• 完全無料の健美家の売却査定で、できるだけ速く・高く売却

×

  • 収益物件掲載募集
  • 不動産投資セミナー掲載募集

職人不足で工事がストップ。日本の少子高齢化がもたらす不動産投資への影響とその対応策

モーガンさん_画像 モーガンさん 第60話 著者のプロフィールを見る

2023/7/24 掲載

 

こんにちは、モーガンです!ここに来て不動産投資家に看過できないことが顕在化し始めていると感じています。それは日本の人口減少、少子高齢化です。

以下の記事にある通り、京都市では複数の中学校で、単独の野球部が維持できなくなっています。野球に必要な9人が集まらないので、他の中学校と合同チームを作らざるを得ない中学校が複数あるといいます。

参照:少子化影響、中学校で「合同部活」増加 生徒数が30年で4割減(京都新聞)

私が住む茨城県では状況がさらに深刻で、市内の半数近くの野球部が合同チームを組まざるを得ない状況にあり、その中には来年の廃部も決まっている学校すらあります。

数年前からワールドカップで人気が集まるサッカー部も定員割れしている始末で、まともに練習や試合ができない状況もあるようです。

野球やサッカーといえば、私が子供の頃は大人気で、熾烈なレギュラー争いがチーム内で繰り広げられていましたが、今は未経験者でもすぐに試合に出ざるを得ない状況のようです。

メジャーリーグでは大谷選手が二刀流で大活躍をしていますが、このままでは団体スポーツで活躍する日本人はいなくなってしまうかもしれませんね。野球小僧だった私としてはやるせない気持ちです。

不動産投資の観点でも、少子高齢化の問題は顕在化し始めています。今回のコラムでは私が直面している課題とその対策についてお話ししたいと思います。

■アパートの外壁塗装が終わらない。。。

私が直面している少子高齢化の問題は、職人さんの確保です。実は、昨年末から2棟のアパートの外壁塗装をしているのですが、完了予定だった3月から4ヶ月経過した今でも終わっていません。

地元外食チェーン店の店舗リニューアルに塗装業者さんの職人さんが取られてしまい、私のアパートの塗装まで手が回らないようです。

かろうじて劣化した部分の塗装は終わっているので、この遅延によって直接的な被害は大きくないのですが、いつまでも階段下にペンキや脚立が置きっぱなしになっているので、空室の内見の印象は良くありません。

この塗装業者さんとは長いお付き合いで、他の現場の合間に作業していただくことを前提に1-2割安くしていただいています。それゆえ文句は言えないのですが、これまでは1ヶ月ほど遅れることはあっても半年近く完工日が見えなくなるのは初めてです。人手不足の影響をひしひしと感じています。

■原状回復リフォームの現場は来年、さらに人手不足になる!?

さらに心配なのは、来年の繁忙期です。繁忙期は空室がたくさん出ますが、3月の終わりまでに原状回復リフォームを全て終わらせなければ、多大な機会損失を招いてしまいます。

しかし、別の内装業者の社長さんからは、さらに人手不足に陥る見込みで、壁紙や床材の張り替えなどの内装工事を請け負えなくなるかもしれないと言われています。

詳しく話を聞いてみると、上場企業の物流倉庫の建設ラッシュが続いていて、その大規模な事務所棟の請負工事が次々と舞い込んできていると言います。

加えて老人介護施設や商業施設など、内装にお金をかける業種からの注文も捌ききれないほどくるので、単価の安い賃貸住宅に職人を回すのは限界があるようです。

「付き合いの長い不動産管理会社やオーナーさんには恩義もあるのでなんとかしたいと思っているが、職人の待遇を良くするためにはより条件の良い現場を選ばざるを得ない。そうしないと益々職人がいなくなってしまう…」と苦悩の表情を浮かべます。

この傾向は長期化する見込みで、繁忙期にはさらに工事単価が上がるか、お金を払ってもタイムリーに現場に入ってもらえないということも覚悟しないといけないかもしれませんね。

