投資の規模はどのくらいですか?
プーケット大家サクさん
アパートが12棟82室、 戸建てが二世帯住宅を含めた5棟7室の計16棟89室です。年間家賃は約5,800万です。これまでに29物件163室を購入しました。でも忙しくなりすぎたので、13物件74室を売却して今の規模に落ち着きました。
華子
ところで、なぜ プーケット大家さんという名前なんですか?
プーケット大家サクさん
極東の船長さんと初めてお会いした時に、私がプーケットを好きだと話したら、プーケットのピンクの部分に通っていると想像され、面白がって「プーケット大家」と命名してくださったんです。
僕はそういう所には行きませんが、船長に言われたら「はい」か「イエス」か「喜んで」しか言えないので、ありがたくそのニックネームを頂戴しました(笑)
■不動産投資を始めたきっかけ
華子
不動産投資を始めたきっかけを教えてください。
プーケット大家サクさん
2010年頃に 不動産投資家で、現在はひまわり温泉という施設の経営もされている 木村真之さんが Facebook で「マラソン大会を盛り上げる会」というものを企画していたので、僕もなんとなくそこに参加しました。
2年ぶりに木村さんに久々に会ったので、「今、何をしてるんですか?」と聞いたら、「長く続けていた郵便局員を卒業して、今は不動産投資で生活しているんだよ」と教えてくれました。その時、大きな衝撃を受けました。
僕も公務員だったので、木村さんに「僕にもできますか?」と思わず聞いてしまいました。すると、「できるよ!」と言ってくれたので、その場で不動産投資をやることを決意しました。
華子
なぜ不動産投資を始めようと思ったのですか?
プーケット大家サクさん
うちは当時、夫婦共働きで、特に奥さんが激務だったんです。そのせいで夫婦仲がどこかギスギスし始めていました。それで、不動産投資で収入を増やして、奥さんが仕事を辞められるようにしたいと思いました。いずれは自分も仕事を辞めたいという最終目標もありました。
華子
木村さんが不動産投資で郵便局員を卒業したという話を聞く前に、投資への興味や知識はどの程度あったのですか?
プーケット大家サクさん
ゼロです。1ミリも 興味がなかったし、知識もありませんでした。なぜ不動産投資に食いついたかというと、僕は家が好きなんです。デザインを考えたり、 DIYをしたりするのも好きです。
自宅を建てた時は理想の土地を見つけるために3年かけました。 その3年間 、何をしていたかというと、インターネットで土地を毎日検索していたんです。それが苦にならなかったので、 収益物件を探すのも向いてるかもしれないと思いました。
華子
そこからどんな物件を買っていったんでしょう?
プーケット大家サクさん
1棟目は札幌にRC11室の新築マンションを奥さん名義で建てました。奥さんに仕事を早く辞めてもらう為です。軍資金はほとんどなかったのですが運良くオーバーローンがつきました。利回りも9.7%と今では考えられないくらい良かったです。
2棟目は僕の名義で帯広市内の築30年、鉄骨17室という物件を買いました。ここはポンプの故障等、設備のトラブルが多く、出入りも激しい物件で、本当に大変でした。この物件は1年で売ってしまいました。3棟目以降は木造物件が多いですが、それはこの時の経験に基づいています。
華子
いきなりRCを買われたのですね。融資付けは順調にいきましたか?
プーケット大家サクさん
1棟目はトントン拍子でしたね。たぶん公務員と病院保健師のパワーカップルだったからだと思います。でも、2棟目以降については結構苦労しました。
多分、築古の高利回り物件ばかり持ち込んでいたからだと思います。買えても手間がかかったと思うので、融資がつかなくて良かったと今は思っています(笑)
華子
プロフィールの所有物件を拝見すると、築浅の木造アパートを中心に、かなりのペースで買い進められています。北海道でも競争が激しいのは変わらないと思うのですが、良い物件を買う為にどんな工夫をしていますか?
プーケット大家サクさん
常にネットで物件検索をしています。1日に最低5回くらいは新着物件をチェックしますね。見つけたらすぐに電話で問い合わせをして、できるだけ早く現地に行きます。それでも年に2棟~3棟くらいしか買えていませんよ。あとは、帯広は土地値が高く利回りが出にくいので、釧路にも積極的に物件を買っています。
それと僕の特徴としては売却が多いのかなと思います。僕の目的は小金持ちになる事であって、たくさんの物件持ちになる事ではありません。物件をむやみに増やしてしまうと自分の時間を取られてしまいます。スーパーカーが欲しいわけではないので今くらいの規模で現金を手厚くした方が幸せです。
■キャッシュフローゲームをやりこみFIREを実現
華子
不動産投資を始めてからどのくらいの期間で サラリーマンを辞めることができましたか?
プーケット大家サクさん
2012年の12月に不動産投資を始めて、 奥さんはその2年後に退職しました。当時はアパート4 棟を所有していて、手残りのキャッシュフローは月に約30万円でした。僕が辞めたのは2018年で、その時はアパートが 12棟 合計73室あり、手残りのキャッシュフローは月に120万円くらいに増えていました。
華子
FIRE時の手残りキャッシュフローは月に120万円くらいということですが、その基準はどのようにして決めたのですか?
プーケット大家サクさん
僕はロバートキヨサキ氏が作ったことで有名な『キャッシュフローゲーム』をやり込んでいるんです。
上級版の『キャッシュフロー 202』というゲームのルールでは、生活支出の2倍 のキャッシュフローがあれば FIRE できるので、その基準を参考にしてFIREしました。
当時の家族の生活支出は50万円程度でした。その基準は2018年よりも前に達成していたのですが、自分の遊ぶお金が欲しいのと、余裕資金として、そこに20万円を上乗せしてからやめました。
(編集後記)
役場の職員から専業大家へ華麗な転身を果たしたサクさん。有言実行とはまさにこのことですね。明日の後編では規模拡大を辞めて現金を保有する理由や、将来の目標等について伺いしました。お楽しみに。(担当:いんべす)