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国交省が基準地価を発表、東京圏と地方四市は11期連続で上昇。地方圏も住宅が31年ぶり上昇に

調査(不動産投資)/基準地価・公示地価・路線価 ニュース

2023/09/19 配信

銀座
18年連続で全国の最高地価となった「明治尾銀座ビル」

国土交通省は9月19日、「都道府県地価調査(基準地価)」を発表した。新型コロナウイルスの影響で弱含んでいた地価が景気の緩やかな回復とともに上昇幅が拡大し、全国全用途平均・住宅地・商業地はいずれも2年連続で上昇した。

三大都市圏を見ると、全用途平均・商業地は、東京圏で11期連続、大阪圏で2年連続、名古屋圏で3年連続の上昇となり、上昇率も拡大となった。地方圏でも全用途平均・住宅が31年ぶりに上昇に転じ、商業地も4年ぶりに上昇した。

地方四市(札幌・仙台・広島・福岡)は、全用途平均・住宅地・商業地のいずれも11期連続で上昇するとともに上昇率も拡大した。住宅地では、地方四市の中心部の地価上昇に伴い需要が波及した周辺の市などでも高い上昇率を示した。商業地はコロナ後の人流回復とインバウンド、再開発事業などが上昇をけん引した。その他の地域では、全用途平均が30年続いた下落から横ばいに転じ、商業地は32年ぶりに上昇した。住宅地の下落率も縮小した。

全国最高価は18年連続「明治屋銀座ビル」

全国で最も地価が高かったのは東京都中央区銀座2丁目の「明治屋銀座ビル」だった。18年連続で全国1位となり、1㎡当たり4010万円(前年比2.0%上昇)と4年ぶりにプラスに転じた。富裕層需要がマイナスから脱却した主な要因だ。ちみなに過去の最高地価は2019年の4320万円。住宅地で全国1位は、5年連続で東京・赤坂1丁目で1㎡当たり524万円となった。同地点は米国大使館などが近いマンションだ。

大阪圏での最高地価は、大阪市内の「グランフロント大阪 南館」で1㎡当たり2300万円(前年比4.5%上昇)となり、前回の下落からプラスに転じた。全国の価格順位は6位。

ビジネス街の梅田地区で堅調なオフィス需要が見られ、うめきた2期開発への期待が地価を押し上げた。新型コロナウイルスにより大打撃を受けた心斎橋・なんば地区では、インバウンドを含む観光客の回復で店舗需要が戻りつつある。

名古屋圏での地価1位は「大名古屋ビルヂング」で1㎡当たり1920万円(前年比2.1%上昇)だった。名駅周辺や栄、伏見地区で大規模開発などがあり、そこへの期待感が地価を上昇に向かわせた。駅周辺など利便性の良好な地域では賃貸マンション需要との競合などで総じて上昇基調を強めている。

基準地価1

基準地価?

上昇率トップ10に北海道の地点が名を連ねる

地価上昇率で全国トップ10を見ると、住宅地は北海道が9地点ランクインし、沖縄県が5位と9位に2地点が入った。10位に同率で北海道が入っており、トップ10の中に11地点が入っている。商業地でも北海道が6地点入った。北海道は、住宅地・商業地ともに北広島市でプロ野球チームの球場がオープンするなど再開発がらみが地価を押し上げている。

北広島市の住宅地は、札幌市の地価上昇も波及し、マンション建設計画なども堅調に進んでいる。札幌市では、札幌駅周辺ビジネス街でのオフィス需要が堅調で空室率が低く推移し、駅周辺の再開発計画により地価の上昇が続いている。

商業地の全国上昇率1位は、熊本県菊池市の地点で32.4%の上昇幅だった。熊本は世界最大手の台湾の半導体メーカーのTSMC進出が大きく地価を押し上げている。半導体メーカーの関連企業も含めた従業員向けの住宅用地の需要のほか、関連企業のオフィス用の用地需要なども旺盛となって住・商・工がいずれも高い上昇となった。

この半導体メーカー進出の効能はTSMCだけではない。次世代半導体の量産を目指すラピダスが北海道に進出することで、住宅地の全国上昇率トップ3は千歳市の3地点がランクインしており、1位の千歳駅前の地点は30.7%上昇した。

商業地でも全国上昇率2位(道1位)に千歳駅前の地点が入っている。ラピダス進出が決まって以降、関連企業の進出に伴うオフィス需要や投資目的によるJR千歳駅周辺の土地取引が活発になっている。

入稿トップ10

下落率ワースト10も北海道が

全国的に地価の上昇が広がりを見せているが、再開発事業とインバウンド回復、半導体需要が特徴的だ。ただ、地価水準は、全調査2万1381地点のうち半分が新型コロナウイルス感染拡大前よりも下回っている。

なかには下がり続けている地点も多く、今回上昇率トップ10に軒並みランクインした北海道ではあるが、下落率ワースト10にも住宅地で8地点、商業地でも6地点がランクインしている。

全国どこでも地価が上がるわけではなく、需要を生み出す地域と、そうではない取り残される地域との格差も拡大していきそうだ。ちなみに下落率ワースト1位には、住宅地・商業地ともに石川県珠洲市の地点だったが、これは、今年5月に石川県珠洲市で震度6強の地震が発生したことが大きい。

入稿ワースト10

健美家編集部(協力:若松信利(わかまつのぶとし))

■ 主な経歴

学生時代から不動産に興味を持ち個人的に不動産関連の記事を多数執筆。大学卒業後、不動産関係情報誌に20年以上勤務。現在は都内のIT会社に勤め、副業でいくつか投資関連の記事を担当・執筆する40代サラリーマン。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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