■モーガンの職人不足への対応策

この話を聞いてから、職人さんばかりを頼っているわけにもいかないと思い、自分で主催する大家の会のメンバーで、リフォームを学び、経験する回数を増やしました。

大家の会のメンバーは必ずしもDIYする方ばかりではないのですが、私が機会を用意することで、職人さんが確保できない時には相互で助け合うことができるコミュニティに成長できないかと思ったのです。

結果としては、今のところ、上手くいっています。

↑メンバーの奥様が初めて貼り替えた壁紙

先日、私が自分の空室の原状回復をDIYする話をしたところ、メンバーの奥様で、壁紙貼り替えを覚えてご主人のリフォームを手伝えるようになりたいという方が手伝いに来てくれました。

お言葉に甘えて、私のアパートの空室でやり方をお伝えしながら一緒に貼り替えを進めました。最初は壁紙一枚を貼り替えるのにも時間を要していましたが、二日目、三日目と日を追うごとに上達されていました。

完成

どうです?キレイに貼れていますよね?確かに職人さんにお願いした時と比べると、多少の粗はあるかもしれませんが、築20年のアパートには十分な出来栄えです。その証拠に直後の内見で入居が決まりました。

私一人でこれをやったらもっと時間がかかりますし、体力的に貼り替える面積を縮めたかもしれません。今回はほとんどの壁紙を貼り替えて新たな入居者さんを迎え入れることができたので、本当にありがたい限りです。

もちろん、私自身もメンバーの物件に空室が出たら、手伝いに行こうと思っています。こういった関係性を広げていけば、不動産投資家同士で助け合って、繁忙期を乗り切ることができると確信しています。

しかし、こういったコミュニティの形成には課題もあります。それはメンバーも本業があり、忙しいと言うことです。本業がある方にとって休日は貴重な時間ですし、子育て世代ならばなおさら、限界があります。

お願いする側もそれがわかっているだけに、頻繁には依頼しづらくなります。対策としては、親しい仲間であっても日当を支払ったり、忙しい時間帯は避けたりするなど、相手の生活への配慮が必要であると感じています。

■リフォームを助け合うコミュニティの形成

もしかすると、読者の皆様の中には、まだ職人さん不足を感じている方は少数かもしれません。不動産管理会社にリフォームも任せていれば、お抱えのリフォーム業者さんで工事しておいてくれるでしょう。

しかし、この先も同じような関係性でいられるかは注視しておいた方がいいと思います。メガ大家さんになって巨大なバイイング・パワーを持てば別かもしれません。

しかし、現状の円安では外国人労働者は増えにくいでしょうし、その中で益々進行する日本の少子高齢化でリフォーム業者さんが手配できないということが起こるかもしれません。

家賃は急激に上げることができないという特性からも、リフォーム費用の高騰に対抗するために、これからの不動産投資家にはリフォーム知識の必要性が問われると思います。

リフォームを外注している不動産投資家さんも、この点にアンテナを立てて、積極的にリフォームの知識を身に着けられる場に参加してみることをお勧めします。

無料会員登録

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

アクセスランキング

  • 今日
  • 週間
  • 月間

プロフィール

モーガンさん

モーガンさんもーがん

専業大家
茨城県在住
家族は妻、娘、息子
茨城県良質な賃貸を提供する会(良賃会)主催

プロフィールの詳細を見る

経歴
  • □1975年
    茨城県に誕生

    □1998年
    大学を卒業後、都内のIT企業に就職、株式投資を始める

    □2008年
    リーマンショックの暴落を見て不動産投資の勉強を始める

    □2010-2015年
    千葉県に1棟ものRCを取得
    以降4棟を買い進め、2棟を売却する

    □2015年
    不動産販売・管理企業に転職し、不動産実務を身に着ける

    □2018-2019年
    介護を機に退職
    専業不動産投資家になる

    生活費を得るために、築古・地方・郊外のアパートを中心に11棟67室まで買い進める

    □2020年
    茨城年良質な賃貸を提供する会を発足

閉じる

ページの
トップへ