大分涼しくなって来た今日この頃、みなさん不動産活動頑張ってますでしょうか。きこりは幼少期に寒い北国で命の危機を感じながら冬を越していたので、高温多湿でジメジメした感じが大好きです!
さて、今回はきこりが地方・ボロ再生に自信を深めた物件の取得経緯や収支をご紹介して、これからボロにチャレンジしていく方の参考になるようなお話をしたいと思います。
■物件との出会いは街の不動産屋さんの「窓貼り広告」
物件との出会いは2016年の春、以前ご縁があった仲介さんから写真付きのショートメッセージが来ました。
「きこりさん、近くの不動産屋さんの窓に面白そうな物件の広告が貼ってあったよ。ご興味あれば不動産屋さんに伝えます」
↓当時送られてきた写真
そうです、なんと仲介さんは自社の物件でも何でもなく、ぶらり散歩の途中に見つけたきこりが好きそうなボロ物件を携帯で写メール(死語)してくれたのです!
■物件は苦難の塊だけど、すぐに週末の飛行機を取って現地へGOOOOOOOO!!
この物件は再建築不可で階段立地、恐らく白亜紀後期に新築(若干の誇張、実際は約50年)された、よく言うと文化財のようなアパートで(通称は廃墟)、全空かつ空き家期間も長く、全室ぼっとんトイレ完備という不動産賃貸業の苦難を集めたような物件でした。
ただ、せっかく紹介してもらったし、6世帯あって380万円、かつ急いでデスクトップ調査してみると、原付が入れるので客付けも室内次第で何とかなりそう。
当時のきこりは建物がある程度大きくて室内が広め、かつ金額が安くて賃貸需要がありそうな地域であれば、北は北極から南は南極まで行きたい気持ちだったので、急いでその週の週末に飛行機をとり、現場に向かいました。
■建物に入ると屋根から後光が差し、床からは若葉の芽吹きが!
仲介さんに加えて工務店さん、大工さん、ガス屋さんなどを引き連れ、まるで鬼ヶ島へ征伐へ向かう桃太郎一行のように勇んで現地に向かいました。
するとどうでしょう、1階の部屋の一部の床は床板が剥がれ、野鳥が種を運んで来たのか、そこには新しい芽吹きが見られました。2階の天井は一部崩れ落ち、屋根からは少し光が漏れており、そのままきこりも天に召されそうでした。
ただ、よくよく見ると一部修繕しようとした形跡があったり、木材や壁紙などが運び込まれたりしており、売主さんが何かしようとした形跡がありました。
当時の潜入写真(お茶の間の皆様の目に苦しくないものを抜粋)
- 外観
- リビングのような部屋
- 台所感ある場所
- 地獄のような風呂
- フタがナイスなぼっとんトイレ
■売主さんとお会いして自分のプランをプレゼンテーション@廃墟
仲介さんに1棟目をDIY修繕したことや、長崎が好きでほかにもボロに取り組んでいることを説明すると、意気投合!
せっかくだから売主さんにお会いして、お話しして見たら?ということになり、急遽近くに住む売主さんとお会いすることになりました。(売主さんが現場に来てくれた)
きこりはこの新しいボロちゃんに既に愛着を感じていたため、売主さんにはこれまでの作品(ボロ物件のBefore&After)をお見せし、この物件も同じように復活させたいとお話ししました。
売主さんはずっと黙って話を聞いてくれていました。そして、「この物件は大工だったご主人が将来のために購入して直し始めたところだった。でも病気になってしまい、そのまま逝ってしまって困っているところだった。きこりさんのように意思のある方に買って頂きたい」、とその場で売却を了承してくれました。
■さっと融資をつけて引き渡しまでにリフォームプラン作成に着手!
買えることが決まったので、帰りの飛行機では金融機関向けの説明資料とリフォームプランの素案を作成にとりかかりました。「売ってあげる」と口頭で聞いたものの、気が変わることは良くあり、意思が熱いうちに全てをまとめる必要があります。
全空で再建築不可、物件は長崎できこりは(当時)東京在住ということで、融資は公庫さんしか相談できないと思い、すぐにお願いしました。そうすると根抵当で借りていてまだ枠があるとのことで、物件代金とリフォーム全額とはいきませんでしたが、資金の目途をつけることが出来ました。
根抵当は借り手に不利なこともありますが、極度額が大きく金融機関が柔軟であればその枠内で借入が比較的しやすく、きこりはそれに助けられました。
あとはこの物件の本丸リフォームプランです。なにせ全空、床も屋根もボコボコ、おまけにぼっとんトイレなのでやることは盛り沢山!でも当時のきこりはこれを経験できることで大家力が付き、今後買える物件が増えるはずと、とても前向きに捉えていました。
■帰りの飛行機で着手したリフォームプランがこちら!
当時のきこりには、やる気と時間しか資源がありませんでした。眠たい身体に鞭打って帰りの飛行機から作成に掛かったリフォームプランの抜粋がこちら!
- 2K→1DKリフォーム指示書
- 造作キッチン依頼書
- 新設洗面所設計時メモ
- 1LDKリフォーム指示書
ほとんど全部やり直しなのをいいことに、床も壁も水回りも予算を抑えつつ、刷新しました。また、元々の間取りを少々触り、最終的には2Kは広めの1DKとして1DK×6戸、それに加えて1LDK(メゾネット)×1戸で総戸数7つとなりました。
購入時費用全体、物件収支としては以下を想定しました。
物件価格380万円
購入時諸費用 30万円
リフォーム合計:1,090万円
内装:650万円
外装(屋根・外壁塗装):140万円
施主支給:200万円
下水接続:100万円
仕入れ合計:1,500万円
収入想定
1DK:21.6万円(3.6万円×6戸)
1LDK:5.2万円
合計:26.8万円
想定利回り:21.4%
ただ、この時点ではまだ決済すら出来ておらず、夜な夜な妄想族している段階でした。
順調に見えたきこりの歩みでしたが、売買契約のドラフトの場で、ドラマが待ち受けていました!この続きはまた次回、チャンネルはそのままで!(平成初期)