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建築費や人件費が高騰の今必見!ローコストで収益性を高めた賃貸住宅【建築家と建てる賃貸住宅】

収益物件購入・売却/建築家の賃貸住宅 ニュース

2023/11/12 配信

建築費や人件費が上がるなか、いかにコストを抑えて収益を上げるか賃貸住宅を建てるうえでも課題となる。そんななか目を向けたいのが、建築家の手腕を活かしてローコストで収益性を上げた賃貸住宅だ。

手掛けているのは横山武志建築設計事務所 代表の横山氏だ。この厳しい市況のなかで、いかにコストを抑えて魅力ある賃貸住宅を建てるか? 横山氏に話を聞いた。

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木造で 2棟の重層長屋の賃貸住宅「SALA久が原」。コの字型で中庭を囲むような外観デザインが印象的で、2階の住戸には、各戸の玄関から内廊下で上がる、独立感のある設計。1Kと1DKをミックスし、14戸確保

ネット検索で賃貸住宅が選別される今、
検索で必須な「設備」を網羅しつつ、デザインで差別化

宅建士の資格も持ち、土地探しから相談に応じることもある横山氏。昨今では、建築費は数年前に比べてかなり上がっており、数年前の建て方が通用しないという。

「特にRCの建築費は高止まりし、もはや下がる見込みがなく、木造でも建築費が上がっており、厳しい状況です。そのなかでどう魅力ある賃貸住宅を建てるか、建築家の腕の見せ所です。また良い施工会社さんを見つけることも重要です」

近年、インターネットでの部屋探しが浸透し、ある程度、ネット検索で賃貸住宅が選別されることも意識して計画を練る必要がある。

「デザインにこだわったデザイナーズ物件を集めたようなサイトに掲載されるのも1つの有効な手段ですが、通常の仲介サイトに掲載するなら、ネット検索で選ばれる設備を網羅する必要があります。

どんな設備や間取りが好まれるか、その場所の賃貸ニーズを見極めること。そのうえで設計力を活かして、他と違うデザインにこだわることや、長期的な視点でメンテナンスにコストや手間がかからないように意識することも大切です」

上記のポイントを踏まえたうえで実現したのが、冒頭の写真の重層長屋の賃貸住宅「SALA久が原」である。東京都大田区久が原、駅から徒歩15分程の閑静な住宅地での計画だ。

「予算の関係上、使用しているのはローコストのモノが多いですが、配色やデザインを工夫することで印象的なデザインにまとめています。

当初は12戸予定でしたが、玄関、収納、水廻りを効率的なレイアウトにするなど、工夫をすることで居室部分は最大限の広さを確保し、14戸と戸数を増やし収益性を向上させました」

室内では、ほとんどどの住戸で室内のドアは洗面室のドアのみと遮るものを減らし、収納扉をなくすなど徹底してコスト削減した。

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2階の居室。あまり汚れることが少ない天井のクロスの色だけ、壁のクロスとあえて変えているのも、メンテナンスコストを意識したポイント! ほかにも屋根の勾配を活かし、ロフトを設置したり、構造の梁を露出することで、あたたかみのある空間にするなどの工夫が随所に

「天井のクロスは汚れにくいため、天井のクロスのみ、あえて色を変えました。天井も壁と同じ色にした場合、色あせが天井だけ気になるため、少し色を変えるだけで、貼り変え頻度を下げることができ、長期的にメンテナンスコストを減らすことができ、おすすめです」

キッチンなど水廻りは低コストの既製品を利用するも、構造の梁を露出させることで、雰囲気のある空間に仕上げている。こうしたお金をかけずに効果的な「設計のこだわり」が随所に組み込まれている。

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1階の居室。居住空間の確保のために、あえて「玄関スペース」を設けず居室に組み込んでいる。その代わりに「間仕切り」の要素もある「吊り戸」をつけてプライバシーを考慮

「宅配ボックス」にも、さまざまな設置の工夫が必要

東京都豊島区上池袋でも、横山氏の手掛けた賃貸住宅が人気を集めている。2×4の木造3階建てで、一般流通既存品を用いているが、過不足ない設備と、オーナーさんが仲介業者と密な連携をしていることで、退去が出てもすぐに埋まる人気ぶりだ。

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1Rが6戸入る「ソルーナ上池袋」。室外機や給湯器を1階にまとめ、ベランダを広く確保。戸数分の宅配ボックスを完備した点も好評

「近年、宅配ボックスのニーズが増していることをふまえて、戸建て用の大きな宅配ボックスを戸数分設置しています。宅配ボックスは種類や設置方法など、今はまさに発展途上で、様々な方法があるため、ニーズに合わせてブラッシュアップさせていく必要があります」

たとえば賃貸住宅で戸数分の宅配ボックスを用意していない場合、他の人が利用しているために、いざ使いたいときに、利用できないのはストレスになる。最近は玄関先に宅配物を置いておく「置き配」も増えているが、これにもいろいろなニーズがある。

「宅配ボックスのヘビーユーザーがいる場合は、共用宅配ボックスは役に立たない場合があるため、個別の宅配ボックスを採用したほうがよろこばれます」

集合住宅の場合、水など重たいものはエントランス付近の宅配ボックスではなく、玄関脇まで持ってきて置いてほしいというニーズが増えている。

「将来的には置き配を考慮し、玄関先に『置き配』ボックスも検討すべきでしょう」

最後に、これから賃貸住宅を建てる際のアドバイスを!

「その場所その場所にあったベストなプランを考えることが重要で、投資家さんのデザインや賃貸管理の考え方やその地域の賃貸ニーズに合わせて、建築家の知見を交えて、話し合って作っていくのがいいでしょう。

建築家と建てるならば、やはり差別化できるものを建てるべきで、シンプルでもいかに魅力的に見せるべきか、重要視しています」

横山氏の場合、宅建士でもあるため、土地を見て、その土地の制限や向きなどを加味したうえで、どういったものが建てられるかが素早く想定できるのが強みである。必要なときには、頼りにしていただきたい。

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横山武志氏

※取材協力:横山武志建築設計事務所 代表 横山武志氏

東京理科大学工学部建築学科 卒業、 東京工業大学大学院総合理工学研究科人間環境システム専攻 終了後、設計事務所勤務を経て2004年に横山武志建築設計事務所を設立。物件探しから新築・検査済証無の用途変更まで、シンプルで効率の良いデザインを提案する。近況はブログ「家づくりノート」を参照。

健美家編集部(協力:高橋洋子(たかはしようこ))

高橋洋子

https://yo-coo.wixsite.com/home

■ 主な経歴

暮らしのジャーナリスト。ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、情報誌などの編集を経てライターに。価値0円と査定された空き家をリノベーションし、安くマイホームを購入した経験から、おトクなマネー情報の研究に目覚め、FP資格を取得。住宅、マネー関連の執筆活動を行う。

■ 主な著書

  • 『家を買う前に考えたい! リノベーション』(すばる舎)
  • 『100万円からの空き家投資術』(WAVE出版)
  • 『最新保険業界の動向とカラクリがよ~くわかる本』(秀和システム)など

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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