こんにちは、トモコです。我が家は夫婦二人ですが、私は数年前に会社を辞め、夫もすでにリタイヤしています。今の会社の形態(社員は夫婦2名・大部分が外注)がちょうどいいと思いながらも一方で、気持ちが揺らぐこともあります。
大家仲間が宅建業者になったり、パートさんを雇ってバリバリと事業を行っていたりするのを見ると、人は人、と思いながらも、「頑張っているな!すごいな!自分はこのままでいいのかな?」と思う機会が増えてきました。
そこで今年は今までやってきた事業を掛け合わせて、もう少し規模を大きくすることを検討しています。具体的には、賃貸で行っている「宿泊業」を自己所有の物件でできないかな?と考えたのです。
ということで、今回は宿泊業向けの物件を内見に行った話を書いてみたいと思います。結論からいうと、金融機関から良いお返事をもらえる可能性は十分にありそうでしたが、やめました。その理由も紹介します。
■賃貸ではなく自己所有物件で宿泊事業を始めるという目標
コラムで書いてきたとおり、私は神奈川を中心に物件を買ってアパートや貸家を運営する他に、都内をメインに物件を賃貸してレンタルスペースや宿泊業も行っています。
大家業の先輩の中には貸家を民泊用に転用したり、戸建を購入後にリフォームして民泊用に使っている方が多くいらっしゃいます。そんな話を聞くたびに、「自己所有はいいなあ」と思っていました。
私の考える自己所有物件で民泊を行うメリットは、次のようなものです。
・自由にリフォームできる
・一棟まるごと民泊に使うことで周囲からのクレームの可能性を減らせる
・物件にもよるが維持費が下がる(転貸の家賃よりローンの方が低い可能性大)
もちろん、デメリットもあります。例えば民泊がうまくいかず撤退となった時、一般賃貸や事務所貸しにすると、家賃がローンの支払額を下回り、マイナス収支になる可能性があるということです。
その上で、私は都内で民泊用物件を購入することを目指して、行動を開始しました。
具体的に何をするかですが、まずはエリアの選定です。これは宿泊業向け賃貸物件を探してきた知識が役立ちます。東京23区内、旅館業の許可が出やすく外国人に人気の場所となると、おのずと限られてきます。
エリアを決めたら広さを決めます。大きい方が当然いいのですが、そうすると物件価格も高くなるので悩ましいところです。またエリアによっては部屋が広くても宿泊料の上限が低いところもあります。
その上で、間取りや用途地域、駅からの距離等を考えていきます。求めるのは、物件価格と広さに対して、宿泊料のバランスが良い物件です。毎日物件情報を見続け、いくつか候補をしぼりました。
物件を絞ったら次は融資です。都内である程度大きい物件となると、ローンは必須です。通常の住居用賃貸目的で購入して後で宿泊業に転用することは金融機関によってはNGですので、ここはしっかりと事前の確認が必要です。
そこでメインバンクの担当者さんに、参考物件のマイソク持参で、今賃貸で行っている運営の実績や集客方法、許認可の取り方などを説明しつつ、相談してみると、「法人で宿泊業運営の実績があるので、宿泊業用物件としての購入はおそらく大丈夫だろう」とのこと。
実際のところはしっかりと資料をそろえて融資申し込みをしてみないと分かりませんが、このメインバンクとは会社員を辞めた直後の2018年からお付き合いがあり、運転資金も含めて何本か融資を受けています。
まったくのゼロ回答はないだろうという感触をつかむことができたので、いよいよ購入に向けて、いくつか問い合わせをしていた中の一つを見に行ってみました。(物件情報は数字やエリアは若干ぼかしてます。)
■表面利回り33%!?都内の西側の1億円の戸建に目をつける
場所は渋谷駅から数駅、東京のちょっと西側です。大きな駅ではありませんが、オシャレなカフェやバーあったり、庶民的なスーパーがあったり、有名な神社があったりと、民泊の売りである「暮らすように泊まる」が実践できそうな良い街でした。
建物は150㎡くらいの3階建て。1階と2階が繋がっており、3階へ行く外階段が別についている、いわゆる2世帯住宅のような物件です。駅からは徒歩約5分、用途地域は近隣商業地域ですので旅館業の許認可的にも問題ありません。
所有者さんはすでに引っ越しており、中はリフォーム必須と聞いていましたが、見てみると意外とキレイでした。どうせ民泊向けに表層リフォームをするつもりだったので多少汚れていても問題はありません。
広さは1.2階(メゾネット)が約100㎡で収容人数10~15人、3階が50㎡で収容人数は5~6人。宿泊料は固めに見ても10名収容なら1泊平均で8万円、5名収容なら3.5万円は見込めます。気になる物件価格は約1億円です!
