
相続税や贈与税の土地等の価額を算出する基準になる2022年分の路線価が国税庁から7月1日に発表された。
2022年1月1日時点の評価額。新型コロナウイルスの影響を受けて8年ぶりに下落した前年から一転、全国の平均値は2年ぶりに上昇(0.5%)に転じた。路線価の評価対象は約32万3000地点で、価格は国土交通省が3月に公表している公示地価の8割程度の水準に抑えられている。
都道府県庁所在都市の最高路線価が上昇した都市は15都市(前年8都市)、横ばい都市が16都市(同17都市)、下落した都市が16都市(同22都市)となった。
このうち上昇率が5%以上10%未満の年は千葉のみとなり、上昇率が5%未満は札幌、仙台、山形、福島、宇都宮、さいたま、横浜、富山、名古屋、大津、京都、岡山、広島、佐賀となった。
全国での最高価格は、「東京都中央区銀座5丁目」にある文具店「鳩居堂」前の銀座中央通りで、1u当たり4224万円だった。37年連続で全国1位となった。過去の最高額は2020年分の4592万円だった。
東京国税局各税務署管内の最高路線価の特徴としては、多摩地域の「立川市曙町2丁目」(579万円)が17年連続、神奈川県の「横浜市西区南幸1丁目」(1656万円)が3年連続、千葉県の「船橋市本町1丁目」(215万円)で8年連続だった。
コロナ禍による国内外移動が制限され、訪日客が急減するなどが地価下落の大きな要因となっていたが、感染が落ち着いてきたことに伴い国内経済を動かす方向にシフトしていることが路線価の反転上昇につながっている。
なお、今年1月1日現在において、原発事故に関する「帰宅困難区域」に設定されている区域内の土地などは、前年同様に相続税当の申告に当たり、その価額をゼロにして差し支えないとしている。
標準宅地の評価基準額について、2022年分の対前年変動率の平均値は次の通りとなっている。
【札幌国税局】
・北海道=4.0%
【仙台国税局】
・青森県=▲0.4%
・岩手県=▲0.2%
・宮城県=2.9%
・秋田県=▲0.6%
・山形県=▲0.1%
・福島県=0.5%
【関東信越国税局】
・茨城県=▲0.6%
・栃木県=▲0.5%
・群馬県=▲1.0%
・埼玉県=0.4%
・新潟県=▲0.7%
・長野県=▲0.4%
【東京国税局】
・千葉県=0.8%
・東京都=1.1%
・神奈川県=0.6%
・山梨県=▲0.8%
【金沢国税局】
・富山県=▲0.4%
・石川県=0.2%
・福井県=▲0.9%
【名古屋国税局】
・岐阜県=▲0.9%
・静岡県=▲0.7%
・愛知県=1.2%
・三重県=▲0.9%
【大阪国税局】
・滋賀県=▲0.8%
・京都府=0.2%
・大阪府=0.1%
・兵庫県=▲0.2%
・奈良県=▲0.7%
・和歌山県=▲1.3%
【広島国税局】
・鳥取県=▲0.7%
・島根県=▲0.4%
・岡山県=0.3%
・広島県=0.9%
・山口県=0.1%
【高松国税局】
・徳島県=▲0.9%
・香川県=▲0.9%
・愛媛県=▲1.1%
・高知県=▲0.4%
【福岡国税局】
・福岡県=3.6%
・佐賀県=1.1%
・長崎県=0.5%
【熊本国税局】
・熊本県=0.6%
・大分県=0.1%
・宮崎県=▲0.4%
・鹿児島県=▲0.6%
【沖縄国税局】
・沖縄県=1.6%
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健美家編集部(協力:
(わかまつのぶとし))