ざっくり皮算用してみました。
売上:一日8万円+5万円×273日(稼働率75%と設定)=3,139万円
経費:3139万円×25%=784万円(これまでの運営実績から計算)
融資:フルローン、期間15年、金利2.5%の場合、月の返済額66.6万円(年間で約800万)
年間手残り:3,139万-784万-800万₌1,555万
表面利回り:31%
※売上も経費も、安全係数を高めにして計算しています
これは悪くないのでは?と俄然、やる気がわいてきました。「買おう!よし買付書くぞ!」と意気込んだその時にふと、コロナ初期に立ち上げたレンタルスペースのことを思い出しました。
コロナ前は街に溢れていた人たちが、パッと消えてしまったあの時の風景。自粛でスペースの運営を締めざるを得なくなり、お休みした1か月半。その後も運営時間の制限が続き、非常に厳しい運営を強いられました。
一方、賃貸物件のお家賃は一度も遅れることなく安定して入金されていました。レンタルスペース業が先行き不安でしかなかった時期に、お家賃の存在は本当に心強かったです。
レンタルスペースは賃貸だったため、経費は月10万円程度で済みました。しかし、物件を買った後で同じようなことがあったら?その時は一つの物件だけでなく、宿泊業やレンタルスペースの事業全体がダメージを被ることになります。
現在、賃貸している物件の家賃が約60万円、そこに新たな返済が月60万以上加われば、すごい金額です。ここで現実に引き戻されました…。レンタルスペースでの経験がなければ、「なんとかなる!」と楽観的に考えて動いていたかもしれません。
結局、この物件は見送りました。しかし今回、金融機関にヒアリングを行い、物件の内見に行き、収支を試算をしてみたことで、かなりイメージは明確になりました。
今は、「小さめの物件を買って、宿泊業をできないか?」という新たな目標を定めて、また日々の物件検索に励んでいます。さて、私は宿泊業用の物件を買えるのでしょうか?動きがあればコラムで報告させていただきます!
■楽しかったクルーズ
最後にちょっと近況報告です。先日、念願だったクルーズに行ってきました!船旅にはずーっと前から憧れがありました。でも、「クルーズってお高いのでしょ…?」と思い込んでいました。
それで特に調べたりすることもなかったのですが、クルーズ好きの江古田島平八さんとお話しする機会があり詳しく聞いたところ、なんと「数万円代からある」という衝撃の事実を知りました。
さっそく帰って調べてみたところ、確かにやや訳アリではありますが本当に4万円代のクルーズがあったのです!
昔はクルーズというと「食事は正装で常にコース料理」「フルサービス」「乗客はリタイヤしたご夫婦や一部のお金持ちだけ」「毎晩社交ダンス」といった世界でしたが、近年「カジュアル船」というカテゴリーが台頭しているのだそうです。
おかげで私のような庶民にも手が届く船旅も増えています。その中でも4万円は衝撃の安さです!すぐにスケジュールを確認し、夫に話したところめちゃくちゃ乗り気だったため、すぐに予約しました。
嬉しくて周りに「クルーズに行くんです!激安!コスパ最高!」と言いふらしていたところ、なんと同じ船に乗る知り合い大家さんがいることが分かり、実際に船上でもお会いできました。みんなお得情報に詳しいですね!さすがコスパ厨の大家さん(私も含めて)です。
そしてクルーズの最中に、法人所有の物件で唯一空室だった、家賃18.9万の戸建て(私の所有する物件の中では最も高いお家賃です)に申込が入るという嬉しい出来事もあり、最高の船旅になりました。
料金はクルーズ代に加えて税金やサービス料等もあり、一人あたりの合計はトータルで10万円くらいになりました。食事が毎回ついて、こんなお部屋に滞在もできて、この価格ですから大満足です!ベランダの外は海ですよ!
家を離れている間も不動産の運営は特に問題なくできました。他の事業(レンタルスペース・宿泊業)も事前にトラブルになりそうなところは先に潰しておいたおかげで、急な連絡もなし。改めて今の事業は自分のスタイルに合っているな、と感じました。
これからも事業をがんばりつつ、こうして楽しい時間を増やしていけたらと思います。私の経験が少しでも皆さんのお役に立てたら嬉しいです。最後まで読んで下さり、ありがとうございました!